「ハリケーンの名前」はどうやって決まるの?

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[この記事は2017年9月に公開されたものです]

ここ最近、アメリカのハリケーンのニュースが続いていますね。

前回のハリケーンHarveyも被害が大きかったですが、今回のハリケーンIrmaも避難勧告・冠水・停電といったニュースが報道されています。

そこで今回のコラムでは、ハリケーン・台風・タイフーン・サイクロンの違いや、ハリケーンの名前にまつわる豆知識を紹介したいと思います。

この記事の目次

ハリケーン、タイフーン、サイクロンの違い

これはクイズ番組でも取り上げられていたりするので、ご存知の方も多いと思います。

“hurricane” も “typhoon” も “cyclone” も、同じ気象現象のことです。
熱帯低気圧(tropical cyclone)の最大風速(maximum sustained winds)が、約33m/s(33meters per second)に達したら、3つのうちどれかに分類されます。

そして、これらの違いは「発生場所」の違いですね。

  • ハリケーン(hurricane):大西洋、太平洋北東部・北中部で発生
  • タイフーン(typhoon):太平洋北西部で発生
  • サイクロン(cyclone):南太平洋、インド洋で発生

とされています(情報元:National Ocean Service)。

ちなみに「台風=typhoon」とは限らないって知っていましたか?

気象庁のページによると、最大風速が約17m/s以上の熱帯低気圧を「台風」と呼ぶそうです。
上の国際的な基準では、最大風速33m/s以上が「typhoon」なので「”台風” だけど “typhoon” ではない」ということがあり得るんですね。

ハリケーンの名前にはリストがある

次は、ハリケーンの名前についてです。
ハリケーンに名前が付いているのを不思議に思ったことはありませんか?

少し前にテキサスに大きなダメージを与えたのはハリケーン「Harvey」でした。そして今回、カリブ海諸国やフロリダに大きな影響を与えているのが、ハリケーン「Irma」です。(ちなみに日本語読みでは「イルマ」ですが、英語読みは「アーマ」みたいな感じです)

これもご存知の方も多いかもしれませんが、ハリケーンの名前はあらかじめ決められた「ハリケーンの名前リスト」に沿って毎年つけられるんです。

2017年に大西洋で発生するハリケーンの名前リストはこうなっています↓

  • Arlene
  • Bret
  • Cindy
  • Don
  • Emily
  • Franklin
  • Gert
  • Harvey
  • Irma
  • Jose
  • Katia
  • Lee
  • Maria
  • Nate
  • Ophelia
  • Philippe
  • Rina
  • Sean
  • Tammy
  • Vince
  • Whitney
    (情報元:NATIONAL HURRICANE CENTER

アルファベット順に名前がズラーっと並んでいて、真ん中の方に “Harvey” と “Irma” が並んでいますよね。なので、次に大西洋で発生するハリケーンの名前は “Jose” ということになります。
そして、もう実際にハリケーン “Jose” はカリブ海に発生しています。

Hurricane Jeanne

この「ハリケーンの名前リスト」は名前違いで6つ用意されていて、上に出てきたNATIONAL HURRICANE CENTERのサイトには6つ全てのリストが載っているのですが、そこではこの「名前リスト」についてこんな解説がありました。

The six lists above are used in rotation and re-cycled every six years, i.e., the 2017 list will be used again in 2023.

「上の6つのリストはローテーションで使われ、6年ごとに再利用される」ということですね。今年(2017年)のリストは6年後の2023年に再び使われます。

■ 「〜年ごと」の表現は以下のコラムで詳しく紹介しています↓

ハリケーンの名前リストは変更になることも

ハリケーンの名前リストの名前は基本的に変わることなく6年周期でまた使われていくのですが、実は名前が変更されることもあるんです。

それは上のウェブサイトによると、こう書かれています↓

The only time that there is a change in the list is if a storm is so deadly or costly that the future use of its name on a different storm would be inappropriate for reasons of sensitivity.

甚大な被害が出て、今後同じ名前を使うのがふさわしくない場合には、そのハリケーンの名前はリストから外されて、別の名前に置き換えられるんですね。

今年(2017年)のリストは12年前、つまり2005年にも使われていたのですが、その時は “Katia” ではなく”Katrina” でした。
ニューオーリンズに壊滅的な被害を与えた「カトリーナ」と言えば、まだ記憶に残っている方も多いのではないでしょうか。

ちなみに、名前がリストから外されて使われなくなるのを多くのサイトでは “retire” で表現しているのが印象的でした。例えば、

  • Katrina was retired after it devastated New Orleans in 2005.

みたいな感じですね。こういう言い方をするのは初めて知りました。面白いですね。

ちなみに、名前リストをよく見てみると、男女の名前が交互に入るように作られているのが分かると思います。昔は女性名のみだったようですが、1979年以降は男女同権に反するとして男女の名前になったそうです。

また、今年のリストは女性の名前(Arlene)から始まっていますが、来年のリストは男性の名前(Alberto)からスタートというふうに、ここも男女交互となっています。

名前にまつわるコラム

これまでに紹介した、いろいろな名前にまつわるコラムを集めてみました。ぜひ合わせてご覧ください!



時事ネタは英語の勉強にもいい

普段はあまり気にしないことでも、ニュースになっていると気になることってありますよね。

私も、今回のハリケーンの名前「Irma」の読み方が日本語と英語では違って興味深いなと思って調べ始めたのですが、いろんな情報が芋蔓式に出てきて、英語の勉強にもなりました。

まとまった量の英語でも興味があれば集中して読めますしね。
過去に紹介した時事ネタのコラムも、ぜひ合わせてご覧ください!↓








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