会話の中に出てくる「ウィービット」って聞いたことがありますか?
ニュージーランドとオーストラリアの朝食の定番、Weet-bix(ウィートビックス)ではありませんよ。
この「ウィービット」、私は日本にいた時には、見たことも聞いたこともなかったのですが、ニュージーランドではしょっちゅう耳にするんです。
初め聞いた時は「We? Wii?」と思ったのですが、両方とも関係ありません。
「ウィービット」を含めて、ちょいちょい会話に登場してくる「ウィー」が今日のテーマです。
WeでもWiiでもなく、wee
まずは余談から。「ウィー」と言われて思い浮かんだのが “We” 以外には “Wii” だった私ですが、任天堂のゲーム機「Wii」は英語ではありません。
ウィキペディアによると「Wii」は英語のweに由来していて、「Wii U」のUはyouに由来するらしいです。
さて、今日の本題の「ウィー」ですが、英語で書くと “wee” となります。この単語、聞いたことはありますか?
実は “wee” には、今日紹介する意味とは別に「おしっこ」という意味もありますが、今日はその話ではありません。
この単語は元々はスコットランドから来た単語です。
ニュージーランドにはスコットランド系移民の子孫も多いので、よく耳にするのかもしれませんが、ニュージーランドだけで使われているということでも無いようです。
“wee” の意味と使い方
“wee” は、little・small・tinyという意味でよく使われる単語なんです。
英語で “little” を使う場面って、どんなのがありますか?
“a little”、”a little bit”、”a little girl” みたいな感じで使いますよね。
その “little” が “wee” に置き換わるワケです。
ちょうど最近、”wee” を使ったメールをもらったので、紹介してみます。
家の電気コンロが壊れた
私の家はガスコンロではなく、日本ではあまり見かけない、電気のこんなタイプです↓
スイッチを入れると、グルグルしたところが熱くなる仕組みなのですが、このあいだ突然動かなくなったんです。
早速、大家さんにメールしたところ、返事の一文にこう書かれていました。
「新しい部品を調達するのにちょっと時間がかかるよー」
出てきましたね。「ちょっと時間がかかります」、”wee” が使えそうな気配です。
実際にはこう書かれていました。
“It will take a wee while to source a replacement element.”
“a little while” となるところが “a wee while” となっています。
それだけではなく、この “wee” はニュースにも登場していました。
子どもをあらわす時にも登場する “wee”
去年子どもが生まれた時、ニュージーランド人の友達に子どもの写真をメールで送ったところ、返事の中にこんな一文がありました。
“Thank you for the photos. What a sweet wee girl that you have!”
ここでは “a sweet little girl” の “little” が “wee” に置き換わっていますね。
また以前、New Zealand Heraldという新聞社のサイトに誘拐未遂のニュースが載っていました(現在はサイトからは削除)。
8歳の女の子が道を歩いていたら、男の人に掴まれて車に押し込まれそうになったけど、何とか逃げて無事だったというニュースでした。
記事の中ではこの少女のことを “She’s a brave wee girl” と表現しています。
赤ちゃんや小さな子どもを表現する時には、この “wee” が特によく使われて「私がまだ小さかった頃に」も “when I was a wee child” と言ったりします。
よく耳にする「ウィービット」
ここで、今回のコラムのタイトル「ウィービット」に話を戻しましょう。
「ちょっと・少し」を表現する時に “a little bit” と言ったりしますよね。
その “little” が “wee” に置き換わって「ちょっと疲れた」なんて言う時にも “I’m a wee bit tired” と言ったりします。
「ちょっとだけフランス語が話せます」も “I speak a wee bit of French”と、ここでも「ウィービット」が出てくるんです。
自分では使う機会がなくても、意外としょっちゅう耳にするこの “wee”。
特にニュージーランドでは使う人がとっても多いので、覚えておくと便利かもしれません!