「何のために英語を勉強していますか?」
こう聞かれたら、あなたは何て答えますか?
海外に留学するため、仕事で必要だから、海外の人とコミュニケーションできるようになるため、映画を字幕無しで楽しめるようになりたいから、など理由は人それぞれだと思います。
英語を勉強してわりとすぐに話せるようになる人もいれば、何年勉強してもあまり上達しない人もいます。
その違いは何だと思いますか?
才能だと思いますか?努力でしょうか?
努力も原因の一つかもしれませんが、一番の原因はそうではありません。
「英語が話せるようになりたい!」
日刊英語ライフを読んで下さっている方の中には「英語が話せるようになりたい」と思っている人がたくさんいらっしゃると思います。
私もニュージーランドに渡る前はそう思っていました。
英会話学校に通って、宿題も復習もちゃんとしていました。
その結果、文法が身に付いたり、ボキャブラリーは増えました。
でも「英語が話せる」という自覚は全くなかったんです。
むしろ「私は英語が話せない」と思っていたので、英会話教室で同じクラスの人が英語を上手に話しているのを見て「あんなふうになりたいな」と、いつも思っていました。
ニュージーランドに留学した当初も「話せる!」という実感は全くありませんでしたし、実際にそれほど話せるようにはなりませんでした。
でも、いま振り返ってみると「話せない理由」が何となく分かります。
「何のための英語?」
繰り返しになりますが、皆さんは何のために英語を勉強していますか?
「海外の人とコミュニケーションをとる時に英語が必要だから」と答える人が多いのではないかと思います。確かに英語を使えば、世界中の多くの人と話せるようになります。
では、ここでもう一つ質問です。
「英語が話せるとしたら、海外の人と何を話したいですか?」
「英語が話せるとしたら、英語を使って何がしたいですか?」
この質問に自信を持ってはっきり答えられる人は、絶対に話せるようになります。
逆に言うと「話したいことが特にない」「何がしたいか分からない」という「英語が上手になりたい」だけの人は、英語でコミュニケーションは難しいと思います。
話したいことがないと、せっかく英語で話す機会があっても会話が進みません。
英会話を習っていても沈黙になりがち、という方も少なくないのではないでしょうか。
それでは会話は絶対に上達しません。
上達のカギは「何を話すか」を持つこと
私も実は、どちらかというと「英語が上手になりたい」のタイプでした。
でも、自分なりに努力して勉強しているだけでは会話力は伸びませんでした。
それはやはり「何を話したいか」が無かったからだと思います。
それが、ニュージーランドで仕事をするようになってからは、毎日毎日お客さんと英語で話す必要に迫られるようになりました。
接客業で無言では仕事になりません。お客さんの質問も英語で理解して、英語で答えないといけません。
お客さんに楽しんでもらえるようにするには?と自分で考えて勉強するようになりました。伝えたいことがあると、どうやったら伝えられるか猛勉強しますよね。
それまでの「英語の全体的な知識を高める」という方法ではなく、伝えたいことの表現を調べたり、人に聞いたり、人が話している表現を盗んで自分のものにしようとします。
よく言われる「必要に迫られたら話せるようになる」というのは「何を話すのか」「何を伝えたいのか」が明確になるからではないかと思います。
「話したい何か」「伝えたい何か」を持って、そこに向かって努力することで、英語は勉強する対象ではなく、コミュニケーションのツールに変わります。
それが「英語でコミュニケーションをとる」ということだと思います。
「英語を話す」ではなく「英語で話す」
英語を勉強していると、ついつい「英語を話す」ことに目標を置いてしまいがちですが、「英語を話す」ではコミュニケーションは成立しません。
英語でコミュニケーションをとるということは「何かを伝えるために英語で話す」ということです。
話したいこと・伝えたいこと無しでは、コミュニケーションも何もありません。
これは日本語でも同じことですよね。話すことがないと会話も生まれません。
何を話したらいいのか分からない、という方は自分のことを話すところから始めてみませんか?
自分のことを話してみよう
私は、ニュージーランドで生活を始める前は「自分」について話す機会はそれほど多くありませんでしたが、ニュージーランドでは「自分」について話す機会がとても多かったです。
初めて会う人にはたいてい「どこから来たの?」から始まって「なぜニュージーランドに来たの?」や「ニュージーランドで何してるの?」など色々と質問されますし、自分の事を話すというのは会話の中ではとても重要です。
あなたが海外の人と知り合いになった時にも、必ずこういった質問をされると思います。
たとえ上手な英語ではなくても、自分のことを一生懸命相手に伝えようとすると、相手はとても興味を持って聞いてくれるはずです。
英語が上手・下手ではなくて「話の内容」に興味を持ってくれるんです。
人はそれぞれ違うストーリーを持っています。
そんな、あなたにしか語れない話は相手にとっては興味深い話なんです。
まずは「自分がどんな人間なのか」を英語で伝えられるようになってみませんか?
完璧な英語である必要はありません。
完璧な英語でも中身がないと意味がありません。
「話したいこと」「伝えたいこと」を持つことが、会話を上達させる一番のカギだと思います。
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