皆さん、”wonder(ワンダー)” と聞くと、どんな意味を思い浮かべますか?
“wonder” という単語自体は、知っているまたは聞いたことがある人が多いと思います。
辞書の一番最初に出てくる「不思議に思う」という意味を思い浮かべる人もいるかもしれませんね。
では、実際に上手に活用できていますか?
イマイチ使い方が分かりにくい単語の1つかもしれませんが、実はネイティブがとてもよく使う単語でもあるんです。
“wonder” の意味は?
英和辞書を引いてみると真っ先に出てくる意味は、冒頭にも出てきたように「不思議に思う」だと思います。
でも、日常生活の中で「私は不思議に思います」と言う機会なんてほとんどないですよね。
この “wonder” は「不思議に思う」というよりも「(〜だろうかと)思う」「〜かしら」といったニュアンスでよく使われます。
「思う」を英語で言うと “think” を使うことが断然多いと思います。でも「どうかなぁ」と思っている感じの「思う」を表すのにピッタリなのが、この “wonder” なんです。
例えば、メールを送ったのに返事が全く来ない…なんていう場合がありますよね。
メールがちゃんと届いてるのかどうか確認したい旨のメールを送るとしたら、どんな文章にしますか?
“Have you received my email?” でもいいですが、ちょっとストレートすぎて威圧的な印象を与えてしまうかもしれません。
そんな時に “wonder” を使ってみましょう。
- I’m just wondering if you have received my email.
とすれば「メールをちゃんと受け取ったかどうかな、と思っています」と、かなり柔らかい印象に変わりますよね。
質問をするときに、直球ではなく柔らかい丁寧な響きにするために “wonder” はよく使われます。
とっても丁寧な依頼の “was wondering”
“wonder” は、ちょっと回りくどい言い回しができるので、そのぶん丁寧さをアップすることができます。
特に、定型文のようによく使われるのが、
I was wondering if you could 〜
というフレーズ。これは、控えめに何かをお願いしたい場合によく登場します。
例えば、海外出張で現地に到着した時に、先方の担当者に「空港に迎えにきてもらいたい」と頼みたいとしましょう。
友達に頼むのなら “Can you pick me up at the airport?” でも悪くはないですが、先方の担当者にお願いするなら、もうちょっと控えめに丁寧にお願いできるフレーズが欲しいところですよね。
そんな時こそ “wonder” の出番です。
- I was just wondering if you could pick me up at the airport.
とすると「空港に迎えにきていただけないかなと思ったのですが…」と、控えめな感じが出ます。
ポイントは現在形よりも過去形を使うほうが丁寧さが増す、ということです。
《遠回しに表現する=丁寧になる》という図式は、日本語だけではなく英語にも当てはまる法則なので、ぜひ覚えておくといいと思います。
■過去形が丁寧になる理由はこちらで紹介しています↓
“no wonder” は「どうりで」「当然」
“wonder” には名詞の意味もあります。名詞の “wonder” は、
no wonder 〜
というフレーズでよく出てきます。”wonder” は「驚嘆」とか「驚くべきこと」みたいな意味なので、それを “no” で打ち消して「驚きではない」「驚くことではない」というニュアンスになります。英語で言うと “not surprising” ということですね。そこから「どうりで〜なわけだ」と訳されることも多いです。
“no wonder” は会話の中でよく使われて、例えば、
Aさん:Who’s this guy?
Bさん:I can’t remember his name, but he was in Ocean’s Eleven.
Aさん:No wonder he looked familiar.
これは「どうりで見覚えがあると思ったわけだ」ということですね。
“wonder”、こんな使い方も
他にも “wonder” は、会話の何でもないところにも登場します。
例えば下のような会話があったとしましょう。
Aさん:Have you seen John today?
Bさん:No. Why?
Aさん:Just wondering.
このAさんのセリフ “Just wondering.” とは、どんな意味なのでしょうか?
これは、日本語で言うところの「ちょっと聞いてみただけ」のニュアンスに近い、特に理由があるわけではないけど、気になって聞いてみただけという時に使われます。
特に理由はない、というのがポイントで “(I was) just wondering” は軽くサラッと言うとカンジが出ます。
結構使える単語 “wonder”
今回紹介した “wonder” は、どれも生活の中のちょっとした時に使える、便利なフレーズです。
何かを言う前のワンクッションとしても “I’m/was just wondering if…” は使えます。
「これから私が思っていることを言いますよ」という前フリとして使えるので、ちょっと聞きにくいことの前にくっつけたりもします。
耳を澄ませていると “wonder” という単語は会話のなかで結構よく使われているので、しっかりマスターして使ってみてくださいね。
■過去形を使った遠回しな表現・丁寧な表現については、こちらのコラムもご覧ください!↓