日本語では「これをピックアップしました」「いくつかピックアップしておいて」のように「ピックアップ」を使いますよね。
でも実は、英語の “pick up” に「選ぶ」という意味はありません。
でも、”pick up” 自体はとてもよく使われる表現なので、日常会話でよく出てくる “pick up” の意味と使い方をまとめてみたいと思います!
基本のイメージは「手に取って持ち上げる」
“pick up” の一番大事なイメージは「手に取って持ち上げる、拾い上げる」です。
このイメージがあれば、
- pick up the phone
が「電話に出る」という意味で使われるのも理解できると思います。「受話器を持ち上げる=電話に出る」というイメージができますよね。
また、赤ちゃんが泣いたりしてお母さんが抱き上げるのも “pick up a baby” と表現したり、小さな子どもが言う「抱っこして」も、
- Pick me up!
のように “pick up” が使われますが、これもイメージできると思います。
こんなふうに “pick up” は物だけではなく、人にもよく使われます。
でも、ただ単に「手で持ち上げる、拾い上げる」以外の意味で使われることも多いんです。
まずは「物」に対してよく使われる “pick up” を見てみましょう!
「取りに行く、来る」の “pick up”
“pick up” は物に対して「取りに行く、取りに来る」という意味でよく使われます。
特によく使われるのは、何か準備できているものを「引き取りに行く、来る」イメージです。
- I’ll pick it up later.
それ、後で取りに行くよ(取りに来ます) - I need to pick up my dry cleaning.
クリーニングを取りに行かないと
また、ちょっと派生して「物を買う」という意味でも使われます。
- I need to pick up some groceries on my way home.
帰りにちょっと食料品を買って帰らないと - Can you pick up some milk on your way home?
帰りに牛乳を買って来てくれる?
みたいな感じですね。「引き取りに来る」と「買う」は、文脈でたいてい判断できると思います。
「迎えに行く、来る」の “pick up”
次に、人に対して使う “pick up” を見てみましょう。
日常生活で最もよく登場する “pick up” と言えば、この使い方です↓
【pick somebody up】
to let someone get into your car, boat etc and take them somewhere
「車に誰かを乗せて、どこかに連れて行く」ということですね。
これは「人を拾い上げる」、つまり「(誰か)を車で迎えに行く、迎えに来る」を表す時にとてもよく使われる表現です。例えば、
- I can pick you up at the airport tomorrow.
明日、車で空港に迎えに行けるよ - My dad is picking me up at three.
お父さんが3時に迎えに来ます
のような感じですね。ヒッチハイカーを車に乗せるのにも “pick up” が使えますよ。
「(言葉、スキルなど)を習得する、覚える」の “pick up”
次は、物や人以外のものに対して使う “pick up” です。
新しい言語を覚えたり、スキルを身につけるという意味でも “pick up” が使われることがあるんです。
ただ、カリカリ勉強してようやく身につけるというニュアンスではなく、見たり聞いたりしているうちに身につけるというようなニュアンスになります。
例えば、小さな子って凄いスピードで言葉を覚えていきますよね。私の娘がまだ幼稚園に入りたてぐらいの頃に、同い年の子を持つ友人と話していた時に友人がふとこんなことを言っていました↓
- It’s amazing how quickly they pick up new words.
彼女たちは新しい言葉(単語)を覚えるのが本当に早くてビックリよね
そして、同じく同い年の子を持つドイツ人の友人は、子どもと一緒にドイツに行って帰ってきた後、こんなふうに言っていました↓
- He picked up a few German words while we were there.
彼は向こうにいる間にいくつかドイツ語の単語を覚えたの
言葉やスキル以外にも、どこか特定の環境または人から身につけた習慣や癖などを表すときにも “pick up” が使われます。
「(風邪や病気など)をもらう」の “pick up”
そして「風邪や病気などをもらう、うつされる」という意味でもよく使われます。
ウィルスや病気を拾ってしまうという感じをイメージするとすんなり理解できるかもしれませんね。
- I think she’s picked up a cold at daycare/creche.
保育所で風邪をもらったんだと思う - He picked up some kind of virus.
彼はなんらかのウィルスをもらった
といった感じです。こんなものに対しても “pick up” を使うって何だか面白いですね。
「好転する」の “pick up”
最後に、私がお店でよく耳にする “pick up” を紹介しましょう。
例えば、こんなふうに会話に出てきます↓
- Have you been busy today?
−No, it’s been quiet but it’s going to pick up soon.
「今日は忙しい?」と店員さんに聞いたときの会話ですが、店員さんは「今のところ静か(暇)だよ」と言っています。そして、続けて “it’s going to pick up” と言っていますよね。
この “pick up” とは “improve” というニュアンスで「好転する」という意味なんです。なので、店員さんが言いたいことは「もうすぐ忙しくなるよ」ということなんです。他にも、
- The first few hours were slow but things picked up after that.
最初の数時間は暇だったけど、そのあと忙しくなったよ - How’s business? −January was slow but it’s starting to pick up.
「商売はどう?」「1月は忙しくなかったけど、良くなり始めてるよ」
みたいに “things pick up” というフレーズでもよく使われます。
イメージで覚えたい “pick up”
今回紹介した以外にも「風が強くなる」という意味でも使ったり、”pick up” にはいろんな意味があるので、1つずつ暗記しようとすると大変だと思います。
なので、基本の「手で持ち上げる」「拾い上げる」のイメージで捉えておくといいと思います!
■「だいたい9時ぐらいに(車で)迎えに行くね」の表現は、こちらでも紹介しています↓
■”pick up a bargain” ってどんな意味?