陸上競技などで最後に全力で走ることを「ラストスパート」と言いますよね。
「ラスト」はなんとなくイメージできると思いますが、では「スパート」って何なのでしょうか?
ラストスパートの「スパート」とは?
「ラストスパート」は陸上競技などのレースに限らず、仕事なんかでも最後の追い上げみたいな意味で「スパートをかける」みたいに言うこともありますよね。
そんな「ラストスパート」の「スパート」は、英語の “spurt” から来ていると言われています。
日常生活では出てくることのない、あまり聞き慣れない単語ですよね。
私は子どもが生まれてから初めて “spurt” という単語を知ったのですが、どんな意味があると思いますか?
英語の “spurt” の意味
“spurt” を辞書で引いてみると、こんなことが書かれています↓
■verb
(The Britannica Dictionary)
1. to pour out or come out quickly and suddenly
2. to move at a fast speed for a short distance
動詞の “spurt” の基本の意味は「(液体や炎などが)突然勢いよく噴き出す、噴き出る」です。
- Blood spurted from the wound.
傷から血が噴き出した - I saw water spurting out of the ground.
地面から水が勢いよく噴き出しているのを見た
そして2が「短い距離、速いスピードで移動する→スパートする」という意味ですね。
そして、”spurt” は名詞もあって、上のような「噴出」という意味以外では、
a sudden increase in speed, effort, activity or emotion for a short period of time
(オックスフォード現代英英辞典)
という意味で使われることがあります。イメージとしては、何かの活動やスピードなどが「短い期間でグッと増える」や感情が「急にワッとわき起こる」という感じです。
動詞にも名詞にも共通するのは「短期間でグッと何かの活動が増える、ワッと何かが起こる」といったイメージなので、ラストスパートもこのイメージに合いますよね。
そして、英語の “spurt” といえばコレ!という使い方が、”growth spurt” です。
“growth spurt” とは?
“growth spurt” という表現を聞いたことはありますか?”growth(成長)” の “spurt” です。
日本でも「成長スパート」という言葉があるようですが、赤ちゃんや子どもがグググっと急に背が伸びたり体重が増える「急成長する時期」のことを言います。上の “spurt” のイメージを膨らませると理解するのは難しくないと思います。
もちろん個人差がありますが、赤ちゃんでは、だいたい生後2-3週間、6週間、3ヶ月、6ヶ月、9ヶ月ぐらいに “growth spurt” がおとずれると言われていて、ミルクを飲む量が増えたり、睡眠パターンが変わったり、機嫌が悪くなったりみたいなことが “growth spurt” のサインと言われています。
その後も幼児期や思春期にも “growth spurt” はやって来るのですが、娘が赤ちゃんの頃や幼稚園の頃にママ友と話をしていると、
- He’s having a growth spurt.
- She’s going through a growth spurt now.
今、成長スパート期なのよ
みたいな会話になることがありました。
“growth spurt” は海外で子育てをする方はぜひ覚えておきたい単語です。そうでない方にとっても、”spurt” という単語のイメージが分かりやすい使い方の例かなと思ったので紹介してみました。