最近、テレビで料理系の番組を見ることが多いのですが、今回はそこでとってもよく出てくる表現を紹介したいと思います。
それは、カレーを作る際に市販のルーを使わずにスパイスを調合して「最初から作る」や、市販のパイ生地を使わないでパイを「最初から作る」といったような「最初から」または「一から」というフレーズ。
料理だけで使われるわけではありません。
「私の父はゼロから会社を築きました」などの「ゼロから」を表現する時にも使わるフレーズとは、どんなものだと思いますか?
「最初から」の「最初」をどう表す?
「最初」と言えば “beginning” という単語が思い浮かびませんか?
「最初から」は “from the beginning” というフレーズで表すこともできます。
でも、カレーのルーを使わずに「最初から」や市販の生地を使わずにパイを「最初から」作る、会社を「ゼロから」興すといった場合に使われる定番のフレーズがあるんです。それは、
from scratch
です。耳にしたことはありますか?
“scratch” とは一体、何なのでしょうか?
“scratch” の意味は?
“from scratch” の “scratch” は「スクラッチ」です。
そもそも “scratch” とは「引っ掻く・傷をつける」という意味でよく使われる動詞です。
日本でも、銀色のコーティングされた部分を削る宝くじを「スクラッチ」と呼びますよね。これも 「こすって傷つける」ので「スクラッチ」と呼ばれるんですね(英語では “scratch cards” や “instant lottery” などと呼ばれます)。
でも、”scratch” には元々、地面を引っ掻いて付けた、スポーツの「スタートライン」の意味もあって、その “scratch” からスタートする選手は他のハンデをもらった選手に比べて、ハンデなしのゼロからのスタートでした。
そこから “start from scratch” で「有利な条件・ハンデなしからのスタート」という意味になり、”from scratch” が
from the very beginning, especially without utilizing or relying on any previous work for assistance
という意味を表すことになったようです。
「(出来合いのものを使わずに)最初から作りました」を英語で
では、実際どんなふうに “from scratch” を使うのか見てみましょう。
市販の出来合いのものを使わず、全くの最初から料理を作る時によく使われるのが “from scratch” です。
例えば、カレーを作る時に、市販のペーストやルーを使わず、スパイスを調合して最初から作った場合には、
- I made this curry from scratch.
このカレーは(ルーを使わず)最初から作りました
と言うことができます。
同じように、市販のパイ生地を使わずに生地からアップルパイを作った場合には、
- I made an apple pie from scratch.
アップルパイを最初から(市販の生地を使わずに)作りました
と言えます。「生地を作った」をわざわざ英語にしなくても、これだけでバッチリ伝わります。
そして、料理だけでなく、会社・ビジネスを何もないところから作り上げた場合にも使えます。
- My father built his own company from scratch.
父はゼロから会社を築き上げた
みたいな感じですね。
また、上の英英辞書の定義にもあったように “from the very beginning” という意味で、
- We had to start over from scratch.
私たちは最初から(ゼロから)やり直さないといけなかった
のように使うこともできますよ。
いろんな場面で使える “from scratch”
「全くの最初から」を表すシンプルな表現 “from scratch” は料理だけでなくいろんなシーンで使えます。
“from the beginning” でも「最初から」というニュアンスは表せますが、全くアドバンテージがない状態からというニュアンスが含まれるのが “from scratch” です。
何もないところから努力して(骨を折って)成し遂げた!という場合にはぜひ使ってみて下さいね!