「その腕時計はすごく高い」「野菜が安い」「私は給料が安い」「税金が高い」…など、「高い・安い」という表現はいろんなものに対して使いますよね。
「高い」と言えば “expensive”、「安い」は “cheap” と学校で習いましたが、実際には全ての「高い・安い」がこれで表せるわけではないんです。
今回は、少し混乱しやすい「高い・安い」の英語表現をおさらいしてみましょう。
品物が「高い・安い」
まずは王道の、品物が「高い・安い」を表す言い方です。
- その腕時計はすごく高い
- 野菜が安い
を英語で言うと、どうなるでしょうか?
これは簡単ですよね。他にも言い方はあるかもしれませんが、一番シンプルに言うと、
- The watch is very expensive.
- Vegetables are cheap.
です。お金を出して買う品物が「高い/安い」場合には “expensive/cheap” で表わされることが多いです。
“expensive” の程度を表すのに “quite expensive”、“very expensive” なども使われますが「高すぎる」という気持ちを込める場合には “too expensive” もとてもよく使います。
また、“cheap” は「安い」以外にも「安っぽい」という意味もあるので、気をつけないといけないと聞いたことはありませんか?
確かに「安物の」という意味で “cheap wine” などと言うこともありますが、単純に「安い」を表す時にも使うので、それほど神経質になる必要もないと思います。
ネイティブの友人たちも「〜が安い」と話す時には “cheap” を使いますし、安い買い物をした話をすると “Oh! That’s so cheap!” と言われたりします。
ただし、相手の持ち物などには「安っぽい」と誤解されないように “cheap” は避けた方がいい場合もあります。
値段が「高い・安い」
“The price is so expensive!” と言ってしまうこと、ありませんか?
「値段(price)が高い/安い」にも “expensive/cheap” を使ってしまいがちですが、この場合は “high / low” が正解です。
- Petrol prices are so high.
ガソリンがとても高い - They sell used cars at low prices.
あの店は中古車を安く売っている
スーパーのチラシなどで見かける「最安値」も “cheapest price” ではなく “lowest price” となります。
給料、税金、物価が「高い・安い」
次は、給料・税金・物価の「高い・安い」です。これも混乱しがちですが、“My salary is cheap.” と “My salary is low.”、どちらを使うと思いますか?正解は、
- My salary is low.
です。日本語では「給料が安い」「安月給」なんていう言い方もするので、それについに引きずられて “My salary is cheap” と言ってしまいそうになりますが、給料は “high / low” で表します。
「いいお給料」は “a good salary” や “good pay” とも言いますよ。“The job has good pay.(その仕事は給料がいい)” みたいな感じです。
他には「税金が高い」は “expensive” か “high”、どちらで表すと思いますか?
この場合も “high” が使われるんです。反対に「税金が安い」は “low” です。
- Taxes are high here.
ここは税金が高い
では「物価が高い」はどうでしょうか?
物価も、“high” と “low” を使うので、
- The cost of living is high in New Zealand.
ニュージーランドは物価が高い
のように表します。
“expensive/cheap” か “high/low” か
ここまで見てきて「高い・安い」を表す英語表現には “expensive/cheap” と “high/low” があることが分かりました。
では、その使い分けのポイントは何だと思いますか?辞書によっては、
値段が高い(安い)ことを表す場合に “expensive / cheap” を使う
と書いてあります。
確かに、ものの値段が高い(安い)場合に使うのは分かるのですが、「値段」自体を表す “price” が「高い・安い」には “high/low” を使うので、ちょっとややこしいですね。
私が行っていた語学学校の先生が教えてくれた使い分け方は、
基本的にお金を出して買うものには “expensive/cheap” を使い、それ以外に “high/low” を使う
と教えてくれました。
品物やチケットはお金を出して買うものなので “expensive/cheap” です。でも、値段・給料・税金・物価、どれもお金を出して買うものではありませんよね。なので “high/low” です。
最後に、品物やサービスが「高い」「安い」と言う場合に “expensive” と “cheap” ではない他の表し方も少し見ておきましょう。
“cheap” 以外の「安い」の英語表現
“cheap” の代わりに使う表現で思いついたものをザッと挙げてみると、
- not expensive
- inexpensive
- affordable
- reasonable
- reasonably-priced
などがあると思います。“affordable” や “reasonable” は「安い」というよりも「手頃な、それほど高くない、妥当な(値段)」といったニュアンスに近いですね。
また、激安ではないけど「それほど高くないんじゃない?」「悪い値段じゃないんじゃない?」のニュアンスで言う場合には、
- That’s not too bad.
という表現もよく耳にします。
他にも、良いものを安く買った「いい買い物」というニュアンスでは “a good deal/buy/bargain” という表現もよく使われますよ。
- I got a bargain.
いい買い物をしたわ
“expensive” 以外の「高い」の英語表現
一方、「高い」にも他の表現がいくつかあります。こちらもザッと挙げてみると、
- pricey
- dear ※イギリス英語圏でよく使う
- overpriced
- rip-off
- steep
などをよく耳にします。
例えば、ちょっと高いなと感じるレストランを表現する時には、
- That restaurant is a bit pricey.
あのレストランちょっと高いよね - Oh, that’s a bit dear.
ちょっと高いなぁ…
と言えます。そして、“overpriced” は「妥当な価格よりも高い」のニュアンスです。
- The hotel is nice but overpriced.
そのホテルは良いけど高すぎる(料金に見合ってない)
また、値段が高過ぎて「ぼったくり」というニュアンスなら、
- What a rip-off!
ぼったくりじゃん!
もよく使います。
そして、“steep” はカジュアルな表現ですが、これは「法外に高い」という意味の単語です。
- $10 for a cup of coffee? That’s steep!
コーヒー1杯10ドル?高すぎるよ!
「高い・安い」は会話でしょっちゅう出てくる表現だと思うので、ワンパターンではなくいくつか違う表現も使えるといいですね。
■以前に紹介した「めちゃくちゃ高すぎる!」を簡単に表せる、こちらのフレーズもなかなか使えますよ!↓
■「値上げ・値上がり(する)」の英語表現はこちらで詳しく紹介しています↓
■「リーズナブル(reasonable)」は単なる「安い」という意味とはちょっと違います↓














