“wait” と “await” という2つの単語。
とってもよく似ていますが、違いは何だと思いますか?
実はこの2つには微妙な違いがあるんです。その違いとそれぞれの使い方を解説します!
“wait” と “await” はどちらも動詞
“await” は “wait” よりも馴染みの少ない単語かもしれません。
私は “await” という単語を初めて見たとき、”awake” とか “asleep” の仲間で形容詞なのかと思いました。
ところが、そうではないんです。”await” は動詞です。しかも、意味は「待つ」です。
では、馴染みのある “wait” との違いは何なのでしょうか?
“wait” と “await” の違い
“wait” と “await” の違いはいくつかあります。
まず箇条書きでざっと挙げてみると、
1. フォーマルさの違い
2. 前置詞がいるか、いらないかの違い
3. 何を待つのかの違い
です。意味はどちらも同じ「待つ」だけど、使われる場面や使うときの文章の構造がちょっと違うんですね。一つずつ見てみましょう!
フォーマルさの違い
日常的には “wait” が使われることの方が圧倒的に多いです。
それもそのはず、”await” は “wait” よりもフォーマルな単語で、日常会話ではあまり出てきません。
基本的にはちょっとかしこまった時に使われる単語で、ニュースで目にしたり、書き言葉で目にする単語が “await” です。
前置詞がいるか、いらないかの違い
「〜を待つ」を表すときに前置詞がいるかいらないか、これが大きな違いです。
“wait” は「待つ」という意味なので、目的語なしでも使えますが「〜を待つ」のように目的語が後ろに来る場合には “wait for” にしないといけません。
- I had to wait hours to get seen by a doctor.
お医者さんに診てもらうのに何時間も待たないといけなかった - I’m waiting for Tom.
私はトムを待っています
それに対して、”await” はこれだけで「〜を待つ」という意味です。なので、後ろに必ず目的語が入って前置詞は必要ありません。
- She died in a jail cell while awaiting trial.
彼女は裁判を待っている間に独房で亡くなった - He is still awaiting a decision from the federal government.
彼はまだ連邦政府の決定を待っている - Do not come to work if you are awaiting Covid test results.
コロナの検査結果待ちなら、仕事に来ないでください
“await for” にはならないので、混乱しないように注意してくださいね。
目的語に入るものが違う
“await” の目的語には〈人〉ではなく〈無生物〉のものが入るのも大きな特徴です。
上の例文でも “trial(裁判、公判)” や “a decision(決定)”、”test results(検査結果)” といった「人以外」のものが目的語に来ていますよね。
つまり、”await” は「誰を待つ」ではなく「何かを待つ」に使われるので、
- I’m awaiting you.
とは言わないんですね。この場合は “I’m waiting for you.” と言うのが普通です。
と言っておきながら何ですが、”await” の後ろに「人」が入ることも無くはないんです。例えば、
- Adventure awaits you!
みたいに使われることもあります。この場合は、未来に何かが「待ち構えている」というニュアンスで使われるので、必ず「何か」が主語に来ます。
“long-awaited” も覚えておきたい
“await” に関連して、よく使われる単語を最後に紹介しておきたいと思います。それは、
long-awaited
です。これは「待ちに待った、待望の」という意味の形容詞で、
- long-awaited news:待望の知らせ
- long-awaited get-together with friends:友達たちとの待ちに待った集まり
のように名詞を修飾する形で使います。直訳は「待ちに待たれた○○」ですが「待ちに待った○○」とした方がナチュラルですね。
■”wait for” と “wait on” の違い。こちらも合わせてどうぞ↓