会話の中で「でも」「だけど」というニュアンスを表したい時、どんな単語を使っていますか?
“but” しか思い浮かばない、”but” 以外使ったことがない、という方にこそ読んでいただきたい今回のコラムでは、”though” を取りあげたいと思います。
使いこなすのは何だかちょっと難しそうな “though” ですが、実はものすごく簡単で、会話の中でとってもよく使われる単語なんです。
“though” と “although”
まずは、”though” と言えば、もう一つ似たような単語 “although” も思い出しませんか?
この2つの単語は学校でも習いましたが、何だかスペルも似ていて、使い分けもイマイチよく分からなかったような…というのが私の記憶です。
でも、日常会話でよく使われるのは “though” の方なんです。
それに対して “although” はかなりカタい表現でしか使わないので、普段の日常会話ではほとんど登場しません。
なので、今回は “though” の使い方だけに絞ってお話したいと思いますが、今回紹介したいのは【文末で使う “though”】です。文頭ではなく、文末というのがポイントです。
文末の “though” の使い方は?
まずは早速、文末でどんなふうに “though” が使われるのかを見てみましょう。
例えば、海外旅行に行く時に友達が「空港まで車で送って行こうか?」と言ってくれたとします。
でも、誰か他の人が送ってくれるのがすでに決まっていたり、他の交通手段を手配していたりして「ありがとう。でも大丈夫」と断るとしましょう。
こんな場合、あなたなら英語で何て言いますか?
“No, thank you.” だけでは、せっかくの好意に対してちょっと冷たい感じがします。”Thank you. But I’m fine.” と言ってから「家族が送ってくれるから」などと付け加えてもいいですね。
ところが、こんな場面こそ “though” が大活躍するんです。
“No, I’m good. My brother is going to give me a lift.” などと先に述べておいて、
- Thank you, though.
で締めくくると、相手の申し出を断りながらも「でも、気持ちはありがとう」という丁寧な印象になります。
“No, thank you.” の一言で返すのとは、だいぶ印象が違いますよね。
「〜なんだけどね」を表す “though”
誰かのオファーを断る場合以外でも、文末の “though” は活躍します。
何か先に述べたことに対して「でも〜だけどね」と最後に付け足すような時に、文末の “though” がとってもよく使われるんです。
例えば、雪がたくさん積もったときって、景色はキレイだけど寒いですよね。そんな時にありそうな会話も、
- “Beautiful, isn’t it?” −Yeah, (it’s) cold though.
「キレイだね」「ね。寒いけどね」
みたいに “though” を使って簡単に表現できてしまうんです。
“Yes, but it’s cold.” では、”but” が強くて “but” 以降の内容が強調される感じですが、”〜 though” を使う場合は「〜だけどね」と少し付け加えるニュアンスになります。
また、オックスフォード現代英英辞典には、こんな例文が載っています↓
- Our team lost. It was a good game though.
この場合も “It was a good game but our team lost.” だと「負けた」という事実が強調されますが、上の例文では「いい試合だった」の印象が強くなりますよね。
会話の中で上手に使ってみよう
今回紹介した、文末の “though” は口語では本当によく使われます。
文章で書かれているのと違って、口語では「…だ。〜だけどね」というそのままの流れで話すことも多いので、そんな時には “but” よりも “〜 though” の方がナチュラルに聞こえることも多いです。
「でも、気持ちはありがとう」の “Thank you though.” や、ちょっとした余韻を残すような文末の “〜 though”、ぜひマスターして会話に生かしてみて下さい!
■”then” も口語では文末にサラッとくっつけてよく使う単語です。こちらも覚えて使ってみてくださいね!↓