前回のコラムでは確信度の低い「たぶん」を表す “maybe” の使い方を取り上げました。
今回は私がニュージーランドに住んでいた時に、ネイティブと話していて「へぇ、こんな使い方もあるんだ」と発見した “maybe” の使い方を紹介したいと思います。
純粋な「たぶん」以外の意味で、特にカジュアルな口語やメッセージなどでよく使われるので、覚えておくと表現の幅が広がりますよ!
【おさらい】確信度の低い “maybe” の使い方
ここは前回のコラムのおさらいなので、すでに読んでいただいた方は飛ばしてもらっても大丈夫です。
“maybe” は確信の低さを表す単語でしたよね。基本的に自分で決断・コントロールできないことを推測する「分からない」に使われるのがポイントでした。
- Do you think it will be sunny tomorrow? −Maybe.
「明日晴れると思う?」「多分ね」 - Maybe Tom will come too.
たぶんトムも来るよ
のような「たぶん」です。確信度はかなり低いことを思い出してくださいね。その他には、敢えて “Yes/No” をハッキリ言いたくない場合、ごまかしたい場合にも使うんでした。
そして、”maybe” の「確信度が低い」のニュアンスを上手く利用したのが、今回紹介する【控えめな表現(婉曲表現)の “maybe”】です。
控えめに提案する “maybe”
“maybe” が会話でよく使われるのは、控えめに何かを提案する時です。
これは「(できれば)〜してみてはどうかな?」「〜してみたらいいかも」「〜するのはどうかな?(〜してみない?)」みたいな感じです。例文をいくつか挙げてみると、
- Maybe you should see a doctor.
お医者さんに見てもらった方がいいよ - Maybe you could ask him for advice.
彼にアドバイスを求めてみてはどうですか? - Maybe we should just wait and see what happens.
ちょっと待って様子を見た方がいいかもしれない - I thought maybe we could catch up over a cup of coffee or something.
お茶か何かしながらお互いの近況報告でもどうかなと思って
“should” や “could” と一緒に使うことが多いのが特徴です。
他にも提案の “maybe” で私がパッと思い浮かべるのが「もしかしたら」のニュアンスを活かした、
- Do you want to drink something? Or maybe something to eat?
何か飲みますか?それとも何か食べますか? - Can I pop round maybe after lunch, if that’s ok?
もし良ければ、お昼の後にちょっと寄ってもいい?
のような提案にもよく出てくるように思います。
柔らかく否定・お願いする “maybe”
相手の発言を柔らかく否定する時にも “maybe” が登場します。
これも「もしかしたら〜かもしれない」というニュアンスを利用して、否定のトーンを和らげる感じです。
- Maybe that’s not the best idea.
それはあんまりいい考えではないかもしれないよ - Maybe you shouldn’t go there.
あなたはそこに行かない方がいいかもしれない - Maybe you shouldn’t do that.
それはしない方がいいかもしれない
ズバッとストレートすぎる印象の文でも、”maybe” を付けると柔らかい感じになるのは「確信のなさ」のなせる業です。
同じように、控えめで丁寧にお願いする時にも “maybe” を使うことがあります。
- Could you maybe check again?
もう一度確認してもらえますか? - Could you maybe not do that?
それをしないでもらえますか?
大まかな数を表す「だいたい」の意味になる “maybe”
そして最後は、これまで見てきた「控えめの “maybe”」から離れて、だいたいの数を表す時に使われる “maybe” です。例えば、
- There were maybe 200 people in the hall.
ホールにはだいたい200人ぐらいいました - They’ve been around for maybe a year or so.
その店はできてだいたい1年ぐらいですよ(オープンしてだいたい1年ぐらい) - We order out maybe once or twice a month.
一ヶ月にだいたい1, 2回出前をとります
みたいな感じで「約、おおよそ」という意味ですが、”maybe” が持つ「確信のなさ」というニュアンスをよく表しているなと思います。
また、量り売りをしているスーパーのお肉コーナーでもこの “maybe” を耳にしました。店員さんに「何グラム要りますか?」と聞かれたお客さんが “Maybe 400 grams?” と答えるのを聞いた時は「え!そんなふうに “maybe” が使えるの?」と驚きましたが、それ以降も何度か耳にしました。「だいたい〜グラム」という意味ですね。
“maybe” は推測の「たぶん」以外にも、今回紹介したような使い方があるので、会話の参考にしてみてくださいね。
■”maybe” は単体で使う時には少し注意が必要です↓
■「また今度」「またの機会に」にも “maybe” はよく使います↓
■可能性を表す「〜かもしれない」は “could” を使うことも多いです↓
■提案する「〜した方がいいかも」は “You might want to 〜” もとってもよく使います!