11月23日は「勤労感謝の日」でしたね。英語で表現する際には “Labor Thanksgiving Day” などと言われるようです。
では、“labor(イギリス英語のスペリングは labour)” ってどんな意味だと思いますか?
日常生活でそれほど使われる単語ではありませんが、その中でもぜひ覚えておきたい “labour/labor” の意味を紹介したいと思います。
合わせて、ニュージーランドの “Labour Day” と日本の「勤労感謝の日」の違いも紹介します!
“labour” と “labor” の違い、読み方
まずは、冒頭でちらっと触れましたが、“labour” と “labor” はスペリングが違うだけで、全く同じ単語です。
labour:イギリス英語のスペリング
labor:アメリカ英語のスペリング
アメリカ英語では “or”、イギリス英語では “our” になる単語は他にもたくさんあります(例えば “color/colour” など)。
そして、読み方は /ˈleɪ.bər/ なので「レイバー」に近いです。「ラボー」ではありませんよ。
“labor/labour” の意味とは?
“labour” は「労働」という意味が一番よく知られているかもしれません。辞書にも、
practical work, especially when it involves hard physical effort
Cambridge Dictionary
とあるように「身体を使って行う労働」を表す際に特によく使われる単語です。
ニュージーランドに住んでいた時に一番身近に感じていた “labour” の使い方は、車や水道など何かの修理を依頼した時に請求される “labour” です。
これは「材料費(materials)」とは別にかかる、人の労働に対して発生する「作業費、工賃」みたいなニュアンスで、修理などを依頼すると “labour” がかなり高いので、例えば見積もりを概算で出してもらったら、
- Does it include labour?
それは工賃込みですか?
と確認したり、
- They charge $80 per hour for labour.
みたいに使います。実際に車の修理をした時の請求書の内訳には「Labour 2.0Hrs $200、Materials $105」と書かれていました。
一般的な「人件費」なんかも “labour costs” で表せますよ。
ちなみに、ニュージーランドの2大政党の一つが “Labour Party” で、日本語では「労働党」と訳されます(もう一つは “National Party” で「国民党」)。

“Labour Weekend” の意味とは?
ニュージーランドには “Labour Weekend” と呼ばれる週末があります。
“labour” が「労働」なら「労働週末」って、なんだかすごく働かされそうな週末を思い浮かべませんか?
ところが、“Labour Weekend” は「労働週末」ではなく「‘Labour Day’ の(連休の)週末」という意味なんです。
“Labour Day (Labor Day)” とは祝日の一つで、世界にもこれを祝う国や地域はいくつかあって、それぞれ意味合いが微妙に異なるそうですが、ニュージーランドでは世界で初めて労働者が「8時間労働制」を勝ち取ったことに深く関わる祝日です。
日付も国や地域で異なっていて、ニュージーランドは10月の第4月曜日で、アメリカやカナダでは9月の第1月曜日となっています。
いずれにしても祝日が月曜日に来るので、土日月の3連休になります。それを “Labour Weenend” と呼びます。
この時期に大規模なセールが行われることも多く、それらは “Labour Weekend Sale” や “Labour Day Sale” みたいに呼ばれていますよ。
ちなみに、日本の「勤労感謝の日」の起源は新嘗祭という農作物の収穫をお祝いする古来の行事で、現在では「勤労を尊び、生産を祝い、国民がたがいに感謝しあう日」ということなので、ニュージーランドの “Labour Day” とは別物です。
“labour” には「分娩」という意味もある
最後にもう一つ、“labour/labor” の意味を紹介しておきたいと思います。
“labour” が「労働」以外の意味でよく使われるのは「分娩(お産)」を表す時です。
陣痛が始まってから赤ちゃんが生まれてくるまでのことを “labour” と言い、“go into labour” や “be in labour” という形でよく使われます。
- I went into labour just after 8pm last night.
私は昨日の夜8時過ぎにお産が始まりました - I think I’m in labour.
お産が始まったと思う - I was in labour for nearly 30 hours.
お産(出産)に30時間近くかかりました
最初の “labour” の定義に戻りますが、“hard physical effort” を必要とする労働が「labour」と書かれてありましたよね。まさに「分娩」は “labour” ですね!
■今回の “labour/labor” のように、イギリス英語では “our”、アメリカ英語では “or” とスペリングが異なる単語はこちらで紹介しています↓











