“belong” の意味は?と聞かれたら「所属する」と答える人が多いのではないかなぁと思います。
確かに「所属する」という意味にもなるのですが、それだけで暗記していると本来の意味は理解できていないかもしれません。
“belong” が持っている単語をイメージでしっかり掴んでおくと、一気に使える単語になりますよ!
“belong” の意味は「所属する」とは限らない
“belong” を「所属する」や「〜の一員である」みたいに覚えているのはきっと、学校で習ったようなこんな使い方のせいです↓
- One of my friends belongs to the band.
私の友達がそのバンドに所属しています - Lions belong to the cat family.
ライオンはネコ科に属します
では、こんな “belong” はどんな意味だと思いますか?
- Put the groceries away where they belong.
- Where does this belong?
- Pineapple doesn’t belong on pizza.
- I don’t belong here.
- We belong together.
- Who does this jacket belong to?
これらはどれも「所属する」とはちょっと違うんです。
“belong” の意味と使い方
“belong” を辞書で引いてみると、たいてい一番最初に書かれているのは「あるべき場所・ふさわしい場所にある(いる)」です。それを英英辞書ではこんなふうに表しています↓
to be in the right place or a suitable place
Cambridge Dictionary
これが “belong” が持つ大きなイメージなので、これをしっかり覚えておくことが大事かなと思います。
例えば、上の6つの例文を一つずつ見てみると、
- Put the groceries away where they belong.
はスーパーから帰ってきた場面を思い浮かべて「買ってきた食料品をしまって」と家の人に言っているイメージです。”put away” は「片付ける、しまう」なので「買ってきた食料品をそれぞれのふさわしい場所にしまって」という意味になります。
- Where does this belong?
は「これはどこに置くの(しまうの)?」という意味になるのですが、これも「あるべき場所(=置き場所)はどこ?」と人に尋ねるシチュエーションで使います。
- Pineapple doesn’t belong on pizza.
は私の個人的な意見ですが「パイナップルはピザの上じゃない」という「ふさわしい場所ではない」を表しています。パイナップルの居場所はピザの上ではないというニュアンスです。
他にも、”Wild animals belong in the wild.” なら「野生動物は(動物園など人間が飼うのではなく)野生にいるべきだ、野生にいるのがふさわしい」となります。
そして、この「ふさわしい場所じゃない」という意味でよく使われるフレーズが、
- I don’t belong here.
です。これは「私はここに所属していない」ではなくて「ここは自分の居場所じゃない」というニュアンスになります。場違いだと感じたり、自分には合っていないと感じたりしている感じです。
私はニュージーランドで専門学校に入学した時、クラスメイトはネイティブの子や英語が上手な留学生たちばかりだったのでとても居心地が悪く、自分はそのクラスにはふさわしくない=I don’t belong here. だと感じていました。
実はこの “belong” の意味も英英辞書には載っています↓
to feel happy or comfortable in a situation
Cambridge Dictionary
これが上の “I don’t belong here.” に当てはまるのですが「ふさわしい場所にいる」という基本の意味を掴めていれば、簡単にイメージできるのではないかと思います。そして次の例文、
- We belong together.
も「私たちは(お互いに)ぴったりだ、一緒にいるべき二人だ」みたいな意味になります。一緒にいるのがふさわしい場所、happyだったりcomfortableという「しっくりくる」ニュアンスですね。
“belong to 〜” の意味と使い方
最後の例文を見てみましょう。
- Who does this jacket belong to?
は「このジャケット、誰のですか?」という意味になります。これも「あるべき場所」がどこなのかを聞いているニュアンスですね。
こんなふうに “belong to 〜” は「〜のものである」という “own(所有する)” の意味で使われることも多いんです。
例えば、洋書の絵本をお持ちの方がいらっしゃったら一度お手持ちの本を見てもらいたいのですが、表紙をめくったあたりに、
- This book belongs to :
と書かれていることがよくあります。「:」の後ろに自分の名前を書くようになっていて「これは(持ち主の名前)の絵本です」と、誰の本なのかを示せるようになっているんですね。
その他には、ドラマのセリフに出てきそうな、
- He belongs to me.
なんかは「彼は私のものだ」という意味です。ちょっと怖いですね…。
“belong” という単語自体は知っている人も多いと思いますが、今回紹介したような「あるべき場所・ふさわしい場所にある(いる)」という意味で結構よく使われるので、しっかりイメージを掴んでおきましょう。「所属する」だけ覚えていると使いこなしにくくなってしまうので、もったいないですよ。