“cat family” を思い浮かべてください、と言われたらどんなものを想像しますか?親猫と子猫の「猫の家族」が思い浮かんだ人はいますか?
実は、一般的に “cat family” は別の意味で使われることが多いんです。
また、”animal kingdom” も「動物王国」と訳してしまいそうですが、ちょっと違う意味があります。
今回はそんな “family” と “kingdom” についてのお話です。
“cat family” は「猫の家族」ではない
“cat family”。
実際には “the cat family” のように “the” がつきますが、これは「ネコ科」という意味になります。
“family” には「家族」という意味以外にもこんな意味があるんです↓
a group into which animals, plants, etc. that have similar characteristics are divided, smaller than an order and larger than a genus
Oxford Advanced Learner’s Dictionary
似た特徴を持つ動物や植物などが分類されるグループ、と書いてありますよね。後半部分は専門的でちょっと難しいですが「order(〜目)」よりも小さいくて「genus(〜属)」よりも大きい、という意味です。例えば、ライオンは「食肉目ネコ科ヒョウ属」に分類されるそうですが、この「科」にあたる英語が “family” です。
- Lions belong to the cat family.
ライオンはネコ科に属する - Leopards and Cheetahs are members of the cat family.
ヒョウとチーターはネコ科の動物だ - What animals belong to the cat family?
ネコ科の動物は何?
ちなみに “cat family” と言えば、”big cats” という表現も英語ではよく見かけます。これは「大きい猫」ではなくて「大型のネコ科動物」という意味で、ライオン・トラ・ジャガー・ヒョウ・チーターを指しますよ。
“animal kingdom” は「動物王国」ではない
“animal kingdom” と聞けば「動物の王国」をイメージしませんか?王様は間違いなくライオンっぽいですよね。
神戸には「神戸どうぶつ王国」という動物にふれあえるパークがあって、そこのウェブサイトを見てみると英語で「KOBE ANIMAL KINGDOM」と書かれています。
“animal kingdom” にはそういった意味もあるかもしれませんが、これも “the” がついて “the animal kingdom” になると「動物界」という意味になるんです。
例えば「ヒト」の生物学的な分類は「動物界脊椎動物門哺乳綱霊長目ヒト科ヒト属ヒト」になるらしいですが、この一番最初にくる「〜界」が “kingdom” です。
そして、その辺に咲いている花や草・木なんかは「植物界」に属しますが「植物界」は英語で “the plant kingdom” と言いますよ。
- Members of the animal kingdom can be divided into two large groups.
動物界の動物は大きく2つのグループに分けられる - Mosses belong to the plant kingdom.
コケは植物界に属する
「kingdom=王国」がパッと思い浮かぶと思いますが、この場合は「王国」ではないんですね。
おまけ:分類階級の英語表現
今回は生物を分類する時に使われる「〜科」の “family” と「〜界」の “kingdom” を紹介しました。
こういった「科」や「界」は「(分類)階級」と呼ぶそうですが、大きな括りから小さな括りになるように並べると「界・門・綱・目・科・属・種」となるそうです。英語ではそれぞれ、
- 界:kingdom
- 門:phylum
- 綱:class
- 目:order
- 科:family
- 属:genus
- 種:species
となります。日常生活で役に立つ機会はなかなかなさそうですが、この中でも “〜 family” は意外とよく出てきます。動物や植物の話で “same family” という言葉が出てきたらほぼ間違いなく「同じ科」という意味なので、”family” ぐらいは覚えておいてもいいかもしれません。
動物にまつわる英語表現
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