先日、テレビでクイズ番組を見ていたら、こんな問題が出てきました。
『ウサギとカメ rabbbit と( )』
確かこんな感じの問題で、あの有名な話のタイトルを英語にして “turtle” と答えさせる問題でした。
でも本当は『ウサギとカメ』の英語の題名には “rabbit” も “turtle” も出てこないんです。
『ウサギとカメ』は英語で何て言う?
『ウサギとカメ』。なんてシンプルな題名なんでしょうか。
これを英語にするのなんて簡単そうですよね。
「うさぎ=rabbit」「カメ=turtle」で『Rabbit and Turtle』的な感じかと思ったらそうではないんです。正解は、
The Tortoise and the Hare
と言います(もしくは The Hare and the Tortoise)。
あれ?”rabbit” と “turtle” はどこにいった?という感じですが「tortoise=カメ」で「hare=ウサギ」を表します。
そこで今回は “tortoise” と “turtle” の違い、そして “hare” と “rabbit” の違いを紹介したいと思います。
“tortoise” と “turtle” の違い
まずは “tortoise” の読み方から。
これは /ˈtɔː.təs/ なので「トータス」に近い感じです。トートイズではありませんよ。
“tortoise” は「リクガメ」を指します。
それに対して、お馴染みの “turtle” は主に「ウミガメ」を指す単語です。『ウサギとカメ』のカメはウミガメではなくリクガメなので “tortoise” というわけですね。
写真で見てみると違いが一目瞭然です。まずは “tortoise“↓
茶色いドーム型の甲羅とゾウみたいにガッシリした足が特徴的です。
それに対して、”turtle” はこんな感じです↓
『ファインディング・ニモ』に出てくるカメは “turtle” なので、ディズニーシーのアトラクションは「タートル・トーク」なんです。「トータス・トーク」だと全然違う話になりそうですね…。
ちなみにアメリカ英語では、turtleもtortoiseも含めた爬虫類の「カメ全般」という大きな括りで “turtle” を使うこともあるようですよ。
そして余談になりますが、ウルフルズの「トータス松本」さんの芸名も、この “tortoise” から来ているようです。亀が大好きだからだそうですが「リクガメ」だけが好きなのかはちょっとよく分かりませんでした…。
“hare” と “rabbit” の違い
“hare” という単語、聞いたことはありますか?私はもっぱら「ウサギ=rabbit, bunny」ぐらいしか知らなかったのですが、洋書の絵本を子どもに読み聞かせるようになってからは結構よく目にした単語で、”hair(髪)” と同じ発音です。
“hare” とは「ノウサギ」を意味します。
それに対して “rabbit” は「アナウサギ」を指す単語なのですが、私たちが「うさぎ」と聞いてイメージするのはたいてい “rabbit” の方です。ペットとして飼ったり、動物ふれあいランド的な場所にいるフワフワでかわいい、いわゆる「うさぎ」ですね。
そして、”rabbit” ではない “hare” とはこんなウサギなんです↓
なんだか見た目が全然違いますよね。シュッと締まった筋肉質な体つきで、rabbitよりも大きく、耳も長く、後ろ足も長いのが “hare” の大きな特徴です。
このパワフルな足があるから野山を素早く駆け回れるので『ウサギとカメ』のうさぎは、やっぱり “hare” がしっくりきます。
生態的なところでもrabbitと違って土の中に巣穴を掘らず、地上で生活するそうですよ。
ふわっと丸っこいrabbitとはもはや全然違う生き物だなと感じたのですが、本当に違う’種’なんだそうです。ナショナル・ジオグラフィックのウェブサイトにはこんなことが書かれています↓
Hares and rabbits are in the same family, Leporidae, but they’re “different species, like sheep and goats are different species,” Steven Lukefahr, a geneticist at Texas A&M University in Kingsville, said via email.
National Geographic
“hare” と “rabbit” は同じ「ウサギ科」だけど「種」が違う、羊とヤギがそうであるように。なんだそうですよ。
今回紹介した違いを知れば『ウサギとカメ』が『The Tortoise and the Hare』になるのも納得ですよね。『The Turtle and the Rabbit』だと思い浮かべるイメージがちょっと違います。
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