和製英語は数あれど、今回は「それって英語だったの?」と、私が個人的にビックリした、ある「物の名前」のお話をしたいと思います。
英語なのかそうでないのかって、カタカナで書かれていると分かりにくいですよね。
でも、今回紹介する単語が英語だと知っている人はそんなにいないかもしれません…。
語尾に “able” が付く単語
日本語になっている単語では、ポータブル・ウォッシャブル・ディスポーザブル・アンビリーバブル、あとはサステイナブルなんかもありますが、どれも動詞に “able” がくっついて「〜できる(可能な)」という意味になっています。
portable = 持ち運びできる
washable = 洗える
disposable = 使い捨ての(捨てることができる)
unbelievable = 信じられない
sustainable = 持続可能な
といったカンジですね。お笑いコンビの名前で「アンタッチャブル」もありますが、これも英語で書くと “untouchable” なので、ここにも “able” がくっついてます。
また、若い方はご存じないかもしれませんが、その昔、ロバート・デニーロ、ショーン・コネリー、ケビン・コスナー、という錚々たるメンバーが出演した『アンタッチャブル(The untouchables)』という映画もありましたね。
そもそも “able” ってどんな意味?
「be able to 〜 = 〜することができる」と学校で習いましたよね。
英英辞典で調べてみると、
to have the skill, strength, knowledge etc needed to do something
(ロングマン現代英英辞典)
と書かれています。そんな “able” は、動詞にくっつくと「〜できる」という形容詞になる便利ワードなんです。冒頭に出てきた例以外にも、
acceptable:受け入れられる
removable:取り外しできる
enjoyable:楽しめる
wearable:身に着けられる、ウェアラブル
などがありますが、私はニュージーランドに来てから、ある「◯◯アブル」という日本語が実は英語だったと知って目からウロコが落ちました。
その言葉とは何だと思いますか?
ヒントは、胃薬やサプリメントです。
実は英語だった!カタカナ語の「〜アブル」
正解は…「チュアブル」です。
これ、英語だと知っていた方はどれぐらいいるでしょうか?
意外とみなさんお気付きだったらすみません(汗)
水がなくても、噛んで飲み込むことができる錠剤を日本では「チュアブル」や「チュアブル錠」と呼びますよね。
私が日本で見たり聞いたりしていた時には「変な響きだな」と思いながらも、どんな意味なのか疑問に思ったことはありませんでしたが、ニュージーランドで胃薬の箱に英語で書いてあるのを見て、初めて意味が分かって驚きました。
「チュアブル」は「chewable=chew+able」だったんです。
“chew” の意味は、
to bite food into small pieces in your mouth with your teeth to make it easier to swallow
(Oxford Learner’s Dictionary)
で「飲み込みやすくするために小さく嚙み砕く」ということです。つまり “chewable” とは「噛み砕くことができる」という意味になるんですね。
ちなみに「チュアブル錠」は英語で “chewable tablets” や “chewables” と呼ばれます。
なぜ「チューアブル」にならなかったのか疑問が残るところですが「チュアブル」の意味の謎が解けたのでスッキリしました。
和製英語を知りたい方はこちら
「チュアブル」は和製英語ではありませんが、カタカナで書かれている言葉には和製英語がたくさん潜んでいます。
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