“tea” の意味は?と聞かれたら、たいていの人は「お茶」「紅茶」と答えますよね。
でも、私は初めて行った海外のオーストラリアで、”tea” は「お茶(紅茶)」以外の意味がある、ということを初めて知りました。
その時の衝撃ったら今でも忘れられません。そこで今回は、食べる “tea” についてのお話です。
“Tea is ready!” の意味とは?
初めての海外&ホームステイで、私はホストファミリーに話しかけられるたびにいつもドキドキしていました。
そんなある日の夕方、語学学校からホームステイ先に帰ってしばらくすると、ホストマザーが台所から、
- Tea is ready!
と叫んだので「お茶を淹れてくれたのかな」と思ってダイニングルームへ行きました。
すると、テーブルの上にはローストチキンとお皿から溢れんばかりのグリーンピースとニンジンが置かれていました。
そこには「紅茶」の影もかたちもありません。
ちょっとした質問をするのも緊張していた私は、結局 “tea” がどこにあるのかも聞けずに、食べても食べても減らないグリーンピースと格闘しました。
そして翌日、語学学校の先生に聞いてみて初めて “tea” の意味が分かったんです。
“tea” の意味は「夕食」
もうお分かりの方もいらっしゃるかもしれませんが、オーストラリアやニュージーランドでは夕食のことを “tea” と呼ぶことがあります。
これをオックスフォード現代英英辞典では、こんなふうに定義しています↓
【tea】the name used by some people in Britain for the cooked meal eaten in the evening, especially when it is eaten early in the evening
私の印象では、家で食べるご馳走ではない普段の夕食や、軽い夕食、子どもたちの早い時間の夕食のことを “tea” と呼ぶことが多い気がします。
そして、レストランで食べる晩ご飯や、家に友人を招待する時などの普段と違う豪華な晩ご飯は “dinner” と呼ぶような印象があります。
なので、”tea” はこんな感じで生活の中で使われるんです↓
- Tea is ready!
晩ご飯できたよ - What’s for tea?
What are we having for tea?
晩ご飯は何? - Have you had tea yet?
晩ご飯食べた?
この “tea” の使い方は、ニュージーランドやオーストラリアではとてもよく耳にしますが、アメリカでは使われていないようです。
“dinner” が「昼食」を表すことも
また、イギリス英語ではしっかりボリュームのある「昼食」を “dinner” と呼んで、その後に食べる軽い夕食を “tea” と呼ぶこともあります。
“dinner” が「ランチ」ってすごく違和感がありませんか?でも “dinner” とは、もともとこんな意味なんです↓
the main meal of the day, eaten either in the middle of the day or in the evening
日中や夜に食べるその日のメインの食事、という意味なんですね。なので、お肉たっぷりのがっつりしたランチが “dinner” と呼ばれることがあるんですね。
特に日曜日の遅い昼に家族で食べる、ローストしたお肉・ポテト・野菜などのボリュームのあるランチは “Sunday roast” や “Sunday dinner” という名前で呼ばれていて、レストランやパブのメニューにも登場します。
また、娘の絵本(イギリスの出版社)には学校の「給食」のことが “school dinner” と書いてありました。
「ランチ」が “dinner”…なんかややこしいですよね。
“tea” と “dinner” は要注意?
今回紹介した “tea” と “dinner” の使い方は地域的な要素が強いので、英語圏全体で一般的に使われている表現ではありません。
ただ、イギリス英語圏で “Have you had tea yet?” と聞かれた場合は要注意です。
夕飯を食べてないのに「お茶は飲んだ?」と勘違いして “Yes” と答えると、食いっぱぐれる可能性があるので、気をつけてくださいね(笑)
“morning tea” の意味とは?
夕食の “tea” 以外に、ニュージーランドには “morning tea” という習慣もあります。
“morning tea” の “tea” も「紅茶」の意味ではありません。午前中に食べるちょっとした「軽食(snack)」を指します。
朝ごはんと昼ごはんの間に小腹を満たすものを食べる習慣があるので、娘の幼稚園でも登園から11時までの間にクラッカーや果物など、それぞれが持参したものを各自食べています。
食べるタイミングは自由なので、先生が子どもに、
- Have you had your morning tea, ○○(子どもの名前)?
○○、モーニングティーもう食べた?
と聞いたりしているのをよく見かけます。
■紅茶にまつわる “tea” の表現はこちら↓「緑茶」は “green tea”。では「紅茶」は英語でなんて言う?