“best” という単語、どんなふうに使っていますか?
「最もよい」「最高の」という意味で使うことが多いと思いますが、ネイティブはちょっと面白い使い方をするんです。
今回は、私がニュージーランドでよく耳にしていた、知っていると会話で絶対に役立つ “best” の使い方を紹介します!
“best” の基本の使い方
“best” は基本的に、形容詞・副詞・名詞として使われます。
もちろんそれぞれにいくつかの意味があるのですが、ちょっとだけ例を挙げてみると、
- This is the best book I’ve ever read.
これは今まで読んだ中で最高の本だ - What time would suit you best?
何時が一番都合がいいですか? - I think this is the best we can do.
これが私たちができる精一杯だと思う
のような感じで使われます。
なかでも「最もよい○○、最高の○○」という1番の例文のような形で使われる機会が多いのではないかと思います。
今回紹介するのもこの形なのですが、ポイントは否定形で使うことなんです。
“not the best” の意味と使い方
“best” を否定形で使うとは、例えばこういうことです↓
- June isn’t the best time to visit Japan.
- The fridge isn’t the best place to store wine.
- That probably isn’t the best idea.
これって、どんな意味になると思いますか?
“best(最もよい)” に “not(ではない)” がついているので「最もよくはない」「ベストではない」ですよね。
ただ、これは「最も良くはない」と言うよりも「良くない」の婉曲的な表現として使われることが多いんです。
- 6月は日本を訪れるのに、あまりいい時期ではない
- 冷蔵庫はワインを保管するのに、あまりいい場所ではない
- それはおそらく、あまりいい考えではない
“not a good idea” よりも “not the best idea” の方が、やんわり否定している感じがしますよね。
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正反対の意味で使われることも
さらに “not the best 〜” は、否定をちょっと和らげる表現としてだけではなく、実際にはかなりの否定だけどストレートに言うのを避ける場合に使われることも多いんです。
例えば、先ほど登場したこちらの例文です↓
- That probably isn’t the best idea.
実は「最もよい考えではない」でも「あまりいい考えではない」でもなく「全然よくない」と思っている場合にもこの “not the best” が使われます。
ズバッと言わずに「ベストではない」という回りくどい(丁寧とも言う)表現を使うんですね。
私が住んでいたニュージーランドでは、遠回しに表現したり控えめに表現するというイギリス英語の流れが強いせいか、この “not the best 〜” をとてもよく耳にします。
ストレートに言うのが悪いとは限りませんが、相手も人間なので言い方一つで受ける印象ってガラリと変わりますよね。
特に相手の意見を否定するのって日本語でもなかなか難しかったりしますが、英語にもこんな表現があるのを知っておくと役に立つと思います!
控えめな表現、婉曲的な表現は他にもあります
■ズバッと表現せず「どちらかというと〜かな」という、ちょっとやんわりした表現はこちらで紹介しています↓
■何かに誘われたとき「行けないかもしれない」をやんわり匂わせる英語表現はこちら↓