英語には who・which・that という関係代名詞がありますよね。
今回はその中から “which” の使い方を大きく2つに分けて紹介したいと思います。
関係代名詞ってなんだかよく分からない、という人にもできるだけ分かりやすく、会話で役立つ使い方にポイントをおいて紹介します!
関係代名詞 “which” の使い方①
1つ目の使い方は、以前にも紹介した【どんなもの(こと)か必要な説明を加える】です(詳しくはこちら)。
日本語では「赤くて甘いイチゴ」のように、説明(「赤くて甘い」)が名詞(「イチゴ」)の前に来ることが多いですが、英語では形容詞で説明しきれない場合は名詞の後ろに説明を追加していく構造だったのを思い出してくださいね。
そんな時に役立つのが関係代名詞です。例えば、
- I’m looking for a job which is challenging and creative.
私はやりがいがあってクリエイティブな仕事を探しています - This is the bar which I was talking about the other day.
これがこの前話してたバーだよ - My son loves toys which make sounds.
私の息子は音の出るおもちゃが大好きです
直前の名詞がどんなものかという説明を後ろから加えていますよね。この部分が無いと意図する意味が伝わらないので、1の例文は「どんな仕事か」、2の文は「どんなバーか」、3は「どんなおもちゃか」をそれぞれ “which” 以降で説明しています。
そして、これらの “which” は “that” に置き換えることが可能です。というよりも、口語では断然 “that” の方がよく使われます。
- I’m looking for a job that‘s challenging and creative.
- This is the bar that I was talking about the other day.
- My son loves toys that make sounds.
そして、省略できる “which (that)” というものもあります。それは、後ろに続く説明の「主語+動詞+目的語」の<目的語>になっているときです。なので、上の3つの中では2の文だけが “which/that” を省略できます。
- This is the bar
which/thatI was talking about the other day.
特に口語では、上のように関係代名詞を省略することが多いですよ。
関係代名詞 “which” の使い方②「コンマ+which」
2つ目の “which” の使い方は「コンマ+which」です。コンマの後に続く “which” というやつですね。
英語の授業では〈非制限用法〉と習ったかもしれませんが、この用語自体はそんなに重要ではありません。使い方が分かっていれば十分だと思います。
そんな「コンマ+which」の使い方は、例えばこんな感じです↓
- He spoke fluent English, which surprised everyone around him.
彼は流暢な英語を話した。それは周りのみんなを驚かせた。
この「コンマ+which」はどんな働きをしているのかと言うと、それは【追加情報を加える】ことです。
他の言い方をすると、その部分は文が成り立つのに絶対に必要という訳ではない「ちなみに情報」みたいな感じです。
上の例文では「彼は流暢な英語を話した」ですでに意味が通る文が完成しています。でも、そのことがどうだったかという【ちなみに情報】を加えているのが「周りのみんなを驚かせた」という「コンマ+which」以降の部分なんですね。

また「コンマ+which」は会話でこんなふうに使われることも多いです↓
- Our lounge gets a lot of sun, which is great, (but it can be too hot in summer.)
うちのリビングルームは日当たりがいいです。それはすごくいいです(が夏は暑くなりすぎることもある)
これも「リビングルームは日当たりがいい」ですでに文が完結していて、それに個人的な感想「それはすごくいい」を追加していますよね。こんなふうに、直前に述べた内容全体を受けて「それは〜なんだけどね」という情報を追加する時にもとってもよく使われますよ。
コンマあり “which” の注意点
最後に「コンマ+which」の使い方の注意点を2つ紹介したいと思います。
まず1つ目は、
「コンマ+which」の “which” は “that” に置き換えることができない
ということです。どういうことかと言うと、
- Our lounge gets a lot of sun, which is great.
→ Our lounge gets a lot of sun, that is great.
とは言えないんですね(これが前回のコラムの文法クイズに登場していました)。
そして「コンマ+which」の使い方の注意点2つ目は、
「コンマ+which」の “which” はどんな場合も省略することはできない
ということです。
- Our lounge gets a lot of sun,
whichis great.
はどう考えても変ですよね。意味が通りません。
関係代名詞 “which” の使い方のポイント
関係代名詞というと急に難しく聞こえるかもしれませんが、とっても大雑把に言ってしまうと、普段の日常会話なら “which” は「コンマ+which」のパターンで使われるのがほとんどではないかと感じます(書き言葉になると話は別ですが)。
つまり【追加情報を付け足す】という使い方です。
使い方①で紹介した【必要不可欠な情報を説明する】役割の「コンマなしwhich」はほとんどの場合 “that” が使われるので、頭がごちゃごちゃになってきたら、
- 【必要不可欠な情報を説明する】→ that
- 【ちなみに情報を付け足す】→ , which
と使い分けてしまってもいいのではないかと思います。
■関係代名詞ってどんな時に使う?なぜ必要なの?ということをこちらで紹介しています↓
■関係代名詞「who/which/that」の使い方の全体像はこちらも参考にしてみてください↓