ホンダの車『Nシリーズ』のCMを見たことはありますか?私は『N-BOX』のテレビCMを見て、ちょっと感じたことがありました。
CMの最後に「N for Anshin」というキャッチフレーズが出てきます。
この「N for Anshin」を初めて耳にした時に感じた違和感から、今回は絶対に覚えておきたい “for” を使ったスペリングのアルファベットの確認方法をお届けします!
“for” は「〜のための」?
ホンダの「N for Anshin」は「安心のためのN-BOX」という意味が込められているのだと思います。
以前はこの他に「N for Utility」「N for Drive」「N for Kaiteki」「N for Style」というキャッチフレーズもありました。
これはこれで理解できます。
では、私が「N for Anshin」と聞いた時になぜ違和感があったのかと言うと、英語では “N for 〜” のように【アルファベット1文字+for 〜】は、アルファベットを確認するときの定番表現だからなんです。
【アルファベット1文字+for 〜】でスペリングを確認する方法
「N for 〜」「A for 〜」のように言うのは、スペリングを確認するときや正確に伝えるときです。例えば、
- N for November
- A for Alpha
- B for Bravo
- M for Mike
のような感じで、口頭でアルファベットやスペリングを正確に伝えるためや、NかMのように紛らわしいアルファベットを確認するために「NovemberのN」「MikeのM」のように【アルファベット1文字+for 〜】が使われます。
日本語でも名前の漢字を口頭で説明する時に「健康の健(けん)です」のように言うことがありますよね。そんな感じを想像してください。
なので、この使い方だと「N for 〜」の「〜」の部分は必ずNで始まる単語が入ります。”November” や “New York” みたいな感じですね。
それが「N for Anshin」を耳にした時の私の違和感の原因です。「Anshin」は「N」で始まらないですからね。
他のキャッチコピー「N for Utility」「N for Drive」なんかもそうですね。「N」で始まらないから、一瞬「えっ?」となったわけです。
スペルを確認する方法【フォネティックコード】
こういった「N for November」のようなアルファベットを正確に伝える方法・確認の仕方は、電話の会話で意外と使う機会があります。
「N」は必ずしも「November」である必要はないのですが、いちおう国際的に決められたNATO phonetic alphabetというものがあります。
フォネティックコードと呼ばれたりもしますが、これらはもともと無線電話での聞き間違いを防ぐために作られたようで、AからZまでが以下のように決まっています。
- A:Alpha
- B:Bravo
- C:Charlie
- D:Delta
- E:Echo
- F:Foxtrot
- G:Golf
- H:Hotel
- I:India
- J:Juliet
- K:Kilo
- L:Lima
- M:Mike
- N:November
- O:Oscar
- P:Papa
- Q:Quebec
- R:Romeo
- S:Sierra
- T:Tango
- U:Uniform
- V:Victor
- W:Whiskey
- X:X-Ray
- Y:Yankee
- Z:Zulu
“Foxtrot” や “Zulu” など、日常生活で使うことはまずないだろうという不思議なものもありますが、私はニュージーランドでホテルの専門学校に行っていた時に、これを暗記させられました。
電話で相手の名前のスペリングを確認したりするもので、例えば「Kath」さんなら「K for Kilo, A for Alpha, T for Tango, H for Hotel」のように1つずつ読んでいきます。
また、聞き取ったものの不安な場合は「M? M for Mike?」のように聞き返すこともできます。
こうすることでBとD、MやN、PやTなどの聞き間違えを防ぐことができるので「◯ for 〜」はとても便利なんですね。
国名(地名)・人名でアルファベットを確認することも
上で紹介したフォネティックコード以外にも、国名や人名を使ったアルファベットの確認方法もあります。一例を挙げてみると、
- A:America / Adams
- B:Boston / Bob
- C:China / Charlie
- D:Denmark / David
- E:England / Edward
- F:France / Frank
- G:Germany / George
- H:Hong Kong / Henry
- I:India / Isabel
- J:Japan / Jack
- K:Korea / King
- L:London / Lewis
- M:Mexico / Mary
- N:New York / Natalie
- O:Oslo / Oliver
- P:Paris / Peter
- Q:Quebec / Queen
- R:Russia / Robert
- S:Spain / Sam
- T:Tokyo / Tom
- U:Union / Uncle
- V:Victoria / Victor
- W:Washington / William
- X:X-ray
- Y:Yellow / Young
- Z:Zebra
と、こんな感じで一般的によく知られた国名や人名で確認することもあります。
上の例以外にもいくつかのバージョンがあるので、一生懸命覚えなくても、相手に伝わりやすい単語を選べばOKです。
アルファベットの確認に役立つ “◯ for 〜”
名前のスペルを言ってもらったのに聞き取れない時や、メールアドレスなんかも1つずつアルファベットを言ってもらったのに聞き取れないことってありませんか?
私はニュージーランドで働き始めた頃、電話でアルファベットを聞き取るのにとても苦労したので、この「◯ for 〜」をよく使っていました。
特にメールアドレスは1文字でも間違っていると相手に届かないので、必死でこの方法を使ってアルファベットを確認していました。
また、”for” の代わりに “◯ as in 〜” という言い方もありますが、”for” の方が簡単なせいか、こちらをとてもよく耳にします。
仕事で英語を使っている方は、スペル・アルファベットを確認する場面でぜひ活用してみてくださいね!
■相手の名前のスペルを聞く時に役立つフレーズと相手が言ったことが聞き取れなかった時に役立つフレーズはこちら↓