電話で英語のスペリングを聞き取るのって難しくないですか?
私はニュージーランドの宿泊施設で働いていたのですが、フロント業務の一つに電話予約の対応があり、お客さんの名前を聞き取るのに苦労しました。スペリングを言ってもらって、アルファベット1文字ずつ確認したりしていました。
そこで今回は、電話でスペリングの確認をする際に役立つ表現を紹介します!
スペリングの確認で思い出すCM
まずは、ちょっと昔の話を。
5年ほど前によくテレビで流れていた、ホンダの車『Nシリーズ』のCMを覚えていますか?こんな感じのCMです↓
当時私はこのテレビCMを一時帰国中に目にして、とても違和感を覚えました。
それは、CMの最後に出てくる「N for Anshin」というキャッチフレーズです。
他にも「N for Utility」「N for Drive」「N for Kaiteki」「N for Style」「N for Work」といったキャッチコピーもありましたが、この「N for 〜」には「〜のためのN-BOX」という意味が込められているのだと思います。
これはこれで理解できます。
でも、私が感じた大きな違和感の理由は、英語では「N for 〜」のような【アルファベット1文字+for 〜】は、アルファベット(スペリング)を確認するときの定番表現だからなんです。
【アルファベット1文字+for 〜】でスペリングを確認する方法
「N for 〜」「A for 〜」のように言うのは、スペリングを確認するときや正確に伝えるときです。例えば、
- N for November
- A for Alpha
- B for Bravo
- D for Dog
- M for Mike
のような感じで、口頭でアルファベットやスペリングを正確に伝えるためや、NかMのように紛らわしいアルファベットを確認するために「NovemberのN」「MikeのM」のように【アルファベット1文字+for 〜】が使われます。
日本語でも名前の漢字を口頭で説明する時に、例えば「健」さんという名前の人なら「健康の健(けん)です」のように言うことがありますよね。そんな感じを想像してください。
なので、この使い方だと「N for 〜」の「〜」の部分は必ずNで始まる単語が入ります。“November” や “New York” みたいな感じですね。
それが「N for Anshin」を耳にした時の違和感の原因です。「Anshin」は「N」で始まらないですよね。他のキャッチコピー「N for Utility」「N for Drive」「N for Work」なんかも全て「N」で始まらないので、一瞬「えっ?」となったわけです。

スペルを確認する方法【フォネティックコード】
こういった「N for November」のようなアルファベットを正確に伝える方法・確認の仕方は、電話の会話で意外と使う機会があります。
「N」は必ずしも「November」である必要はないのですが、いちおう国際的に決められたNATO phonetic alphabetというものがあります。
フォネティックコードと呼ばれたりもしますが、これらはもともと無線電話での聞き間違いを防ぐために作られたようで、AからZまでが以下のように決められています。
- A:Alpha
- B:Bravo
- C:Charlie
- D:Delta
- E:Echo
- F:Foxtrot
- G:Golf
- H:Hotel
- I:India
- J:Juliet
- K:Kilo
- L:Lima
- M:Mike
- N:November
- O:Oscar
- P:Papa
- Q:Quebec
- R:Romeo
- S:Sierra
- T:Tango
- U:Uniform
- V:Victor
- W:Whiskey
- X:X-Ray
- Y:Yankee
- Z:Zulu
“Foxtrot” や “Zulu” など、日常生活で使うことはまずないだろうという不思議なものもありますが、私はニュージーランドでホテルの専門学校に行っていた時に、これを暗記させられました。
電話で相手の名前のスペリングを確認する時には、例えば「Kath」さんなら「K for Kilo, A for Alpha, T for Tango, H for Hotel」のように1つずつ読み上げていきます。
また、自分が聞き取ったスペリングが不安な箇所があれば「M? M for Mike?」のように聞き返すこともできます。
こうすることでBとD、MやN、PやTなどの聞き間違えを防ぐことができるので「◯ for 〜」はとても便利なんですね。
国名(地名)・人名でアルファベットを確認することも
上で紹介したフォネティックコード以外にも、国名や人名を使ったアルファベットの確認方法もあります。一例を挙げてみると、
- A:America / Adams
- B:Boston / Bob
- C:China / Charlie
- D:Denmark / David
- E:England / Edward
- F:France / Frank
- G:Germany / George
- H:Hong Kong / Henry
- I:India / Isabel
- J:Japan / Jack
- K:Korea / King
- L:London / Lewis
- M:Mexico / Mary
- N:New York / Natalie
- O:Oslo / Oliver
- P:Paris / Peter
- Q:Quebec / Queen
- R:Russia / Robert
- S:Spain / Sam
- T:Tokyo / Tom
- U:Union / Uncle
- V:Victoria / Victor
- W:Washington / William
- X:X-ray
- Y:Yellow / Young
- Z:Zebra
と、こんな感じで一般的によく知られた国名や人名で確認することもあります。
上の例以外にもいくつかのバージョンがあるので、一生懸命覚えなくても、相手に伝わりやすい単語を選べばOKです。
アルファベットの確認に役立つ「◯ for 〜」
名前のスペルを言ってもらったのになかなか聞き取れない時や、メールアドレスなんかも1つずつアルファベットを言ってもらったのに聞き取れないことってありませんか?
冒頭にも少し書いたように、私はニュージーランドで働き始めた頃、電話でアルファベットを聞き取るのにとても苦労したので、この「◯ for 〜」をフル活用していました。
特にメールアドレスは1文字でも間違っていると相手に届かないので、必死でこの方法を使ってアルファベットを確認していました。
また【◯ for 〜】の代わりに【◯ as in 〜】という言い方もありますが、”for” の方が簡単なせいか、こちらをとてもよく耳にします。
仕事で英語を使っている方は、スペル・アルファベットを確認する場面でぜひ活用してみてくださいね!
■相手の名前のスペルを聞く時に役立つフレーズと相手が言ったことが聞き取れなかった時に役立つフレーズはこちら↓