「No.1」という表記って日本でもよく見かけますよね。例えば「売上No.1」「人気No.1」みたいな感じです。
この「No.」が「ナンバー(number)」の略ということは皆さんご存じだと思います。
では、なぜ「Nu.」ではなく「No.」なのか疑問に思ったことはありませんか?
“number” がなぜ “No.” になる?
“number” には見てのとおり、”o” というアルファベットは入っていませんよね。
そうすると、”number” の略は「Nu.」が正しそうなのに、なぜ「No.」なのでしょうか?
実はこれには、ラテン語が関わっているんです。
ラテン語で「数」は “numerus” と表します。
でも、そうするとやっぱり「Nu.」になりそうなものですよね。
実は「No.」は “numerus” の略ではなく、「数において、数の上で(in number)」を意味するラテン語 “numero” の略なんだそうです。(参考:ロングマン現代英英辞典)
“numero” の最初と最後のアルファベットをとって「No.」になった、ということです。
書き方は「No. 1」「No 1」「#1」
英語では「No.1」ではなく「No. 1」のように、ピリオドの後ろ(数字の前)にスペースを入れることが多いです。
イギリス英語では略語のピリオドを省略することが多いので、この「No. 1」も「No 1」のように書かれることがありますよ。
テニスの大坂なおみ選手が世界ランキング1位になった時や、コーチと契約を解消したニュースでも、
- Naomi Osaka becomes World No 1
- World tennis No 1 Naomi Osaka splits with coach Sascha Bajin
のような見出しになっていました。
また「no. 1」「no 1」のように “n” を小文字で書くこともまれにあります。さらに「Nº」や、下の写真のように「№」という表記も目にすることがあると思いますが、これらも “number” を略した記号です。
ちなみに「No. 1」と書かれていても、読み方は “number one” です。読むときは省略しません。
ハッシュで「#1」のように表すことも
さらに「World’s #1」のようにハッシュ(#)で “number” を表すこともあります。ハッシュタグ(hash tag)の “hash(#)” ですね。
- NZ’s #1 auction site
- the #1 seller on eBay
- ‘Canada Ranked #1 Country In The World For Quality Of Life’
この場合は「#」と数字の間にスペースは入りません。
ちなみに、電話のキーパッドにも「#」ボタンがありますよね。日本語ではこれを「シャープ」と呼んで「シャープを押してください」のように言いますが、ニュージーランドでは、
- Press hash.
と言います。これはイギリス英語なので、アメリカ英語では “pound key” と呼ばれるそうです。
そして、このハッシュ(#)とシャープ(♯)は実は別物なんです。よく見ると、線の傾き方が違いますよね。ハッシュは横線が水平で縦線が傾いているのに対して、シャープは横線が右上がりで縦線が垂直です。これらは違うものなのでご注意ください!
■略語のピリオドについては、以下のコラムで紹介しています↓
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