“common” という単語、正しく使えていますか?
“popular” と日本語訳が似ている部分もあるので、この2つの単語がごっちゃになっている方もいるかもしれません。
そこで今回は “common” と “popular” の意味の違いが分かり易いように、3つの例文を使って解説したいと思います!
common?popular?どちらが正解?
これからちょっとした問題を出します。
そのために先ずは、日本でポピュラーな名前を思い浮かべてみましょう。
「姓(名字)」で最もポピュラーなのは「佐藤」だそうです。鈴木さんじゃないんですね。そして「名(下の名前)」は2022年生まれの女の子で最も多かった名前は「ひまり」だったそうです。
ちなみに私の名前は「Yoko」ですが、これも結構ポピュラーな名前ではないかと思っています。
では、この3つの名前のことを表す以下の3つの文で間違っている文を選んでください。
- “Sato” is the most popular last name in Japan.
- “Himari” was the most popular baby girl name of 2022.
- “Yoko” is a popular name.
正解は…1番です。”Sato” is the most popular last name in Japan.” は明らかにおかしい文です。これは “popular” ではなく “common” でなくてはいけません。
3番は文法的に間違いとは言い切れませんが、”common” の方がしっくりくる感じです。
では、なぜそうなるのか、”common” と “popular” の意味をおさらいしてみましょう。
“common” の意味とは?
まずは “common” から。”common” の持っているイメージは、
- よくある
- よく起こる
- ありふれた
です。
名前の話から一旦離れてみると、例えば、今の時期に台風がたくさん来るのは “common” だし、冬にインフルエンザが流行るのも “common” だし、小学一年生が一人で登下校するのも “common” だし、カラスは日本では “common” な鳥といったように、誰も驚かないような「よくあること・もの」の「よくある」を表すのが “common” です。ちなみに「普通の風邪」も英語で “common cold” と言いますよ。
ここで名前の話に戻ってみると、以下の文がスッと理解できるのではないかと思います。
- “Sato” is the most common last name in Japan.
“佐藤” は日本で一番多い名字です - “Yoko” is a common name in Japan.
“Yoko” は日本で多い名前(よくある名前)です
「よくある名前」だから “common name” ですね。
“common” と “popular” の違い
2番の「”ひまり” は2022年に生まれた女の子で最も多い名前でした」は、
- “Himari” was the most popular baby girl name of 2022.
のように “popular” がしっくりきます。”popular” とは「人気のある」という意味ですよね。なので「最も人気のある名前」だから「最も多い名前」になったという結果論です。
そうすると「佐藤」を “popular name” と言えない理由は、もうお分かりですよね。名字は人気があるから多くなる名前ではないからです。下の名前は人気で多くなったり少なくなったりするので “popular” も “common” も使えます。
3番の文 “Yoko is a popular name.” も文法的には間違いではないですが、残念ながら今はあまり人気の名前ではないので、
- “Yoko” used to be a popular name.
- “Yoko” is a common name.
の方がしっくり来るかなと個人的には思います。
まとめると、”common” が表す「よくある」は人気とは関係ありません。夏に台風が来るのは人気だからではないので “popular” ではなく “common” です。冬にポピュラーな病気も人気は関係ないので “popular winter illnesses” ではなく “common winter illnesses” です。単純に「よくある」というさまを表すのが “common” で、これを「ポピュラー」と言うのは和製英語です。
それに対して “popular” は「人気のある」なので、結果として「よくある」になることがありますが、”popular” には「多くの人が好き」というニュアンスが含まれていますよ。