先日、路線バスに乗る機会がありました。
バスの中のいろんな吊り広告をボーッと見ていると「ドアが開いてから席をお立ちください」と書かれた注意書きが目に留まりました。
そこには英語の文も添えられていたのですが、これ、あなたなら英語でどう表現しますか?
“Please rise from your seat after a door opens”?
私が見た注意書きの紙には「ドアが開いてから席をお立ちください」と日本語で大きく書いてあり、その下にこんな英語が書かれていました↓
- Please rise from your seat after a door opens.
一見ちゃんとした英語っぽいですが、不自然な箇所が気になって仕方がありませんでした。
おそらく「席を立つ」「ドアが開いた後に」を直訳したのだと思われますが、こんな場合に “rise from your seat” とは普通は言わないし、“a door” も違和感があります。
こういった注意書きはもちろん日本だけではなく海外にもありますが、英語では少し違って「バスが完全に停止するまで席に座っていてください」といった表現が使われることが多いように思います。
では、これを英語で言うとどうなるでしょうか?
「バスが完全に停止するまで席に座っていてください」を英語で言うと?
「バスが完全に停止するまで席に座ったままでいてください」のポイントは2つ「席に座ったままでいる」「完全に停止する」です。
まずは「立ち上がらないでください」の意味での「席に座ったままでいてください」は、
remain seated
で表すことが多いです。「着席した状態でとどまってください」ということですね。この “remain seated” は飛行機の機内アナウンスや安全ビデオなんかでも使われていたと思います。
では次は「完全に停止する」はどうでしょうか?
“stop completely” でもOKですが、英語ではこんな表現もとってもよく使われます↓
come to a complete stop
“come to” で “reach” という意味になるので「完全な停止に達する」というニュアンスですね。
これらを使うと「バスが完全に停止するまで席に座ったままでいてください」は、
Please remain seated until the bus comes to a complete stop.
というのが海外でよく見かける英語表記です。
「ドアが開くまで立たないで」はこんな表現もある
とはいえ、表現方法はもちろん一つではありません。他にもバリエーションはあります。
中でも私が見て「ほー、確かに」と思ったのがこちらです↓
Please remain seated until the driver opens the door.
「ドアが開く」を「運転手がドアを開ける」と表現した形ですね。確かに「ドアが開くまで」とは言いますが、ドアは勝手に開くのではなく運転手さんが操作して「開ける」ものです。
「バスが止まるまで」を直接表現してはいないものの、意図がよく伝わる的確な表現だなと思いました。
「直訳英語」には要注意
日本に帰ってきてから、町でいろんな「不思議な英語」を見かけます。いかにも直訳な不自然な英語です。
こう書くと「間違いを指摘すると日本人は萎縮して話せなくなってしまう」というご意見が飛んできそうですが、間違いから学べることってすごく大きいと思うんです。自分の経験を振り返ってみても、間違いから学んだことの方が確かな身になっていると感じます。
また何か学べそうなものを発見したらシェアしていきたいと思います。
■アパレルショップなどでよく見かける「2 BUY」も和製英語です。