昨日お届けしたコラム「かわいい」だけじゃない!英語の “pretty” に反響をいただき、ありがとうございました!
実はちょっと “pretty good” の意味を勘違いしてる人も多いかもしれないと思ったので、今回は “pretty good” という表現をもう少し詳しく取り上げたいと思います。
“pretty good=very good” だと思っていた方は必見ですよ。
“pretty good” の “pretty” の意味は?
前回のコラムでも紹介しましたが、”pretty” には「かわいい、きれい」以外にも副詞で「けっこう」や「まあまあ」という意味があります。
「あれ?”pretty” って “かなり、とても(=very)” っていう意味じゃなかったっけ?」と思った人はいませんか?
- How are you? −(I’m) pretty good.
の “pretty good” は「とても元気だよ」と、ただの “good” よりも上だと理解している人が多いように感じます。実際に、”pretty good=very good” だと書いてある日本のウェブサイトもあったりします。
それもそのはず。ジーニアス英和大辞典で “pretty” を引いてみると、こんな意味が書かれているんです。
かなり、相当;たいへん、非常に(very)
しかも副詞の意味のトップにこれが書かれているので、”pretty good=very good” だと思っても不思議ではありません。
“pretty good” の本当の意味は?
結論から言ってしまうと、この副詞の “pretty” は “very” という意味だと覚えない方がいいです。
なぜかと言うと、基本的に “pretty” は後ろに来る単語の意味を弱める意味で使われるからなんです。
これをオックスフォード新英英辞典では、
to a moderately high degree; fairly
と書いています。「まあまあ、結構、ある程度、そこそこ」みたいな感じですね。
なので、”How are you?” に対する答えの “Pretty good” は、”good” だとキッパリ断言するほどではないけど “good” だという「結構いいよ」というニュアンスで、「すっごく良い」ではないんです。
こんなふうに自分のことを言うときに “pretty” を使って、わざとぼやかして言うことがあります。
例えば、試験や面接の後で友達に「どうだった?」と聞かれて、
- I think I did pretty well.
と答えるような感じですね。
また、その他にも “pretty good” がよく使われるのは、予想してたよりも良いを表すときです。
“pretty good”、実際にどう使う?
例えば、あなたが映画を見に行ったとしましょう。
後日、友達に「映画どうだった?」と聞かれて、すごく良かったわけではないけど、思ってたよりも「良かったよ」と言いたいなら、
- It was pretty good.
結構良かったよ
と言えるんです。あるいは、その映画の前評判はあまり良くなかったけど「悪くなかったよ。けっこう面白かったよ」も、
- It wasn’t bad at all. It was pretty good, actually.
なんていうふうに表せます。
なので、褒める時や自分以外の人に対して “very” のつもりで使うと、ちょっと危険です。
例えば、出されたお料理を「とても美味しい」と褒めるつもりで、
- This is pretty good.
と言ってしまうと、褒め言葉にはならず「けっこう美味しい」「予想以上に美味しい」「悪くない」というニュアンスを含んでしまいます。
でも「私、英語が上手じゃないんだ」とネイティブスピーカーに言ったときに、
- Your English is pretty good.
英語、結構上手だよ
と褒められることはあると思います。
状況次第で「良い」度合いも変わる?
今回紹介した “pretty good” の “pretty” は「◯%の良さ」とハッキリ表せるものではないので、ニュアンスを捉えにくいのではないかと思います。
使われている文脈や、その人の言い方によっても微妙に変わってくると思いますが、基本的に “pretty” は後ろに来る単語を断言したり強たりするのではなく、弱めたりぼやかしたりすると覚えておくといいかもしれません。
“very” の意味だと思って使っていたという方は、今後の参考にしていただけると嬉しいです。
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