“quite” の本当の意味とは?

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“quite good”、”quite tall”、”quite sure”、”quite cold”。

これらはそれぞれどんな意味だと思いますか?
ポイントは “quite” の意味ですね。

「どれくらい」という程度を表す時に使われる “quite” ですが、その意味を “very” だと思っていませんか?

この記事の目次

“quite” の意味は「とても」?

「quite=very=とても」の意味だと覚えている人は多いと思います。それも正解です。

でも、私はニュージーランドに来て、出されたお料理を褒めたつもりで “quite good” と言ったらちょっと変な空気になったことがありました。

その時は「えっ?変なこと言ったかな…」と思ったのですが、実はこれは「結構まあまあ美味しいよ」というニュアンスで受け取られていたようです(汗)

実は、”quite” には「とても」と「’とても’ ほどではないけどそれなりにある程度」の両方の意味があるんです。

では、どんな場合に「とても」になって、どんな場合に「まあまあ、ある程度、結構」になるのでしょうか?

“quite” の意味

英英辞書で “quite” を引いてみると、こんなふうに書かれています↓

1. [especially American English] very, but not extremely
2. [especially British English] fairly, or to a small extent, but not very 

ロングマン現代英英辞典

これが全てを物語っているような気がしますが、アメリカ英語とイギリス英語では “quite” が意味することが違うんですね。

どの程度を指しているのかが微妙に違います。

アメリカ英語では「ものすごく」ほどではないけど「とても」を表すのに対して、イギリス英語では「とても」ほどではないけど「まあまあ、結構、ある程度」ぐらいの辺りを意味するんですね。

実は “quite” はアメリカ英語よりもイギリス英語でとてもよく使われる単語で、イギリス英語ではこんなふうに使われます↓

  • It’s quite cold outside.
    外はまあ結構寒いよ
  • It’s quite interesting.
    結構興味深いね
  • I quite like this place.
    ここ(このお店)まあ結構好き
  • This is quite a difficult question to answer.
    これは答えるのが結構難しい質問です
  • He comes here quite often.
    彼はここに結構頻繁に来るよ

ニュージーランドではイギリス英語の影響が強いので、私がお料理を褒めたつもりで言った “quite good” は「うん、まあ結構美味しいね」と微妙にディスった感じになってしまったんですね…。

Meat Canape With Caramelized Onions

“fairly” か “completely” か

そんなややこしい “quite” ですが、もっと悩ましいことがあります。実は、英英辞書の “quite” の定義には、こんなことも書いてあるんです↓

[British English] completely

イギリス英語では、”quite” は “completely” の意味で使われることもあるんですね。でも、これは先ほど出てきた、

[especially British English] fairly, or to a small extent, but not very

とは意味が変わってきてしまいますよね。では、イギリス英語ではこの2つの意味はどんなふうに使い分ければいいのでしょうか?

これにはちょっとだけ複雑なルールがあります。

“completely” の意味になる “quite” は、後ろに比較級にならない形容詞・副詞が来る

です。なんか分かったような分からないような感じですよね。

「比較級にならない形容詞」とは?

「比較級にならない形容詞」というのは、”right”、”wrong”、”true”、”impossible”、”sure” のように、それ自体に程度の幅がない白黒はっきりした意味を持っていたり、”amazing”、”huge、”incredible”、”fantastic”、”terrible”、”perfect”、”freezing” などのように、すでに最上級の意味を持っていたりして「どの程度」という段階の幅がないものです。

“a bit cold” や “very cold” とは言えるけど “very freezing” とは言えないですよね。それは “freezing” 自体がすでに究極的な意味を持っていて比較級にならないからです。

これらの形容詞(や副詞)の前に “quite” が来ると、”completely(完全に全く)” という意味を強める働きをします。

  • You’re quite right.
    君は完全に正しいよ
  • Are you sure? −Yes, I’m quite sure.
    「確かですか?」「はい、間違いないです」
  • I’m afraid it’s quite impossible.
    残念ながらそれは全く不可能です
  • Oh, I’m sorry. −That’s quite all right.
    「ごめんなさい」「全然大丈夫ですよ」
  • Quite frankly, I don’t care.
    はっきり言って、どうでもいい

“not quite” はぜひ覚えておきたい

“completely” の意味で特に覚えておきたい “quite” は “not quite” という形です。

“not completely” という意味になるので「完全には〜ではない」というニュアンスでよく使われます。

  • Are you ready to order? –Not quite.
    「ご注文はお決まりですか」「ちょっとまだです(完全には決まっていない)」
  • I’m not quite sure if you’re interested, but 〜
    君が興味があるかちょっとよくわからないけど、〜です
  • That’s not quite right.
    それはちょっと違うんです
  • I don’t quite get it.
    いまいちよく分かりません

この “not quite” は会話の中でもとてもよく使われるので、ぜひ覚えておいてくださいね。

“quite” がややこしいのはイギリス英語

“quite” が「完全に、とても」なのか「まあまあ、結構」なのか、ややこしいのはイギリス英語です。

どちらがどちらだか分からなくなったら、会話の場合は相手がどこを強く言っているかもヒントになります。

  • QUITE+形容詞 →「まあまあ、結構」の意味
  • quite+形容詞(同じぐらいの強さ) →「とても、完全に」の意味

使い分けに慣れるまでは、イギリス英語では “quite” を使うときは注意してくださいね。イギリス英語では “quite” は必ずしも “very” ではないことを覚えておくのは大切だと思います。

会話では、褒めて「とても」と言いたいなら万能な “really”、「まあまあ、結構」と言いたいなら “fairly/pretty” を使うのも手かもしれません!

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