“if” と言えば、どんな使い方を思い浮かべますか?”if” は仮定法だから使うのが苦手…と思っていませんか?
実は “if” は仮定法だけではないので「if=仮定法」だと思っていると、”if” の正しい使い方が分からなくなってしまいます。
苦手意識を持っている人が多いかもしれませんが、”if” は日常会話でもバンバン登場するのでしっかり使えないと結構困ります。
そこで今回は「もし」の “if” の基本の使い方をシンプルに分かりやすく解説します!
ifの使い方① If+現在形, 〜 現在形
“if” と言えば仮定法しか思い浮かばない方は、まず仮定法を忘れてください。まずは仮定法ではない “if” の使い方を2つ紹介します。その1つ目がこれ、
If+現在形, 〜 現在形
で表わされる文章です。例文を見た方がイメージしやすいと思うので、例文を挙げてみましょう。
- If you freeze water, it turns into ice.
(もし)水を凍らせたら氷になる
一般的なことや、いつも必ずそうなることや不変のことを表すときに使われます。この “if” は「もしも」というよりは “when” ですね。
現在形の「いつもそうする、いつもそうなる」イメージをしっかりおさえていれば、この “if” の使い方は難しくないと思います。
ifの使い方② If+現在形, 〜 will
未来に起こりうることや、多分そうなるだろうことを表す “if” がコレです↓
If+現在形, 〜 will
“if” が出てきたら仮定法と決めつけてはいけません。これも仮定法ではありません。単なる「こんな場合はこうなるだろう」という、未来に起こるであろうことを表しているだけです。
- If you don’t hurry, you’ll be late.
急がないと遅れるよ - You lost your phone? I’ll let you know if I find it.
携帯なくしたの?もし見つけたら連絡するよ - I’ll tell him If I see him tomorrow.
もし明日彼に会ったら伝えるよ
“if 〜” で、今もしくは未来の「もし〜なら」を表しますが、”if” の後ろは現在形が基本です。
ただ、現在形以外にも現在完了や現在進行形も使えます。
- If it‘s raining, I won’t(=will not) go out.
もし雨が降っていたら出かけません - If I haven’t heard from you in fifteen minutes I’ll call back.
15分以内にあなたから連絡がなければ私からかけますね
そして、”will” のニュアンスも思い出してくださいね。確信度の高い未来の予測・見通し・意志でしたよね。
ifの使い方③【仮定法】If+過去, 〜 would
使い方②で紹介した「実際に起こるであろうこと」ではなくて、現実とは違う「もし〜だったら…だろうな」と想像するニュアンスで使うのが、
If+過去形, 〜 would
です。いわゆる【仮定法】ですね。
仮定法の大事なポイントは、”if” に続く文章が「現実にはそうでない、実際には起こらない」と感じていることです。
- I would buy it if it was/were cheaper.
もしそれがもっと安かったら買うだろうなぁ(←実際には安くない) - What would you do if you were me?
もしあなたが私だったら、どうする?(←実際には起こりえない) - I would be very surprised if that was/were true.
もしそれが本当だったらものすごく驚きだなぁ(←本当ではないと思っている)
“if” に続く部分を現在形にしてしまうと、使い方①②で紹介した「実際に起こりうる『もし〜なら』」との区別ができません。そこで、現実とは違うことを表すために現実から距離を取って過去形を使います。
インフォーマルな口語では “if it was cheaper” のように “were” ではなく “was” が使われることも多いですが、フォーマルな文章では “were” が正しいとされています。
また、”would” が持つのは、想像して「〜だろうなぁ」というぼんやりしたイメージです。ここで “will” を使ってしまうと「きっとこうなる!」と確信度が高すぎるので “would” がピッタリなんです。
“would” の代わりに “could” や “might” も使えますが、どちらもバシッと言い切らないぼんやりしたイメージの助動詞ですね。
ifの使い方④【仮定法】If+過去完了, 〜 would have
過去のある時点のことを想像して「もしあのとき〜だったら…だっただろうなぁ」のように表すのが、
If+過去完了, 〜 would have
です。ポイントは「もし〜だったら」と今現在のことを思っているのではなく「過去のあの時にもし〜だったら」と過去を回想しているような感じです。
“if” の後ろを過去完了にして距離を取ることで「実際は〜ではなかったけど、もしあの時〜だったら」という実際には起こらなかった過去のことに対する想像のイメージです。
- If I had known that, I would have told you.
もしそれを知ってたら君に教えてただろうなぁ(←実際には知らなかった) - If we had had more time, we would have visited the museum.
もしもっと時間があったらその博物館に行っていただろうなぁ(←実際には時間がなかった)
これも “would have” の代わりに “could have” や “might have” が使われることもありますよ。
おまけ:仮定法の使い方③と④のミックス
上で紹介した使い方③と④を合わせたような、
- If my parents hadn’t met, I wouldn’t be here.
もし両親が出会ってなければ、私は今ここにいないだろうなぁ
といったパターンが登場することもありますが「過去のあの時、もし〜だったら」と「今は…だろうなぁ」を組み合わせた想像していることを表しています。
何が何でも使い方③と④で紹介したパターンに当てはまるとは限らないので、しっかり文章の構造と意味を理解することが大切ですね。
仮定法の重要なポイント
今回は “if” の使い方のお話でしたが、最後にサラッと仮定法の大事なポイントをもう一つ。
仮定法といえば “if” のイメージを持っている人が多いと思います。ただ、実はもっと大事なのは “would” などの助動詞の働きを理解することじゃないかと私は思います。
1つ例を挙げてみると、例えば実際の会話では、
- I wouldn’t do that.
私だったらそんなことしないよ
のように “If I were you” の部分が省略できる場合は、その後ろに続く部分だけで仮定法を表すこともとても多いんです。
仮定法が苦手な方は、“would” の使い方をマスターして、今回紹介した “if” の使い方(特に②と③の区別)をじっくり見直してみると、それほど難しくないと思います。
「もし〜だったら」という日本語訳だけで考えないで「事実ではないことを表す」「ありえないと思っている」というポイントをしっかりおさえておきましょう!