英語で未来のことを表すときに、一番思い浮かべやすいのが “will” を使った表現だと思います。
実は、未来のことを表すときにいつでも “will” が使われるわけではありません。
では、”will” ってどんなときに使うのでしょうか?
今回は “will” がよく使われる場面から、”will” が持っているイメージ・ニュアンスを感じとってみましょう!
「未来形=will」と暗記していませんか?
英語をある程度勉強した人が難しいと感じることの一つに「未来の表し方」があるのではないかと思います。
それは「未来形」という決まったものがないのが原因の一つではないかと思います。
「え?未来形って【will+動詞の原形】じゃないの?」と思う方もいるかもしれません。でもそれは未来のことを表す一つの方法ではありますが、未来形ではありません。
学校では「未来のことを表すには “will” を使う」と教わったような気もするのですが、まずはこれを忘れてみましょう。
「未来=will」という図式にとらわれないことが “will” の使い方を理解するために一番大切です。
未来を表す4つの英語表現
会話の中で未来を表すのによく使われるパターンは4つあります。
その4つとそれぞれの使い分けは、めちゃくちゃザックリ言ってしまうと、こんな感じです↓
- will:意志を表す、自分の意見に基づいた予測
- be going to 〜:予定、今ある根拠に基づいた予測
- 現在進行形(be -ing):確定的な予定、個人的な約束ごと
- 現在形:タイムテーブル的な動かないスケジュール
それぞれが得意とすることがちょっとずつ違うんですね。このうち、2から4は以前にコラムで紹介したので、今回は1の “will” にスポットを当ててみたいと思います。
では早速、”will” の使い方を見てみましょう!
“will” の使い方①意志「〜します、〜するよ」
名詞の “will” には「意志」という意味があるように、助動詞の “will” を使うときには「〜します、〜するよ」という【意志】が大きく関わっています。例えば、
- I‘ll call you back later.
後でかけ直します - ‘Where’s the bathroom?’ −’I‘ll show you.’
「トイレはどこ?」「案内するよ」 - I‘ll have the steak, please.
私はステーキにします - (家・会社の電話が鳴って)I‘ll get it.
私が出ます - I won’t (=will not) tell anyone.
誰にも言わないよ
みたいな感じですね。特に、話しているその場で「こうしよう」と決めた「〜します、〜するよ」を表すときにとてもよく使われます。逆に、前々から決めていた「〜します」や予定・スケジュールを表すときにはあまり使われません。
また、”will” の【意志】を感じやすい使い方に、こんなものがあります。
風邪をひいたら咳が長引きやすい人はいませんか?そんな、なかなか治らないしつこい咳を表すときに、英語では、
- My cough won’t go away.
咳がなかなか治らない、止まらない
と表現します。”won’t” は “will not” の短縮形なので、咳が強い意志をもって “go away” しないというニュアンスが感じられるのではないかと思います。
■”Will you 〜?” の「〜してくれますか?」も、それをしてくれるかどうか相手の意志を尋ねるお願いの仕方です↓
“will” の使い方②確信度が高い予測「〜だろう、〜でしょう」
“will” は「こうなるだろう」という【未来の予測】も表します。
「〜だろう」という日本語訳だと、不確かなことを表すという印象を受けるかもしれませんが、”will” は自分の意見や経験に基づいた確信度の高い予測・見通しに使われることが多いんです。
- It will rain tomorrow.
明日は雨が降るだろう(←強く確信しているニュアンス) - I’m sure she‘ll be fine.
彼女はきっと大丈夫だよ - I‘ll be there in 10 minutes.
10分で着きます - I‘ll take only a few minutes.
ほんの数分しかかからないよ
私に娘が生まれて、初めて日本に連れて帰る前に助産師さんが、
- Your parents will be very happy.
ご両親がとっても喜ぶでしょう
と言ってくれたのをよく覚えています。これも「こうなるだろう」と強く確信しているニュアンスですね。
また、確信度が低い場合には、”probably” や “I think”、”maybe” などと一緒に使われます。
- I‘ll probably be at home this afternoon.
今日の午後はたぶん家にいます - I think she will come.
彼女は来ると思うよ
ちなみに、自分の意見からの予測ではなく、今ある根拠に基づいた「このままいけばこうなる」という予測には “be going to 〜” を使いますよ↓
“be going to 〜”、現在進行形、現在形で表す未来
上でも少し触れましたが、未来のことを表すには他にも、
- be going to 〜
- 現在進行形
- 現在形
もよく使われます。未来と言うと、つい “will” を使ってしまいがちですが、実は上の3つで表す未来のことの中には “will” で表してしまうと不自然になってしまう場合があります。
これらを使った未来の表現は以下のコラムで紹介しているので、ぜひ合わせてご覧ください!
■”will” と “be going to 〜” の違い・使い分けはこちら↓
■現在進行形・現在形で表す未来はこちら↓