普段の何気ない会話を思い出してみてください。
友達に「明日の午後、家にいる?」と聞くとしたら、どんなふうに尋ねますか?
ポイントは「家にいる」という表現です。”be at home” と “be home” のどちらが正しいのでしょうか?
さらに、その他の “in” や “around” を使った「家にいる」の英語表現も紹介します!
「家にいる」は “be home” それとも “be at home”?
「明日の午後、家にいる?」を “home” という単語を使って表すとしましょう。
- Will you be at home tomorrow afternoon?
- Will you be home tomorrow afternoon?
“at” があるか無いかだけの違いですが、この2つの文章、どちらが正解だと思いますか?
私は日本で英会話教室に通っていた頃に「家にいる」という表現にすごく悩んだことがありました。日本語では意外とよく使うのに、英語になると何が正解なのか分からなかったんです。
“home” なのか “at home” なのか、be動詞を使うのか “stay” を使うのか…表現がいろいろあって混乱していました。
今回は “home” か “at home” かのお話ですが、上の2つの「家にいる?」を表す文章、実はどちらも正解なんです。
“be home” と “be at home” の違い
私が持っているイギリス英語版のEnglish Grammar in Useと北米版のGrammar in Useを比べると、こんな違いがありました。
【イギリス英語版】
- Will you be at home tomorrow afternoon?
- I’ll be at wor until 5:30, but I’ll be at home all evening
【アメリカ英語版】
- Will you be (at) home tomorrow afternoon?
- You can also say be/stay home (without at): You can stop by anytime. I’ll be home all evening.
多くの英英辞書にも “at” 無しの “be home” はアメリカ英語の使い方だと書かれてあるので、イギリス英語が “be at home”、アメリカ英語が “be (at) home” という違いがあるんですね。
私は “be at home” の方が圧倒的によく耳にしますが、”be home” も確かに聞いたことがあります。例えば、
- Is John home?
ジョンは家にいますか? - She wasn’t home when I got back from work.
私が仕事から帰ってきたら彼女は家にいなかった
みたいな感じですね。
“home” は名詞であり副詞でもある
「家にいる」は “be at home” と “be home” のどちらででも表せるのは分かりましたが、なぜ “at” のない “be home” でも「家にいる」になるのでしょうか?
実はこの2つ、文章の構造が違うんです。
例えば、”I’m at home” なら “at” が前置詞、”home” が名詞なので「homeという所にいる=家にいる」になりますよね。
それに対して “I’m home” の “home” は名詞ではなく副詞なんです。副詞の “home” とは、
to or at the place where you live
(オックスフォード現代英英辞典)
のように「家へ、家に」といった「〜へ、〜に」までが意味に含まれているので、”at” は要らないんですね。
“be home” の覚えておきたい使い方
“be home” には「家にいる」以外に、絶対に覚えておきたい使い方があるんです。
それが「家に着く、帰ってくる」という意味です。これはイギリス英語・アメリカ英語関係なく使われます。例えば、
- I‘m home.
帰ってきたよ(ただいま) - Mum, Daddy‘s home!
お母さん、お父さんが帰ってきたよ - What time will you be home?
何時に帰ってくるの? - I‘ll be home by six.
6時までに帰るよ - Can you give me a call when you‘re home?
家に帰ったら電話してくれる?
のような感じですね。これらの「家に帰ってくる」という意味で使われる “be home” は、”be at home” に置き換えることはできないので、ご注意ください。
その他の「家にいる」の英語表現
「家にいる」は “be at home”、”be home” 以外で表されることもあります。例えば、
- Will you be around tomorrow?
明日家にいる?
のように “be around” で表すことも多いです。
他には、”be in” を使って、
- Will you be in tomorrow?
明日は家にいる?
とシンプルに表すこともできます。この “in” の使い方は「家」に限らず、職場などに「いる」という意味の副詞で、とてもよく使われますよ。
もちろん、”stay at home、stay home” を使うこともできます。
- How was your weekend? –It was pretty relaxing. I stayed at home all weekend.
「週末どうだった?」「のんびりしてたよ。ずっと家にいた」
この場合は “stay home” も “stay at home” も同じ意味ですが、アメリカ英語では “stay home” を使うことが多いようです。
“stay-at-home” の意味は?
最後に、私がよく目にする “stay-at-home” という単語を紹介しておきたいと思います。
ハイフンでつなげた “stay-at-home” は「在宅の」という形容詞として使われるんです。
一番よく目にするのは “stay-at-home mom/mum” や “stay-at-home dad” という表現なのですが、これはどんな意味だと思いますか?
これは「専業主婦・専業主夫」を表す単語で、”working mom/mum/dad” の反対語としてよく出てきます。
- I’m a stay-at-home mum/mom.
私は専業主婦です - I’m a stay-at-home dad.
私は専業主夫です
のような感じですね。覚えておくとどこかで役に立つはずです!
■「テレワーク」「在宅勤務」の英語表現はこちらで紹介しています↓
1冊持っておきたいGrammar in Use
今回のコラムでも登場している、英語で書かれたテキストEnglish Grammar in Use。
このサイトでは何度も紹介していますが、いいポイントをしっかり押さえていて、やっぱりとてもいいテキストです。
イギリス英語版だけでなく、アメリカ英語(北米)版もあります。内容はほとんど同じなので、どちらもオススメですよ。
【イギリス英語版】
【アメリカ(北米)英語版】