“appreciate” という単語、耳にしたことはありますか?
「感謝する」を表す、”Thank you” よりも少しフォーマルな表現としてご存じの方も多いと思いますが、実は使う際にちょっと注意したいポイントがいくつかあるんです。
今回は、使えると表現の幅が広がる “appreciate” の間違えやすいポイントを中心に紹介したいと思います。
“appreciate” は「物・事」に「感謝する」
冒頭で、”appreciate” は “Thank you” のフォーマルな表現と紹介しました。
確かに「感謝する」という意味では同じなのですが、注意したいのは【感謝する対象が違う】ということです。
“thank” は「人に感謝する」という意味なので、”thank” の後ろに「誰」が入って、”Thank you” になるんです。誰もが知っている、もはや説明するまでもないフレーズですね。
それに対して “appreciate” の意味はこうです↓
be grateful for (something)
(オックスフォード新英英辞典)
「何かに感謝する、ありがたく思う」ですね。感謝する対象は「何」であって「誰」ではありません。
なので “I appreciate you” とは言えないんです。
では、実際にどうやって使えばいいのでしょうか?
“appreciate” の使い方
“appreciate” の後ろに「何に感謝するか」を入れるだけです。
繰り返しになりますが「誰に」ではなく「何に」です。例えば、
- I really appreciate your help.
あなたの助けに感謝します=お手伝いいただきありがとうございます
みたいな感じですね。また、
- Your support is much appreciated.
のように【感謝の対象】が主語に来て、”be appreciated” と受け身で使われることもあります。
そして実は、“Thank you” と合わせて使われることも多いんです。例えば、
- Thank you for coming. I really appreciate it.
来てくれてありがとう。感謝します
みたいな感じですね。
“it” は、ここでは「来てくれたこと」を指していますが、この “it” がなかなか重要です。”appreciate” は「(何か)に感謝する」なので、必ず後ろに「何」が必要になります。
つまり、”it” を抜かして “I appreciate.” とは言えないんですね。
“I thank.” と言われたら何か足りない感じで気持ち悪いのと同じ感覚です。”appreciate” の後ろには必ず「何」に感謝するのかを入れましょう!
お願いする時の “appreciate”
また、”appreciate” は何かをお願いする時にも使われます。
- I’d(=I would) appreciate it if you 〜.
〜していただけると幸いです、有り難いです
というフレーズが特に書き言葉でよく使われますが、この “it” もよく忘れられがちです。「そのことに感謝します」なので、”it” が必要なんですね。
このフレーズを使うと、
- I’d appreciate it if you could give me some advice.
アドバイスをいただけたら幸いです(有り難いです)
のように言えます。しつこいようですが “it” を忘れないでくださいね。
また、感謝する対象が主語になって、
- Any advice would be greatly appreciated.
アドバイスいただけたら大変ありがたいです
のように “be appreciated” と受け身で表現することもありますよ。
“I appreciate it” は覚えておきたい
具体的に「何に感謝するのか」を表現すると、とってもきちんとした表現になります。例えば、
- I really appreciate your help.
助けていただいてありがとうございます
みたいな感じですね。ところが実際の会話の中では、相手が何かしてくれた時に、
- Thank you. I appreciate it.
とだけ言うこともとっても多いんです。「何に」感謝するのかを具体的に言わずに “it” で表現するんですね。
これは丁寧な表現には変わりないですが、それほどフォーマル過ぎず「ありがとう、助かるよ」みたいな感じで、日常的に使われている表現だと思います。
これまで “Thank you” ばかり使っていたという方は、場面によって “appreciate” も活用してくださいね!
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