日本語の「よろしくお願いします」って本当にいろんな場面で使う言葉ですよね。
そんな全ての「よろしくお願いします」を表せるピッタリのフレーズは英語には存在しないので、場面によって違う表現を使い分けることになります。
その中から今回は「ご理解のほどよろしくお願いします」「ご協力よろしくお願いします」といった、何かを依頼するときの「〜のほどよろしくお願いします」の英語表現と使い方の注意点を紹介します!
「ご理解のほどよろしくお願い致します」を英語で言うと?
例えば、仕事のフォーマルなメールやお知らせ・掲示などで、
- ご理解のほどよろしくお願い致します
- ご協力よろしくお願いします
と英語で書こうとして、どう表現したらいいのか悩んだことはありませんか?
“Please 〜” で始めたくなるかもしれませんが、こんな依頼やお願いごとをするときの「〜のほどよろしくお願いします」は、実は “Thank you” で表すことも多いんです。
意外な感じがしますか?
ちょっと具体的な例を見てみましょう。
“Thank you” で表す「ご理解のほどよろしくお願い致します」
下の写真を見てみてください↓
これはニュージーランドのスーパーの商品棚に貼られていた紙です。
買い占め対策として「1人2点まで」と書かれていますが、その下に、
Thanks for your understanding.
と書かれていますよね。しかも太字で(笑)
これはもちろん「ご理解いただきありがとうございます」とも訳せますが、こういったお願いに対して相手が行動する前に言う “Thank you” は「よろしくお願いします」の意味で使われるんです。感謝を表すことで「よろしく」のニュアンスを表現するんですね。
つまり、張り紙に書いてある意味は、
Thanks for your understanding.
ご理解のほどよろしくお願い致します、ご了承ください
ということになります。”Thank you for your understanding.” ではなく “Thanks” になっているので少しカジュアルな印象ですね。
「ご協力のほどよろしくお願い致します」「ご検討のほどよろしくお願い致します」は英語で?
他にも “Thank you for 〜” を使った「〜よろしくお願いいたします」には、こんなものがあります↓
- Thank you for your cooperation.
ご協力のほどよろしくお願い致します - Thank you for your understanding and cooperation.
ご理解とご協力のほど、よろしくお願い致します - Thank you for your consideration.
ご検討のほどよろしくお願い致します - Thank you for your patience.
今しばらくご辛抱くださるようお願い致します - Thank you for your continued support.
引き続きよろしくお願い致します
みたいな感じですね。どれもフォーマルなメールや手紙などの本文の最後の方で使われると「〜のほどよろしくお願い致します」になりますが、最初ならそのまま「ありがとう」のニュアンスになります。
他にも、”appreciate” を使うこともできますよ。
- I/We appreciate your understanding.
ご理解のほどよろしくお願い致します - We really appreciate your cooperation.
ご協力のほどどうぞよろしくお願い致します
“appreciate” を使う場合には、受け身が使われることもありますよ。こちらはよりフォーマルな印象ですね。
- Your cooperation is appreciated.
- Your understanding is greatly appreciated.
ただ、今回紹介したフレーズは、依頼・お願いごとの内容に対して相手がNoと答える余地がない場合によく使われる表現です。
事前に「〜してくれてありがとう」と言ってしまうことで「〜してください」という強制のニュアンスを少なからず含んで受け取られる可能性があるといことを忘れないでくださいね。
なので、日本語ではもはや定型文のようになっているメールの最後の「よろしくお願いします」のニュアンスで、
- Thank you in advance.
を毎回使うのはちょっと違います。普通に “Thank you” で締めることは多いですが、”Thank you in advance.” は必要ないかなと個人的には思っています。
■相手を長くお待たせする時の「今しばらくお待ちください」を表す、”wait” を使わないフレーズとは?
英語はたくさん “Thank you” を使う
英語では “Thank you” というフレーズを本当によく使います。
過去に紹介した “Thank you” にまつわるコラムもぜひ合わせてご覧ください!
■Thanks, Thank you, Thank you very much の使い分けはこちら↓
■接客の「すみません」も “Thank you” で表した方が自然な場合があります↓