“Thank you in advance.”
ビジネスのメールでよく使ってるよ!という方もいらっしゃるかもしれません。
「よろしくお願いします」的なニュアンスで、日本人にとっては便利なようにも思えてしまうこのフレーズ。実は使い方にちょっと注意が必要です。
“Thank you in advance.” の意味
“Thank you in advance.” や “Thanks in advance.” はメールの締めに使われる文で「あらかじめお礼申し上げます」という意味です。
日本語では、相手に何か頼みごとをする場合に「よろしくお願い致します」とメールの最後に書いたりしますよね。
その「よろしくお願いします」の意味で、英語で依頼のメールを送る時に “Thank you in advance.” で締めくくっていませんか?
その習慣は今日から直したほうがいいかもしれません。
使い方に注意が必要な理由
“Thank you in advance.” は使い方を間違えると、厚かましい印象・失礼な印象を与えてしまう可能性があります。
相手に何かお願いする場合には、まだ相手が何もしていない段階で先にお礼を言ってしまうと、相手がそれをしてくれるものだと決め付けているニュアンスになってしまうからです。
逆の立場で考えてみましょう。あなたが誰かから何か頼まれたとして、それを「する・しない」をあなたが決める前に「ありがとう!」と先にお礼を言われたら、どんな気持ちになりますか?内容によっては「いやいや、まだやるって言ってないでしょ」「やる前提になってるじゃん!」と言いたくなりませんか?
相手にその依頼を「受ける・受けない(する・しない)」の選択権があるような場合には、”Thank you in advance.” は厚かましい印象、失礼な印象を与えてしまうことがあるんです。
“Thank you in advance.” どんな時に使う?
私は “Thank you in advance.” が厚かましい印象を与えることがあると教わってから、自分では使わないようになりました。
ところが私が実際に受け取ったメールに “Thank you in advance.” が書かれていないかと言うと、そうでもないんです。使い所を間違えなければ効果的な場合もあります。
それはどんな場合かと言うと、パッと思いついたシチュエーションは大きく分けて2つです。
- 親しい人に対する依頼で、必ずやってくれるであろうことをお願いする場合
- 相手がする・しないを選べないような内容。依頼というよりは指示に近い場合
1は “Thank you in advance.” の文字通り、相手に対する純粋なお礼ですが、2はちょっとしたプレッシャーを与えるような意味合いもあります。「〜してください」と相手に対応をお願いしたり、指示・催促するような場合をイメージしてください。
例えば、支払いを催促する場合や、期限が迫っている場合、対応を依頼したのに返事をもらえていないなど、相手に「対応お願いしますね」とやんわり伝えたい場合に使う “Thank you in advance.” は上の2にあたります。先に「ありがとう」と言うことでちょっとしたプレッシャーを与えて相手の対応を促すんですね。
これまで特に何も考えずに「よろしくお願いします」的な意味合いで “Thank you in advance.” を使っていた方は、使い方をちょっと意識してみてくださいね。
■”Many thanks in advance for your help on this.” や “Thank you in advance for your time.” のように「何にありがとうなのか」を具体的に表現することも大切です↓
■「ご理解の程よろしくお願いします」を英語で言うと?