ニュージーランドで15年暮らし、日本に帰ってきてから1年以上が過ぎましたが、いまだに日本でしっくりこないことがあります。
それは、英語なら相手から “Thank you” と言われるのが普通な場面で「すみません」や「申し訳ありません」と言われることです。
ここは日本なので、それでも問題ないのですが、もしこれを英語でそのまま “I’m sorry.” と言ったらちょっとおかしいなぁ、という場面があるんです。
今回は、そんな「すみません」の英語表現のお話です。
「すみません」を英語で言うと?
以前にも書いたように思いますが、日本語の「すみません」は魔法の言葉です。と言うのも、
- I’m sorry.
- Excuse me.
- Thank you.
の全てが「すみません」で表せてしまうからです。例えば、
- (遅刻した時)I’m sorry I’m late.
遅れてすみません - (誰かを呼び止める時)Excuse me.
すみません - (自分が落としたものを拾ってもらって)Thank you.
すみません
どれも全く違和感がないですよね。
ところが、英語では “sorry”、”Excuse me”、”Thank you” は使う場面がそれぞれ違うので、例えば2の “Excuse me” と言うシチュエーションで “sorry” と言ってしまうと違和感があります(使い方によってはOKな場合も)。
さらには3番の “Thank you” と言うべきところで “sorry” と言ってしまうと、もっと違和感があるんです。
そして、これこそが冒頭で触れた、私が日本に帰ってきて感じる違和感なんです。
接客で感じた「すみません」の違和感
以前、こんなことがありました。
家具や生活・インテリア用品を販売する某有名店に行った時のこと。店頭で販売されていた商品の1つが明らかに不良品だったので、近くにいた店員さんに「これ、棚にあったのですが、不良品だと思います」と知らせたところ「あ、すみません!申し訳ありませんでした」と言われました。
また、別の店ではこんなことがありました。スーパーのレジでセルフ会計を済ませたところ、出てきたレシートの紙に赤色ラインが付いていたので、店員さんに「これ、もうすぐ紙がなくなりそうですよ」と伝えたら「すみません。交換しますね」という答えが返ってきたんです。
上のどちらの場面でも、日本語の「すみません」の使い方に問題があるわけではありません。
でも私が瞬間的に感じたのは「別に誤ってもらいたかった訳じゃないんだけど…」という違和感だったんです。
その違和感の理由は、これこそが英語では普通 “Thank you” と言う「すみません」のシチュエーションだからです。
「すみません」を “Thank you” で表すのはどんな時?
上の2つのシチュエーション。英語なら恐らく、こんなふうに言われると思います。
- Oh, thanks.
- Thank you for letting us know.
誰かに何かをしてもらった時には “Thank you” や “Thanks” で感謝の気持ちを伝えるのが英語です。特に、自分のために相手が親切心で何かをしてくれた時に “Sorry” と言ってしまうと、とても違和感があります。
相手に何かをさせてしまって「申し訳ない」という気持ちからの「すみません」だとしても、英語では “Thank you” です。
日本語では何かをしてもらった時の「ありがとう」と「すみません」は、相手によって使い分けますよね。例えば、友達には「ありがとう」と言うような場面でも、目上の人やそれほど親しくない人、接客では「すみません」をよく使います。
でも、英語では “Thank you” は “Thank you” です。相手が誰でも “Thank you” でいいんです。
「すみません」を英語で言うときには “Sorry” と “Thank you”、”Excuse me” との使い分けも意識してみてくださいね。
英語では本当に “Thank you” の出番が多いので、私は日本語でも「すみません」ではなく「ありがとう」を使うことが多くなりました。個人的には「ありがとう」と言われた方がポジティブな感じがして嬉しいので、広まってほしいなと密かに思っています。
■英語では出番の多い “Thank you”。ネイティブはどう使っている?
■「お待たせしてすみません」も “Thank you” で表せる?
■”Excuse me” の使い方はこちらでおさらい!↓