“Would you like 〜?” ってどんな表現ですか?と聞かれると「丁寧な表現」と答える人が多いと思います。
“Do you want (to) 〜?” よりも “Would you like (to) 〜?” のほうが丁寧な表現だと教わりましたよね。
でも、こんな疑問を感じたことはありませんか?
どれぐらい丁寧で、どんなシチュエーションで使えばいいんだろう、と。
今回は、私が実際にニュージーランドで生活をして感じた “Would you like 〜?” の使い方について書いてみたいと思います。
“Would you like 〜?” の意味は?
英英辞典を引いてみると、こんなふうに書かれています↓
used in polite offers or invitations
Oxford Advanced Learner’s Dictionary
・Would you like a sandwich?
“Would you like 〜?” が丁寧な言い方であるのは間違いないようです。
でも「丁寧な」というと、どこか特別な感じがしてしまうかもしれませんが、“Would you like 〜?” は全然特別な表現ではありません。むしろ、私は日常生活の中でこそめちゃくちゃよく使われていると感じています。
例えば、フレンドリーな接客のカフェでも注文を取る時には、
- What would you like?
が普通に使われていたり、スーパーやお店で「袋は必要ですか?」と聞かれる時にも、
- Would you like a bag?
が一番よく耳にすると思います。
以前に「〜しましょうか?」に “Shall I” は使わない?というコラムでも紹介しましたが、誰かに「(私が)〜しましょうか?」と申し出る時には “Would you like me to 〜?” もよく使われています。
なので、外の世界に出た時(よく知らない相手に質問する時)には、
- Would you like 〜?(〜は要りますか?)
- What would you like?(何が欲しいですか?)
- Would you like to 〜?(〜したいですか?)
- Would you like me to 〜?(私が〜しましょうか?)
が使われるのが基本と考えていいと思います。
カジュアルな接客では “Do you want sugar?” や “Do you want a bag?” と言われることもありますが、“Do you want 〜?” は直接的でとてもカジュアルな表現です。
家族・友人にも使う “Would you like 〜?”
以前、私がニュージーランド人の友達の家に遊びに行って驚いたことがあります。
それは、旦那さんが奥さんに「お茶いる?」と聞く時に “Would you like 〜?” を使って、
- Would you like a cup of tea, Susie?
と聞いていたことです。“Would you like 〜?” がけっこう丁寧な表現だと思っていた私は「え? “Would you like 〜?” って家族にも使うの?」と、とてもビックリした記憶があります。
そして、その友人は私にも「何飲む?」と聞いてくれたのですが、それもやっぱり、
- What would you like to drink, Yoko?
でした。“Tea would be nice. Thank you.” と答えたら、返ってきたのは、
- What would you like? Camomile? Earl Grey? or English breakfast?
何がいい?カモミール?アールグレイ?普通の紅茶?
でした。友達なのでもっとカジュアルな表現でも良さそうですが、若者言葉ではない大人の会話では友達にも “Would you like 〜?” を普通に使っているのを耳にします。
子どもに “Would you like 〜?” を使うのは当たり前?
そして、私がもっと驚いた “Would you like 〜?” の使い方があります。
それは、親が小さい子どもに対して “Would you like 〜?” を使うことです。ちょっとビックリじゃないですか?
娘が生まれて、ママさん達とおしゃべりしたりお茶したりする機会が増えたのですが、その中で分かったのが、この “Would you like 〜?” の使い方でした。
友人は子ども(当時1歳)に対して、
- What would you like to eat? Would you like a banana or sandwich?
と話しかけていました。娘の幼稚園の先生も、メソメソしている子がいると、
- Would you like to come play with me?
と話しかけたりしています。
“Would you like 〜?” は「〜はいかがですか?」と訳されたりもしますが、この場面ではその訳は変ですよね。でも、親や大人は丁寧な言葉遣いを教えるためにも、子どもに対して “Would you like (to)” を使います。
“Would you like 〜?” は丁寧だけど普段使いの表現
話す相手によって尊敬語や謙譲語を使い分ける日本人にとって、丁寧な表現というと、目上の人に使うものと無意識のうちに感じてしまうかもしれません。
でも、英語の丁寧な表現というのはそれとは違って、本当に【丁寧な表現】なんだと実感したのが “Would you like 〜?” の使い方でした。相手を選んで使うのではなく、自分の言いたいことを丁寧に表現するということにポイントがあるんです。
なので、大人の表現では “Would you like 〜?” や “I’d like 〜” が普段からよく使われているのだと思います。“I want 〜” は直接的でちょっと子どもっぽく聞こえることもあります。
今回紹介した “would you like” の使い方はイギリス英語の影響が強いかもしれませんが、丁寧な表現を選んで失敗することはありません。
「相手が年下なのに “Would you like 〜?” って変かな?」「自分がお客さんなのに店員さんに “I would like〜” って言うのは変かな?」と思わずに、自信を持って使ってくださいね。
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