【関係代名詞】といえば「主格・目的格・所有格」があると学校で習いませんでしたか?
そう聞くだけで難しそうな感じがしてしまうので、今回のコラムではその用語は使わずに、関係代名詞 “who/which/that” の使い方の大事なポイントだけ紹介したいと思います。
「関係代名詞ってなんかよく分からない…」という方にもわかりやすく紹介します!
関係代名詞 “who”、”that” の使い方
「関係代名詞ってそもそも、いつ使うの?」「なんで使う必要があるの?」という疑問をお持ちの方は、まずはこちらをご覧ください↓
では、関係代名詞の “who” の話に戻りましょう。
関係代名詞の “who” は「どんな人なのか」を説明するときに使います。
名詞を形容詞で表しきれない場合は、名詞の後ろに説明が来るんでしたよね。その時に「それはどんな人かと言うと…」と知らせるためのものが、関係代名詞の “who” です。
- The girl who is wearing a hat is my daughter.
帽子をかぶっているその女の子は私の娘です - A paediatrician is a doctor who specialises in children.
‘paediatrician’ とは子どもを専門に診る医者(=小児科医)です - Do you know anyone who speaks Italian?
誰かイタリア語を話せる人を知ってますか?
のような感じです。どれも「どんな人なのか」という情報が後ろに続いていますよね。これらの “who” は “that” で表してもOKです。
省略できる関係代名詞の “who”
また、こんな場合にも “who(もしくは that)” が使われることがあります↓
- Do you know the lady (who) Lisa is talking to?
リサが話している女性を知っていますか? - What was the name of the guy (who) you work with?
君と一緒に働いてる男の人の名前って何だったっけ?
これらも関係代名詞の “who” です。後ろに「どんな人」かの説明が来ていますよね。
でも、最初に紹介した “who” とはちょっと違います。これらは省略してもいい “who” なんです。省略できるものとできないものの違いは、文章の構造を見てみると分かります。
省略できない “who/that” は「どんな人」という説明の中で<主語>になっています。
- the girl → who is wearing a hat
- a doctor → who specialises in children
- anyone → who speaks Italian
それに対して、省略できる “who/that” は、後ろに続く説明の「主語+動詞+目的語」の<目的語>になっています(本来あるべき位置ではなく前に来ているので少し分かりづらいですね)。
- the lady → who Lisa is talking to
- the guy → who you work with
こればっかりは口が慣れるしかないのですが、名詞の後ろに「主語+動詞」が続くと、文の構造的に「あ、これは前の名詞の説明なんだな」というのが分かります。
なので、”who/that” はなくてもいいんです。実際に、口語では省略されることがとても多いです。
逆に、名詞の後ろにいきなり「動詞」が来てしまうと、その名詞に説明を加えているというのが分かりません。なので “who/that” が必要なんですね。
関係代名詞 “which”、”that” の使い方
関係代名詞の “which” の使い方は “who” とほぼ同じです。違うのは、どんな「人」ではなく「物(こと)」かを説明する時に使われるということだけです。
と、学校で習いましたよね。
でも、ニュージーランドに来て気付きました。”which” でも間違いではありませんが、口語では “that” の方が断然よく使われています。
- I live in an apartment that doesn’t allow pets.
ペット不可のマンションに住んでいます - I’m looking for a hotel that offers free airport shuttle service.
空港まで(から)無料のシャトルバスがあるホテルを探しています - She doesn’t eat anything that comes from animals.
彼女は動物由来のものは口にしない
みたいな感じですね。これらも「どんな物」という説明の中で<主語>になっているので、省略することはできません。
省略できるのはどんな場合だったでしょうか?後ろに続く説明の「主語+動詞+目的語」の<目的語>になっている場合でしたね。なので、
- I’m very lucky to have a job (that) I love.
大好きな仕事に就けていてとても幸せだ - Is this the restaurant (that) you were talking about the other day?
これって君がこないだ話してたレストラン?
これらの “that(もしくは which でもOK)” は省略することができます。そして、これも口語では省略されることが多いです。
省略されることが多いので会話では関係代名詞があまり使われていない印象を受けるかもしれませんが「省略できる=大切ではない」ということではありません。
関係代名詞の概念が分かっていないと、理解できない文章が出てきたり、自分で文章を作ることができません。省略されていても、そこに隠れている関係代名詞の役割はしっかり理解する必要があると思います。
関係代名詞は慣れることが大切
今回はできるだけ難しい文法用語を使わないように、2パターンの関係代名詞の使い方を紹介しました。この2つの使い方は特によく出てきます。
英語の参考書ではこれらを【主格の関係代名詞】【目的格の関係代名詞】と説明していると思うので、ちょっとまとめてみましょう。ただ、用語は特に覚えなくてもいいと思います。
- 「どんな人/物」かを説明する中で主語になっている関係代名詞→主格 ※省略できない
例:The girl who is wearing a hat is my daughter.- 「どんな人/物」かを説明する中で目的語になっている関係代名詞→目的格 ※省略できる
例:I’m very lucky to have a job (that) I love.
大切なのは用語ではなくて、いつ使うか・どう使うかを理解して、自分で使えるようになることです。
日本語とは文章の構造が違うので最初は分かりにくいと思いますが、英語を見たり聞いたりする中で、文章の途中に出てくる【名詞+who/that/which】や【名詞+(who/that/which)+主語+動詞】があれば意識してみてくださいね。
たくさんの例にふれることで、どんなものなのかが掴めてくると、それほど複雑なものではないと感じると思います!
※今回紹介した “who/which” は「〜, who/which …」のように前にコンマが入る使い方ではありません。コンマの後ろの “who/which” は以下のコラムを参考にしてみてください。
■関係代名詞を理解する上で一番大切とも言える、日本語と英語の違いを忘れないでくださいね↓
■関係代名詞の “who” は “those who” という形でもとてもよく使われます↓