こんな2つの例文があるとします。
- 彼が車に乗りこんで走り去るのを見た
- 彼が電話で話しているところを見た
これを英語で言うとしたら、どうなるでしょうか?
意外とうろ覚えな人も多い、see/hear/smell/feel…といった【知覚動詞】を使った「誰かが〜しているのを見た/聞こえた」などの英語表現をおさらいしてみましょう!
「彼が車で走り去るのを見た」「彼が電話で話しているところを見た」を英語で言うと?
まずは、冒頭の2つの文章をもう一度見てみましょう。
- 彼が車に乗りこんで走り去るのを見た
- 彼が電話で話しているところを見た
1の文章は「彼」が車に乗り込んでブーンと走り去っていくところを目撃した、というイメージです。そして2は「彼」が誰かと電話で話しているところを通りかかって「見た」と想像してみてください。
これらを英語で言うと、あなたならどんなふうに表現しますか?”I saw him” の後はどんなふうな文章を続ければいいでしょうか?
実はこの2つを英語で言うと、こんなふうになります↓
- I saw him get in a car and drive off.
- I saw him talking on the phone.
1は動詞の「原型」がきて、2では「-ing形」が来ていますよね。これらの違いにはちゃんと理由があるんです。
【知覚動詞】の後ろの「動詞の原型/-ing形」の違い
この違いもEnglish Grammar in Useにはとっても分かりやすく書かれています。
まずは後ろに【動詞の原型】が続く場合を見てみましょう。
I saw him do something=he did something and I saw this.
I saw the complete action from the beginning to end
この後半部分がポイントです。「最初から最後まで全部を見た」というニュアンスになります。
それに対して【動詞の-ing形】が続くときには、こうです↓
I saw him doing something=he was doing something and I saw this.
I saw him when he was in the middle of doing it. This does not mean that I saw the complete action
これも後半に注目してください。「何かをしている最中のところを見た」です。行為の一部始終ではなくて、一部を見ただけです。
これが2つの大きな違いです。ここで冒頭の例文をもう一度見てみると、
- 彼が車に乗りこんで走り去るのを見た
I saw him get in a car and drive off. - 彼が電話で話しているところを見た
I saw him talking on the phone.
1は「乗りこんで走り去る」という一部始終を見たので【原型】が使われていますね。そして2は「電話で話している」行為の一部を見かけたので【-ing形】です。電話で話しているのを最初から最後まで見ていたわけではないですよね。
知覚動詞の後に来る「原型/-ing形」使い分けのポイント
「知覚動詞+人+動詞の原型/-ing形」の違いは上で紹介した通りですが、ちょっとしたポイントがあります。
それは、もう一度例文を見てみると分かりやすいのですが、
- I saw him get in a car and drive off.
- I saw him talking on the phone.
1のように「車に乗り込む」「車で走り去る」のように行為が一瞬または短い時間で完結する場合には【原型】が使われやすく、そうでない場合は【-ing形】がよく使われます。
これは傾向として「一瞬で終わる行為」は最初から最後まで見ることが多いものの「ある程度長い行為」の場合はそうではないことが多いからです。なので、その一部分だけを見たなら【-ing形】になりますよね。
“see” だけではなく、他の知覚動詞 “hear” なんかも同じです。
- I heard him talk on the phone.
- I heard him talking on the phone.
1の文章は最初から最後まで聞こえていたニュアンスなのに対し、2は「電話で話しているのが聞こえた」という、部分的な「ちらっと聞こえた」という意味です。他には、
- I didn’t hear you come in.
- I watched a little girl go down the slide.
- Can you smell something burning?
- I felt something crawling up my leg.
なども分かりやすい例かもしれません。あくまでも傾向なので、絶対的なルールではありませんが、ちょっとした参考にしてみてくださいね。
今回紹介した【知覚動詞+人(何か)+動詞の原型/-ing形】は会話の中で出てくることがとても多い表現です。ぜひマスターして自信をもって使い分けてくださいね!