“grab” という単語を耳にしたことはありますか?
私が日本で英語を勉強していた時は、実は全くと言っていいほど耳にしませんでした。
でも、この “grab” という単語、ネイティブは会話の中で本当によく使うんです。
「grab=掴む」という意味しか思い浮かばない人は、今回のコラムも要チェックですよ!
“grab” って本当によく使われるの?
冒頭で「会話の中で本当によく出てくる」と紹介した “grab” ですが、そんなによく使われるのでしょうか?
学校の授業で習った覚えもないし、テキストに出てくるのも見たことがありません。よく使われると言われてもイマイチ実感が湧かないですよね。
私も最初は「掴む」という意味しか知りませんでしたが、ニュージーランドのカフェで働いていた時には毎日毎日耳にしていました。
特に若い人たちがよく使う “grab” ですが、若者ではなくても使っている人もいます。
では、具体的にどんなふうに使うのか見てみましょう!
“grab” の意味と使い方
“grab” のそもそもの意味は「掴む」です。オックスフォード現代英英辞典には、
to take or hold somebody/something with your hand suddenly, firmly or roughly
と書いてあるように、手で何かをガシッと掴むのが “grab” です。
でも、そこから派生して「掴む」だけでなく、get・take・haveのインフォーマルな意味で使われるので、会話で登場する頻度がとっても高いんです。
実際にどんなふうに使われるのか、早速見てみましょう!
take・have の意味で使われる “grab”
“Grab a seat” はカフェなどに入った時にウェイトレスさんによく言われるセリフです。例えば、
- Grab a seat, I’ll be right over.
席に座ってください。すぐにお伺いします
は「(好きな席に適当に)座って下さい」といったカンジです。かなりカジュアルなニュアンスになります。
そして、飲み物や食べ物をオーダーする時にも “grab” が使えます。
- Can I grab a cappuccino?
カプチーノをください - I’ll grab a beer.
ビールをください、ビールにします
“Can I have 〜?” の方が丁寧ですが、カジュアルなお店では “Can I grab 〜?” や “I’ll grab 〜” とオーダーする人も多いです。
また、”grab” は食べ物・飲み物を「食べる・飲む」という意味でも使います。
- Let’s grab a bite.
何かちょっと軽いもの食べようよ
サッと食べる・飲むというニュアンスが含まれます。”grab something to eat” というのもよく耳にしますよ。
get の意味で使われる “grab”
“grab” は「〜を取ってくれる?」と言いたいときにもカジュアルに使えます。
- Can you grab that for me?
それ、ちょっと取ってもらえる?
“grab me a glass of water” で「お水一杯ちょうだい」のようにも使えます。
また、”grab” は「人を呼ぶ」場合にも使えるんです。
- Can you go grab Susie?
スージー呼んできてもらえる?
“go get ○○” で「○○さんを呼んでくる」という意味になりますが、この “get” も “grab” に置き換えればカジュアルな表現になります。
さらに、これもとてもカジュアルな表現ですが「連絡先もらえる?」と言うような場面でもよく耳にします。
- I’ll grab your contact number.
- Can I grab your phone number?
連絡先(電話番号)をもらえますか?
スターバックスや飲食店などで名前を聞かれるときにも、
- Can I grab your name?
名前は?
みたいなカジュアルな表現がとてもよく使われますよ。
“up for grabs” ってどんな意味?
今回は “grab” のお話なので、”grab” を使ったイディオムも1つ紹介しておきましょう。
“(be) up for grabs” というフレーズを耳にしたことはありますか?
これは、私がニュージーランドでとてもよく耳にする表現なのですが、私の持っているジーニアス英和辞典には「《略式》だれでも手に入れやすい」と書いてあります。
これって、何が言いたいのか伝わりますか?私は全然ピンとこなかったんです。でも、その意味が分かってからは、この日本語訳の微妙な感じが拭いきれません…。
“up for grabs” とは英英辞書によると、
《informal》 if a job, prize, opportunity etc is up for grabs, it is available for anyone who wants to try to have it
(ロングマン現代英英辞典)
ということで「トライしたい人には誰にでも “available” ですよ」というニュアンスになります。
辞書にも書いてあるように、懸賞や求人で使われることが多く、実際には、
- Several positions are up for grabs.
- There’s a 10 million jackpot up for grabs tonight!
のように使われます。「誰でも手に入れやすい」のではなくて、そのチャンスは誰にでもありますよ、ということですね。
“grab” はカジュアルな印象
上でいろいろな使い方を紹介しましたが、”grab” を使うと、かなりカジュアルな印象になります。
カジュアルでリラックスした雰囲気のカフェで店員さんに “Grab a seat” と言われることはあっても、高級レストランでは絶対にありません。
ただ、家族や友達・同僚などのフォーマルではないくだけた会話ではかなり使える表現なので、覚えてぜひ使ってみてくださいね!