「もしよろしければ」「もしよかったら」って日本語の会話の中でよく使いませんか?
「もしよければパーティーに来ませんか?」
「もしよかったらどうぞ」
「もしよければ電話番号を教えてもらえますか?」
など、ちょっと控えめに何かを言いたいときや、押し付けがましく聞こえないようにするために「もしよければ」をわざと付け加えたりしますよね。
これって英語でどうやって表現すればいいんでしょうか?
そもそも、英語にも「もしよければ」という表現はあるのでしょうか?
「もしよければ」「もしよかったら」は英語にもある?
日本語の「もしよければ」の使い方って、とっても控えめに言ったり、相手の意向を尊重するような感じがしますよね。
なので、そんな日本語っぽい表現がそもそも英語にあるのか気になります。
あるか・ないかで言えば、あるんです。
英語にも「もしよければ」「もしよかったら」という表現はあります。ニュアンスごとに見てみましょう。
「もしよろしければ」「もしよければ」「もしよかったら」を英語で言うと?
■ if you like
「あなたがもしそれを好むなら」という意味の「もしよければ」には “if you like” が使えます。
例えば「もしよければ、それあげるよ」なんて言う場合。
- You can have it if you like.
と言うことができます。
また、友達に「もしよければ車で迎えに行くよ」と言いたい時にも、
- I can pick you up if you like.
と言ったりします。
■ if that’s OK/all right (with you)
相手にとってそれが良いか分からないような「もしあなたがよければ」には、”if that’s ok” や “if that’s all right” などがよく使われます。
例えば「もしよければ自分がそっちに行くよ」なんていう言い方をすることがありますよね。そんな場合には、
- I’ll come to you if that’s OK (with you).
- I’ll come to you if that’s all right (with you).
もよく使われます。
■ if you don’t mind
相手が気にしないなら…というようなニュアンスの場合には “if you don’t mind” を使った、
- I’d rather stay home if you don’t mind.
もしよければ私は家に居たいのですが
なども登場します。
■ if it’s not too much trouble
同じように、相手が気にしないならというニュアンスで「もしお手数でなければ」みたいな感じで使われるのが “if it’s not too much trouble” です。
- If it’s not too much trouble, would you be able to send me an email with more information?
もしお手数でなければ、詳しい情報をメールで送っていただけますか?
誰かに何かを頼むのに「もし迷惑(面倒)じゃなければ…」みたいな遠慮した感じです。
■ if possible
「もし可能ならば」という意味では “if possible” と言うこともできますよね。
- I’d like to take a week off next month if possible.
もしよろしければ、来月一週間お休みをいただきたいのですが
のような感じです。
■ if you have time/a chance
「もしよければお電話ください」のような「機会があれば」といった意味では、
- Please call me if you have a chance.
- Please call me if you have time.
なんかも使えるかもしれないですね。
日本語の「もしよければ」との違い
日本語の「もしよければ」と英語の「もしよければ」の表現との大きな違いは、その「位置」です。
日本語の場合は「もしよければ〜しますよ」「もしよければ〜したいのですが」のように「もしよければ」が一番最初に来ますよね。
でも、英語の場合は後ろに来ることの方が圧倒的に多いように感じます。「〜しますよ」「〜したいのですが」をまず先に言ってから、その後ろに、
- if you like
- if that’s OK
- if that’s all right
- if you don’t mind
- if you have time
などを付け加えるようにして言うパターンが多いです。
まずは一番伝えたいことを先に言うという、言葉の並べ方がとっても英語っぽい感じがしますよね。
私が以前働いていた温泉の宿泊施設でも「もしよかったら施設を見てもいい?」と言って入ってくるお客さんがたくさんいて、そんな時には、
- I’d like to have a look if that’s ok.
と言う人が結構いたのが印象に残っています。
直訳にこだわらなくてもいい
上で「もしよければ」と言いたい時に使える表現をいくつか紹介しましたが、必ずしも「もしよければ」を直訳する必要はありません。その代わりに、
- Would you like to 〜?
- Do you mind 〜?
- How about 〜?
なんかも使えるのではないかと思います。これらの表現にはもともと相手の意向を伺うニュアンスが含まれているので、わざわざ「もしよければ」と付け加える必要もないんです。
例えば「もしよかったらあなたもパーティーに来ない?」と誘われるような場面。
- Would you like to come to the party?
は「パーティーに来たい?」と訳すとちょっと変な聞き方ですが、英語では「パーティーに来ない?」と誘うときの自然な言い方です。
また、カフェにコーヒーを買いに行く同僚がいたら、
- Do you mind getting one for me?
とも言えるかもしれません。”Do you mind 〜?” は「〜を嫌だと思う?」が直訳ですが「もしよかったら私のも買ってきてくれない?」というニュアンスになります。さらに、
- How about a movie?
も「映画でもどう?」と訳されますが「もしよかったら」というニュアンスが隠されているんです。
日本語とは別物だと考えてもいいかも
今回は「もしよければ」と言いたい時に使えるフレーズをいくつか紹介しましたが、日本語と全く同じニュアンスが相手に伝わるとは限りません。
日本語の「もしよければ」は万能な言葉で、いろんな場面で違うニュアンスを持たせて使うことができますよね。控えめに言いたい場合にわざと使うこともあります。
でも、英語でも同じような使い方をするとは限りません。
今回紹介したフレーズも、日本語の会話に出てくる「もしよろしければ」よりも出番は少ないですし、「実は〜して欲しいんだけど…」と思っている場合にはストレートにそう言った方がいいこともあります。
「もしよければ」を英語にしたくなったら、本当にそれは必要なのか、どういう意味で使いたいのかをちょっとだけ深く掘り下げてみるといいかもしれませんね。
■「(〜して)よかった」の「よかった」はこちらで紹介しています↓
■「〜すればよかった」を英語で言うと?
今回のコラムに出てきた英語表現
■”all right” と “alright” の違いはこちらで紹介しています↓
■”Would you like 〜?” の意味と使い方↓
■”How about ~?” ってどう使う?