“look at 〜” というフレーズを学校で習いましたよね。
「〜を見る」という意味なのは皆さんご存知だと思います。
ところが、”look at 〜” は単に「〜を見る」ではない意味で使われることもあるんです。
“look” の意味のおさらい
昨日のコラム『look, see, watch の違いをスッキリ解決!』でも紹介しましたが、”look” が表す「見る」は、
注意を払って(意識的に)目を向ける
です。「〜を(見る)」のように目的語を入れる場合に “look at 〜” になります。
なので、どこか違うところを見ている人に対して「私を見て」と言う場合には、
- Look at me.
で、何かにじっと目を向けている人に対して「何を見てるの?」と聞く場合は、
- What are you looking at?
です(テレビやDVDなど「何の番組(映画・ドラマ)?」のニュアンスなら “watch”)。そして「彼は腕時計を見た」なら、
- He looked at his watch.
です。
ここまでは基本的な “look at” の使い方のおさらいなので難しくないですよね。
では、次に紹介する “look at” はどうでしょうか?
“look at 〜” の「〜を見る」以外の意味とは?
先日、Macのキーボードの調子が悪くなったので修理に出しました。修理センターへ郵送したので、無事に届くか心配だったのと、早く修理が終わって手元に返ってきて欲しかったので、修理状況をこまめにチェックしていた時のことです。
まずは「修理のリクエストを受け付けました」というステータスから「製品を受け取りました」というステータスに変わりました。無事にセンターに到着したようです。そこには英語で、
- We’ve received your product.
と書かれていました。そして次にステータスが変わった時に、こう書いてあったんです↓
- We‘re looking at your product.
この “look at” は、”Look at me.” の “look at” と少し違うのは感じられると思います。製品(ここでは私のパソコン)をじーっと見ている訳ではありませんよね。
こんな場合の “look at 〜” は「〜を調べる、検査する」という意味になるんです。
examine(調べる・検査する)の意味で使われる “look at”
“look at” は単なる「目を向けて〜を見る」以外にも「〜を調べる、検査する」を表すことができるんです。
“examine” と同じ意味で「問題は何か・不具合は何かを見つけるためにじっくり見る」というニュアンスです。
実は、上に出てきた修理ステータスに書かれていた “We’re looking at your product.” の下には、
- Out technicians are inspecting your product to diagnose the issue.
とも書かれていました。「問題の原因を突き止めるために、現在技術者が入念に調べています」ということですが、”look at 〜” はこんな “examine” や “inspect” という「問題を調べるためにじっくり見る」のニュアンスで使われることがあるんです。
いくつか例を挙げてみると、
- The mechanic looked at my car and said the timing belt needed to be replaced.
整備士は私の車を見て(調べて)タイミングベルトの交換が必要だと言った - We’ll send a technician to look at it.
それを見に(問題を調べに)技術者を行かせます - I’ve had this rash for a week now. −You should get a doctor to look at it.
「この発疹、もう1週間継いてるんだ」「それ、お医者さんに診てもらった方がいいよ」
こんな感じで、特に専門家がじっくり見て問題を調べるといった場合に使われることが多いです。上の文は「見る・診る」とも訳せますが、これらは「問題がないか・問題は何かを調べる」のニュアンスですよね。
ここにも「注意を払って目を向ける」という “look” の基本イメージが感じられると思います。基本の動詞は日本語訳で暗記するのではなくて、イメージで捉えておくことが使いこなせるようになる近道です。
■look、see、watch の違いはこちらにまとめています↓