今回は、ちょっとトリビア的な英語の「指」にまつわるお話です。
日本語で「指は何本?」と聞かれたら、ほとんどの人は「(両手と両足で)20本」と答えますよね。
でも、英語で “I have twenty fingers.” と言うと、めちゃくちゃビックリされるはずです。
それは一体なぜなのでしょうか?
“finger” の本当の意味は?
足の指は “finger” ではない、というのはご存じの方も多いかもしれません。
英語で「足の指」を何と呼ぶかは後ほど紹介するとして、足以外の「指」となると「手の指」なので、
- How many fingers do you have? −Ten.
が正解でしょうか?
でも、eight(8本)と答えた人もいるかもしれませんね。それは、きっと “finger” の本当の意味を知っている人でしょう。
one of the four long thin parts that stick out from the hand
Oxford Advanced Learner’s Dictionary
英語では「手の親指」は “finger” には含まず、”thumb” という特別な名前で呼びます。そして、他の4本の指には名前に全て “finger” がついています↓
- 人差し指→ forefinger, index finger, the first finger
- 中指→ middle finger
- 薬指→ ring finger
- 小指→ little finger, pinky/pinkie
なので、上の “finger” の定義の「手から突き出た4つの長細い部分」は親指以外の4本を指しています。そうすると左右の手あわせて8本なので、
- How many fingers do you have? −Eight.
が正解です!
…と言いたいところですが、絶対にそうとも限らないんです。
“finger” は8本または10本
上の “finger” の定義には、実は続きがあります。
(or five, if the thumb is included)
もし手の親指を含めたら5本、と書かれています。この場合は “finger” は左右で10本(=ten fingers)ということですね。
ちょっとややこしい話ですが、私のこれまでの経験で言えば、ネイティブが手の「親指」と言うときに “finger” と言っているのは聞いたことがありません。必ず “thumb” です。
でも、大きなくくりとしては “finger” の概念に含まれる、みたいな感覚なのではないかと思います。
例えて言うと、目の前にチリソース、トマトソース、ウスターソース、タルタルソース、マヨネーズがあるとして、マヨネーズは名前に「ソース」も付いてないし、通常「ソース」とは呼ばないけど、大きなくくりではソースに含まれる、みたいな感じかもしれません。
これは私の勝手な妄想なので、間違っているかもしれませんが…。
ということで、”How many fingers do you have?” の答えは “Eight” でも “Ten” でも正解、ということですね。
「足の指」は英語で何て言う?
「足の指」は “foot finger(s)” でも通じそうですが、実際はそうは言いません。
「足の指」は “toe(s)” と呼びます。
そして、足の「親指」と「小指」は、こんなふうに呼ばれています↓
- 親指→ big toe
- 小指→ little toe
他の指はというと、親指の隣が “second toe”、中指が “third toe”、小指の隣が “fourth toe” と、ちょっと雑なネーミングです(笑)そして「足の指(と指)の間」は “between one’s toes” と言います。
足の指1本が “toe” なので、全部で “10 toes” ということになります。
ただ、これがややこしいことに「つま先」になると “toe” なんですね。
- I stubbed my toe on the coffee table.
ローテーブルにつま先をぶつけた
となります。想像しただけで痛いですね…。
ちなみに、健康にいいとされる「5本指ソックス」は “toe socks” と呼ばれています。また、つま先が二つに分かれた「足袋ソックス」は “flip-flop socks” という呼び方がありますよ。
■”flip-flop” とは「ビーチサンダル」のことですが、ニュージーランドでは “jandals” と呼ぶのが一般的です↓
20本の「指」を表せる英単語
実は、手と足の20本の「指」を “finger/thumb/toe” の区別をせずに表現できる英単語があるんです。
それが “digit” です。
「アラビア数字の0から9、桁」を表す、あの “digit” にはこんな意味もあったんですね。
つまり、手足にそれぞれ10本の指を持っている人は “20 digits” を持っていることになります。
ただ、これは解剖学用語のようで、私は日常生活で使われているのを耳にしたことはありません。
“finger”「指」のまとめ
ちょっと長くなってしまったので、ポイントをまとめてみましょう。
手足にそれぞれ10本の「指」を持っている人は、
- I have 8 fingers and 2 thumbs.(もしくは、I have 10 fingers.)
- I have 10 toes.
- I have 20 digits.
ということになります。
日本語とは数え方がちょっと違うのでややこしいですが、”finger” と “thumb”、”toe” の区別はしっかり覚えておきたいですね。”thumb” の正しい発音(/θʌm/)も忘れずに!
■ネイティブがよく使うゼスチャー、”fingers crossed” についてはこちらで紹介しています↓