昔『I’m proud』という曲が流行りましたが、普段の生活で「私は誇りに思っている」と言うことってほとんどないですよね。
でも、英語では “proud” という単語を普段からとてもよく使います。
特に “I’m proud”、”I’m proud of you” というフレーズはかなりよく耳にするんです。
それはナゼなのでしょうか?文化の違いでしょうか?
確かに日本では謙遜が美徳とされているので、”I’m proud of myself /my son.” などと人に言うことはあまりないかもしれません。
でも、”I’m proud” が必ずしも「誇りに思っています」という意味になるとは限らないんです。
“I’m proud of you” を使う場面
“I’m proud of you.” ってどんなシチュエーションで使われるのでしょうか?
例えば、自分の子どもがお遊戯会で上手に踊れたり、テストでいい点を取ったり、何かの賞をもらったりしたら親は “I’m (so) proud of you.” と言って褒めます。
親として子どものことを誇らしく思う気持ちは分かるので「あなたのことを誇らしく思う」と訳しても違和感はないと思います。
では、こんな場面ではどうでしょうか?
以前、ニュージーランドの朝のニュース番組を見ていたら、その番組のスポーツキャスターがロケ先でバンジージャンプをさせられるという中継がありました。
本人は恐怖で “Oh my God” を連発しながらもジャンプを成功させたのですが、そこでスタジオの出演者たちからあがった声が、
- You did it!
- Well done!
- Good work!
- We’re so proud.
- Very proud.
でした。でも、こんな場面で「あなたを誇りに思います」って、ちょっと大げさじゃないですか?
“I’m proud of you” ってどんな意味?
“I’m proud of you.” は「あなたを誇りに思う」という意味で使われることもありますが、実はそんなにシリアスなものではなく、何かを達成した人や何かを頑張った人に対する褒め言葉としてよく使われるんです。
日本語では「よくやったね」「すごいね」「おめでとう」と言ったりしますが、”proud” をいくつかの英英辞書で引いてみると、ほとんどの辞書の一番最初に “pleased” という定義が書かれています。
なので、”I’m proud of you.” は相手が成し遂げた事をただ褒めているのではなくて「(あなたがそうした事を)私も嬉しい」という気持ちを表現した褒め言葉なんです。
「誇りに思う」と訳すと堅苦しくて使いにくいフレーズになってしまいますが、こんなニュアンスなら日常生活で使えそうな場面がありますよね。
実際に、先ほども少し紹介したように「よくできたね」「えらいね」と子どもを褒める時に親が使ったり、家族を褒める時に使ったり、先生が生徒に使ったり、上司が部下に使うこともあります。それまでの努力を知っている人が言うとグッとくるフレーズです。
親しい友達同士だと、難しい試験に合格した、大学を卒業した、仕事で大きなプロジェクトを成功させた、みたいな時に、
- Congratulations! I’m so proud of you!
を使ったりします。
“proud”、使い方はいろいろ
“I’m proud of you.” は相手の結果が良かった時だけではなく、思わしくなかった場合にも使えます。
その場合は、それまでの相手の努力を讃えて、それは私にとっても価値があるもので喜ばしいよというニュアンスが込もった「頑張ったね」みたいな感じになります。
これは “I’m proud of myself.” も同じで、いい結果が出て「誇らしい」「すごく嬉しい」という感情を表現することもできますが、いい結果が出なかったとしても使えます。
また、誰かからその人の家族や子どもが何か大きなことを成し遂げたと聞いた時には、
- You must be proud of him/her.
- You must be very proud.
などで「すごいね!」「よかったね!」という気持ちを表すことができますよ。
そして、自分の家族や親しい人が何かを成し遂げたり、職場の誰かが成功を収めたりした時には、
- You made me proud.
- You made us proud.
と言ったり、同じ意味で、
- You did me proud.
- You did us proud.
と言って嬉しさを表現することもできます。
堅苦しく考えすぎないで
日本語の「誇り」という言葉は、ちょっと堅苦しかったり重いニュアンスが含まれますよね。
でも、”I’m proud of you.” はそんなに大げさな「誇りに思う」ではないことも多く、私も嬉しいという気持ちが込もった「よくやったね」「すごい!」「おめでとう!」のような相手を褒めるフレーズとしてもよく使われると覚えておくといいと思います。
海外ドラマや映画にもとってもよく出てくるフレーズなので、ちょっと意識してみてくださいね。耳にしたら「こんな場面で使うのか!」と使い方もつかめるようになるはずです!
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