「忙しい」という言葉、日本語でも英語でもよく使いませんか?
「最近どう?」「仕事で忙しいよ」なんていう会話だったり、何で忙しいかを言わずに「最近ちょっと忙しくて」とだけ言ったりすることもありますよね。
何かとよく使う「忙しい」ですが、いつも “busy” ばかり使っていませんか?
もちろん “busy” でも全く問題ありませんが、たまにはちょっと違う言い回しを使いたい方へ、バリエーションをいくつか紹介します!
“have a lot” で表す「忙しい」
“busy” を使わない「忙しい」って、どんな表現を思い浮かべますか?
まずは、難しく考えずにこんな簡単な言い方ができます。「忙しい=することがたくさんある」なので、
- I have a lot to do.
(I’ve got a lot to do.) - I have lots to do.
(I’ve got lots to do.)
などは、シンプルですが会話の中でネイティブからよく耳にする表現です。
- I have so much work to do.
(I’ve got so much work to do.)
なども「仕事が忙しい」と言いたい時に使えます。
これらを使うと、“busy” と言わなくても、結果的に忙しいことを伝えられますよね。難しい単語を使わなくても簡単に言い換えができてしまいました。
“hectic” で表す「忙しい」
他には、“hectic” という単語もよく使われます。この意味は英英辞書によると、
very busy or full of activity
ロングマン現代英英辞典
とあるように、ただの「忙しい」ではなく「ものすごく忙しい」「目が回るほど忙しい」「慌ただしい」というニュアンスで使われます。使い方は、
- It was a hectic day.
- I’ve had a hectic week.
- Things have been hectic.
または “hectic life” や “hectic schedule” のように、“busy” とほぼ同じように使われます。
ただし、“hectic” を使う時には一つだけ気を付けるポイントあります。それは、“busy” と違って “I’m hectic.” とは言いません。「人」は主語に来ない、それが “hectic” の注意点です。
“be tied up” で表す「忙しい」
その他には “be tied up” という表現も「忙しい」を表します。
“tie” には「縛る、結びつける」といった意味があります。
ネクタイは首の周りで結ぶものなので “necktie” ですね(英語では単に “tie” と呼ぶことが多いです)。
その「縛る・結びつける」イメージから、“be tied up” で何かに「縛り付けられる→手が離せない、身動きが取れない」というニュアンスになります。
なので、仕事が長引いて待ち合わせに遅れてきた人が、
- Sorry. I got tied up at work.
仕事が忙しくて終わらなくて…
という感じでよく使います。
“be swamped”、“be snowed under” で表す「忙しい」
他にも、“be swamped” はカジュアルに「忙しい」を表す表現です。
“swamp” の「沼」という名詞の意味はよく知られていますが、他にも動詞で、
to make somebody have more of something than they can deal with
Oxford Advanced Learner’s Dictionary
という意味があります。これを主語を「人」にして “be swamped (with 〜)” とすると「(処理するべき〜に)追われる」というニュアンスの「めちゃくちゃ忙しい」を表します。
- I’ve been swamped with work this week.
今週は仕事に追われています(すごく忙しいです)
これと似た表現に “be snowed under (with 〜)” があります。直訳すると「雪に埋もれる」みたいなイメージですが、これも、
to have so much work that you have problems dealing with it all
Cambridge Dictionary
という意味のイディオムで「〜に追われる=〜でとても忙しい」を表します。面白い表現ですよね。
- I’m snowed under with work.
仕事に追われています(仕事でとても忙しいです)
誘いを断る時の「忙しいので…」
他にも「忙しい」は、何かに誘われたけど断る場合にも使いますよね。
例えば「今日の夜、飲みに行かない?」と誘われた時。まだやらなきゃいけない仕事がたくさんあって行けない、というような場合には、
- I’m sorry but I can’t. I still have a lot to do.
ごめん、行けない。まだやることがたくさんあるんだ - I’d love to, but I’m working late tonight.
ぜひそうしたいんだけど、今夜は遅くまで仕事してるんだ
も結果的には「忙しい」ということを言っているのですが、“busy” を使わなくても表現できてしまいます。
とは言え “busy” はよく使う
今回のコラムでは “busy” を使わない表現を紹介しましたが、そうは言っても “busy” は日常会話の中で使う頻度のとても高い単語だと思います。
久しぶりに会った人に “How have you been?” と聞いたら “I’ve been busy.” や “Good. Work’s been busy.” と返ってくることもあります。
また、電話での「今ちょっと忙しいからかけ直していい?」も “I’m busy right now. Can I call you back?” というふうに、生活の至るところに “busy” は登場します。
なので、“busy” を使わないようにしよう、ということではありません。使い慣れている表現をちょっと違うもので言えるようになったら、表現の幅が少しずつ広がっていくと思います。
■“I have a lot on my plate.” も「忙しい」を表す時に使われるイディオムです↓
■“I have a lot to do.” という例文が出てきましたが、“a lot” と “much” の使い分けはこちらで紹介しています↓
■“busy” の「忙しい」以外の意味とは?