“tone-deaf” ってどんな意味?

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少し前に安倍首相が星野源さんの曲に合わせて、自宅で犬を抱いたりお茶を飲んだりしてくつろいでいる様子をインスタグラムに投稿したのが炎上しましたよね。

あの炎上を多数の海外のメディアも取り上げていて、CNNにはこんなことが書いてありました↓

  • Japanese social media users have accused Prime Minister Shinzo Abe of being tone-deaf

では、この “tone-deaf” ってどんな意味だと思いますか?

この記事の目次

“tone-deaf” の意味

“deaf” は「手話」って英語でなんて言う?のコラムにもちらっと出てきましたが「耳が聞こえない」という意味です。

そして “tone-deaf” が一般的な意味で使われると、こんな意味になります↓

Someone who is tone-deaf is not able to recognize different notes or sing tunes accurately.
(Cambridge Dictionary)

音の違いが分からなかったり、メロディーを正確に歌えない。つまり「音痴」「音感がない」という意味なんですね。

  • I’m tone-deaf.
    私は音痴です

ただ、問題となった動画は首相が歌っていたわけではないので、”Japanese social media users have accused Prime Minister Shinzo Abe of being tone-deaf” は「音痴だと非難した」では意味が通じませんよね。

実は “tone-deaf” には他の意味があるんです。

“tone-deaf” のもう一つの意味

「音痴の」という意味しか載せていない辞書も多いなか、もう一つの “tone-deaf” の意味を載せている英英辞書がありました。そこには、

having or showing an obtuse insensitivity or lack of perception particularly in matters of public sentiment, opinion, or taste
(Merriam-Webster)

と書かれています。ちょっと難しい単語が並んでいますが、ここでのポイントは、

  • insensitivity:無神経さ、鈍感
  • lack of perception:認識不足、知覚・感覚のなさ
  • public sentiment:世論

です。つまり「世論に鈍感、無神経」ということですね。

この意味で “tone-deaf” がよく使われるのは、政治家や有名人の発言・コメントやSNSの投稿などが、世論の感覚とずれて無神経な場合です。そして、人々の反感を買ってしまうことになります。

「今これはダメだよね」みたいな、世の流れが正しく認識できていないという意味で「空気が読めない」と訳されることもありますよ。

まさに今回、国民感情とずれた投稿をした安倍首相は、

  • Japanese social media users have accused Prime Minister Shinzo Abe of being tone-deaf
    日本のSNSユーザーたちが安倍首相を世論に鈍感で無神経だと非難した

と報道されたんですね。

個人的には首相が家でくつろぐこと自体は問題ないと思うのですが、今は国民が仕事や収入・健康面などたくさんの不安・不満を抱えていて、政府の対策も安心材料には全くなっていない中でのあの投稿はやはり “tone-deaf” と非難されても仕方ないかなと思います(個人的な意見です)。

“tone-deaf” の使い方

“tone-deaf” の使い方・ニュアンスが理解しやすいように、ニュースで登場した例をいくつか挙げてみましょう。

まずは最近、ニュージーランドのニュースで “tone-deaf” が登場しました。

先週、NZ政府がロックダウンを5日間延長し、その後警戒レベルを一段階下げるという発表したことに対して、最大野党の党首が政府批判をつらつらとFacebookに投稿したところ、国民から反感の嵐に見舞われました。

世論は政府の政策に好意的で、野党支持者ですら「政府の方針を支持する」とコメントする中、ポイントがずれた、重箱の隅をつつくような(nitpicking)政府批判に、

  • incredible tone-deaf criticism of the Government
  • tone-deaf social medis post

などと厳しい声が上がりました。

他には、アメリカの国民的コメディアン/司会者であるEllen DeGeneresさんが、外出禁止令を受けて10日間にわたる自宅での隔離生活を「刑務所にいるみたい」と発言したことが炎上し、

  • Ellen DeGeneres makes tone deaf COVID-19 joke

と報道されました。彼女の自宅は日本円で30億円とも言われる豪邸で、そんな家で過ごしながら刑務所と比較してしまったのが “tone-deaf” と批判されたんですね。

また、過去には、トランプ大統領夫人のメラニアさんも “tone-deaf” なことをして話題になりました。

それは、テキサスにある子どもの移民の収容施設の訪問に向かう際に着ていたジャケットの背中に “I REALLY DON’T CARE DO U?” と書かれていたんです。当時、トランプ大統領の移民政策が非難されており、その中での子どもの移民施設訪問という重要な日になぜそんなデザインの服を選んでしまったのか謎ですが、これを、

  • It was pretty tone-deaf.

と非難した人がいて、BBCの日本語版ではこれを「困った空気の読めなさだ」と訳しています。

うまく説明できたか分かりませんが、”tone-deaf” の意味とニュアンスは理解できましたか?”tone-deaf” はあくまでも「世論に鈍感で無神経」な「空気が読めない」を表すので、例えば単に場の空気を読むのが苦手な人が “I’m tone-deaf” と言うと「音痴なのかな?」と思われるのでご注意を。

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