ここに、こんな2つの文があります。
- I’m going to Hawaii next week.
- I’m going to go to Hawaii next month.
どちらも未来のことを言っていますが、この2つの文の意味の違いは何なのでしょうか?
今回は未来を表す “be going to do” と現在進行形 “be doing” の違いをおさらいしてみたいと思います。
“be doing” と “be going to do”
もう一度2つの文を見てみましょう。
- I‘m going to Hawaii next week.
- I‘m going to go to Hawaii next month.
1は現在進行形、2は “be going to” が使われていますね。
一見すると、1は2を “I’m going to go to Hawaii” みたいに省略しているようにも見えなくないですよね。でも、これは省略ではありません。
【現在進行形(be doing)】で表す未来と【be going to do】で表す未来は、若干ですがニュアンスが変わってきます。
日刊英語ライフでは毎度おなじみEnglish Grammar in Useの【I am doing and I am going to do】という解説ページにも、こう書かれています↓
We use I am doing (present continuous) when we say what we have arranged to do − for example, arranged to meet somebody, arranged to go somewhere
I am going to do something=I’ve decided to do it (but perhaps not arranged to do it)
Often the difference is very small and either form is possible
English Grammar in Use
この違いを詳しく見ていきましょう。
現在進行形と “be going to” で表す未来の違い
English Grammar in Useの解説をサクッとまとめると、違いはこういうことです↓
【現在進行形で表す未来】〜するとすでに手配・段取りをしていることを表す
【be going toで表す未来】〜するとすでに決めたことを表す
そもそも進行形というのは「何かをしている最中」を表しますよね。なので、未来のことを言う場合にはそこに向かって「すでに動き出している感覚」があります。
それに対して “be going to do” は「何かをすることに向かっている」というニュアンスです。なので、何かをすることは「決まっている」ものの、必ずしも「すでに動き出している」を表すわけではありません。
つまり、それぞれが表すニュアンスには微妙ではありますが、こんな差があります↓
【現在進行形で表す未来】すでに決まっていて具体的に動き出している、もしくは確実に起こるという未来の予定
【be going toで表す未来】〜しようと決めたことや計画(必ずしも具体的な段取りはされていない)
つまり、しっかり予定が立っていて絶対にこうなるという確実性が高い場合に現在進行形で表すことが多く、逆に “be going to” は「しようと思っているんだ」という意思を感じさせることが多いです。
次はそれぞれの違いが分かりやすいように例文を見てみましょう。
現在進行形と “be going to” で表す未来の例文
例えば「明日の予定は?」と聞きたい場合、
- What are you doing tomorrow?
- What are you going to do tomorrow?
のどちらも使われますが、上の文はすでに決まっている予定を聞いているのに対して、下の文は「何するつもり?何かするの?」といった微妙なニュアンスの違いがあります。
そうすると、冒頭に出てきた2つの文の違いは、もう分かりますよね。
- I‘m going to Hawaii next week.
- I‘m going to go to Hawaii next month.
1は「来週ハワイに行きます」というすでに具体的に動き出している予定を表しています。チケットの手配が済んで計画が具体的に進んでいる、確実性が高いニュアンスを感じさせます。
それに対して2の “I’m going to go 〜” は「来月行こうと思ってるんだ」と決めたことを伝える文で、行くことは決めているけど必ずしも具体的な段取りが進んでいるわけではないといったニュアンスがあります。

“be going to go” と “be going” は同じ?
以前、私はこんなことを耳にしたことがありました。
「”I’m going to go” は冗長なので、”I’m going” と言うのが正しい」
これを聞いた時にはビックリしたのですが、調べてみると、Advanced Grammar in Useにもこんな記載がありました↓
Many people avoid be going to + go/come and use the present continuous forms of go and come instead
Advanced Grammar in Use
・I‘m going to town on Saturday. (rather than I‘m going to go to town …)
「多くの人は “I’m going to go/come” と言うのを避けて、その代わりに “I’m going/coming” と言う」と書かれてありますよね。
実際のところ、口語では短いシンプルな文が好まれるのは確かですが、ネイティブが “be going to go” と言わないかというと、実はそうでもないかなと思います。ニュージランドに住んでいた時も周りの人たちは、
- I‘m gonna(=going to) go to the supermarket.
- I‘m going to go to the beach.
みたいに、すでに決めた未来の計画を表すときに “I’m gonna go” や “I’m going to go” を使っていました。
“I’m going to go” と “I’m going” の違いは大きなものではなく、口語では短くシンプルな表現が好まれるので、”I’m going” で表すことは確かに多いと思いますが、それでもやはり “be going to go” は使われているかなぁというのが私の個人的な意見です。
ただ、繰り返しになりますが、進行形で表すか “be going to” で表すかはそれほど大きな違いではないことがほとんどです。頭で考えすぎて話せなくなってしまう…なんてことにならないためにも「進行形=すでに動き出している」の感覚をしっかり身につけておきたいですね。
■現在進行形の感覚を掴みやすい、”She’s dying.” や “The train is stopping.” の意味と解説はこちら↓