「頭がいい」という表現がありますよね。
例えば「◯◯さんって東大卒なんだって」と聞いたら「頭いいね」「賢いね」と言ったり、自分で上手く解決できなかったことを友達が違うやり方でひょいっと解決してくれた時には「あったまいい!」とそのやり方を褒めたりもしますよね。
そんな一筋縄ではいかない「頭がいい」という表現ですが、英語でもちょっとした使い分けがあります。
さらにイギリス英語とアメリカ英語でもちょっと違うので、その違いも紹介したいと思います!
“intelligent” で表す「頭がいい」
日本語では、高学歴な人を指して「あの人はインテリだから」と言いますよね。
Wikipediaによると、その「インテリ」の元になったのはロシア語のインテリゲンチャ(интеллигенция:知識階級)だそうですが、英語にも「頭がいい」を表すときに使われる “intelligent” という単語があります。
“intelligent” とは、
good at learning, understanding and thinking in a logical way about things: showing this ability
(オックスフォード現代英英辞典)
という意味で「頭がいい」の中でも、とりわけ学習能力・理解力が高かったり論理的思考ができたりという知能的な「賢さ」を表すのが “intelligent” です。
“smart” は頭の回転がポイント
日本語では「◯◯さんって背が高くてスマートだよね」と言ったりしますが「細い」という意味での「スマート」は和製英語です。
英語の “smart” には「細い・痩せている」という意味は無く「頭がいい」という意味になります。
“intelligent” とは微妙に区別される “smart” ですが、どんな種類の頭のよさかと言うと、
having or showing a quick-witted intelligence
とオックスフォード新英英辞典には書かれています。
“smart” の大きなポイントは “quick-witted(頭の回転が早い、機転の利く)” で、知能的な頭の良さとは別に、問題があっても卒なくサッと解決できる感じの「頭がいい」を表すときに使われます。
イギリス英語では「見た感じがおしゃれで小ぎれいな」という意味でよく使われます。なので、こざっぱりオシャレな服で誰かに会ったときに、
- You look smart!
と褒められても「頭がよく見える」ということではありません。
“clever” は「ずる賢い」とは限らない
「”clever” はずる賢いというニュアンスがある」と聞いたことはありませんか?私はずっとそう信じていたので、自分からはなかなか使えずにいました。
でも、ニュージーランドで私が一番よく耳にするのは、実は “clever” なんです。
確かに「ずる賢い」という、ちょっとネガティブな意味で使われることもあるようですが、実はイギリス英語ではポジティブな褒め言葉としてとてもよく使われます。
アメリカ英語で “smart” と表現する場面でイギリス英語では “clever” を使ったり、知識が豊富なだけではなく、それを上手に使える・活かせる人に対して使われます。
なので、手先が器用で何でも自分で作ってしまうような人のことを、
- He’s very clever with his hands.
と言ったりもします。
また、人だけに使うのではなく、アイデアに対して、
- That’s a clever idea.
といった使い方もよくします。「工夫に富んだいい考え、人が思いつかないようないい考え」のようなニュアンスですね。
私が以前、近所の女性と立ち話で「紙のコーヒーフィルターは毎回捨てるのがもったいないから、安い布を買ってきて作ったよ」と話したところ、
- That’s very clever!
と褒められたのを覚えています。
他にもある「頭がいい」の英語表現
「賢人」を英語で “wise man” と表したりしますが、”wise” も「賢明な」「博識な」といった意味があります。これは知識もあって多くの経験も積んでいる・分別のあるといった感じで、ちょっと年配の方に使うことの多い単語です。
子どもや若い人に対しては「聡明な」というニュアンスで “bright” もよく使われるように思います。
そして「君ってほんとうに頭いいね!」のように「天才だね!」的に言いたい場合などには、
- You’re a genius!
なんていうふうにも言えますよね。
頭がいい」を表す単語はたくさんありますが、知能的な賢さ以外に一般的にいう「頭がいい」は、私の感覚から言うとイギリス英語では “clever”、アメリカ英語では “smart” がよく使われるのかな、という気がしています。