私がニュージーランドに来てから気付いたことの1つが、”rather” という単語が会話にわりとよく出てくるな…ということです。
“rather” には「rather+動詞」という使い方もありますが、今回のテーマはそれではなく「rather+形容詞」の使い方に注目したいと思います。
アメリカ英語ではフォーマルな印象もある “rather” ですが、イギリス英語では実は会話で結構よく使われる単語なんです。
さて一体、どんな意味でどんなふうに使うのでしょうか?
そもそも “rather” の意味とは?
“rather” は「程度を表す副詞」と紹介されることが多いです。
では「程度を表す副詞」とは何かというと、代表的なものは皆さんよくご存知なはずです。
例えば “very”。他には “a little/bit”、”really”、そして “pretty good” の “pretty” なども「程度を表す副詞」の仲間です。
それをEnglish Vocabulary in Useでは、ザックリとこんなふうにグループ分けしています↓
■ a bit / slightly
■ quite / fairly / rather / pretty
■ very / extremely / incredibly / reallya bit=less than quite
quite=less than very
つまり「ちょっと、少し」ほど低くはないけど「とても」というほどでもない、という曖昧なニュアンスですね。
でも、これだけではどんなふうに使ったらいいのか、いまいちピンと来なくないですか?
そこで次は、実際に使うときのポイントを紹介しましょう。
“rather” の意味①
まずは1つ目のポイント。
それは、English Grammar in Useにこんなふうに書かれています↓
Rather is similar to quite and pretty. We often use rather for negative ideas:
・The weather isn’t so good. It’s rather cloudy.
・Paul is rather shy. He doesn’t talk very much.
“quite” や “pretty” と似ているものの、”rather” の後ろにはあまり好ましくない単語が来ることが多いんですね。ガッカリ感を含むこともあります。
あまり良くないこと・好ましくないことを控えめに言う場合にとてもよく使われます。例えば、海外旅行で泊まったホテルの部屋が狭かった時に、
- The room was rather small.
部屋は結構狭かったよ
なんていうふうに言ったりします。日本語の「結構」に近いです。
“rather” の意味②
そして2つ目のポイントは、ポジティブなことに使う場合です。
これもEnglish Grammar in Useの解説を借りると、
When you use rather for positive ideas (good/nice etc.), it means ‘unusually’ or ‘surprisingly’:
・These oranges are rather good. Where did you get them?
です。”rather” は「思ってたよりいい」「期待していたよりもいい」のような驚きを含むことが多いんですね。
- Her cooking is rather good actually.
と言うと、基本的には「彼女の料理は美味しい」ですが、そこにはちょっと驚きが混じっています。
「結構美味しいんだよ」「それがなかなか美味しいんだよ」みたいな感じでしょうか。
イギリス英語でよく使われる “rather”
イギリス英語でよく使われる “rather” ですが、イギリス人は控えめな表現や婉曲的な表現を好むので、ズバッと言い切る感じではなくてちょっとぼやかす感じで使われることも多いです。
また、シニカルな言い方をすることも多いので、実は “very” の意味が隠されていることもあったりします…。
守備範囲が広すぎてちょっと厄介な “rather” ですが、基本の意味は最初に紹介した【“a little” 以上だけど “very” ほどではない】です。
あってもなくても文章の意味を劇的に大きく変えるものではないですが、今回のコラムが会話に “rather” が出てきた時のちょっとした参考になればと思います。
その他の “rather” の使い方
■やんわり「〜して欲しくない」を表す時の “rather” はこちら↓
■食べ物や飲み物を勧められて断りたい時に登場する “rather” はこちら↓