以前、「〜の」を表す of と −’s、使い分けられてますか?というコラムで【所有】を表す “of” と “–’s” の使い分けを紹介しました。
そこで今回は、所有を表すアポストロフィ【 –’s】と【 –’】の使い分けをおさらいしたいと思います。
「女性用トイレ」は “ladies’ room” と “ladie’s room” のどちらが正しいか迷わず選べますか?また「子ども(向け)の本」は “childrens’ books” と “children’s books” のどちらが正解なのでしょうか?
そんなの簡単!と思っていても、意外と忘れていることがあるかもしれません。
所有を表すアポストロフィ【 −’s と −’ 】
まずは「〜の」を表すアポストロフィには2通りがあったのを覚えていますか?
- アポストロフィ+ s【 –’s】
- アポストロフィのみ【 –’】
この2つのバージョンがあります。
違いをおさらいしてみると、こうなります↓
単数形にくっつく場合は【 –’s】
複数形にくっつく場合は【 –’s】または【 –’】
そして、複数形にくっつく【 –’s】と【 –’】の使い分け方は、こうです。
単語が “s” で終わらない →【 –’s】
・men’s shoes … 男性用の靴
単語が “s” で終わる →【 –s’】
・ladies’ room … 女性用トイレ
・kids’ clothes … 子ども服
・my parents’ house … 私の実家
これだけしっかり頭に入っていれば「子ども(向け)の本」は以下のどちらが正解か、簡単にわかりますよね。
- childrens’ books
- children’s books
“child” の複数形は “children”、そして “s” で終わっていないので、2番の “children’s books” が正解ですね。
練習問題【–’s】と【–’】の使い分け
次は、ちょっと間違えやすそうな【 –’s】と【 –’】の使い分けがEnglish Grammar in Useに載っていたので紹介したいと思います。
以下のものはAとBのどちらが正しいと思いますか?
- A:Mr Carter’s house
- B:Mr Carters’ house
これは簡単でしたね。Carterさんは1人=単数なのでAが正解です。
では、これはどうでしょうか?
- A:the Carter’s house
- B:the Carters’ house
「Carter一家の家」ということなので、Cartersは複数になります。よってBが正解。
では、こんなパターンはどうでしょうか?
- A:Mr and Mrs Carter’s house
- B:Mr and Mrs Carters’ house
「Carter夫妻の家」ですが、これ、ちょっと悩みませんか?
この場合はAが正解となります。
他の例として “Jack and Karen’s wedding” が載っていますが、こんなふうに “◯ and △” の所有を表す場合には、後ろの “△” に【 –’s】がくっつくんですね。
“s” で終わる名前に付くのは【–s’s】それとも【–s’】?
単数に付くのは【 –’s】、複数の “s” で終わる単語に付くのは【 –s’】でしたよね。
では「Jonesさんの車」をアポストロフィを使って表現すると、以下のどちらが正しいと思いますか?
- A:Mr Jones’s car
- B:Mr Jones’ car
Mr Jonesは単数なのでAが正解かと思いきや、実はこの場合はAもBもどちらも正解なんです。
これはネイティブでも意見が割れるところらしいですが、Advanced Grammar in Useによると、名前の最後が “s” で終わって発音が /z/ の場合には、アポストロフィは【–s’s】と【–s’】のどちらでもいいという記載があります。
なので「Jamesのペン」も “James’s pen” と “James’ pen” のどちらも間違いではありません。
どちらかに統一していることが大事で、文章の中に両方が混ざるのは良くないです。
アポストロフィにまつわるコラムはこちら
アポストロフィって、普段何気なく使っていますが、意外と間違えやすい部分でもあります。
特に、きちんとした文章を書く際にはちょっと意識してみてくださいね。
■所有を表す “of” と “–’s(–s’)” の使い分けはこちらをご覧ください↓
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