“can’t” は何の略?”cannot” と “can not” の違い

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“can” の否定形は皆さんご存じ “can’t” ですよね。これはアポストロフィが付いていることから分かりますが、これは省略(短縮)された形です。

では、ここで問題です。この “can’t” は何の略だと思いますか?

「そんなの簡単。”can not” でしょ」と思った方、実はちょっと違うんです。

目次

“can’t” は何の略?

まずは正解から。”can’t” を略さずに書くと、

cannot

です。二語の “can not” ではなく、ワンワードなんです。

  • isn’t → is not
  • don’t → do not
  • doesn’t → does not
  • didn’t → did not
  • haven’t → have not

と来たら、”can’t” も “can not” の略だと思ってしまいますよね。ネイティブでもたまに “can not” と書いている人がいますが、略さずに書くなら “cannot” が正解です。

“can’t” と “cannot” の違いと使い分け

“can’t” と “cannot” の違いは略しているか略していないか、ただそれだけです意味に違いはありません

では “cannot” はいつ使うのかと言うと、それは、

フォーマルな文面

です。つまり、書き言葉で使われます。

基本的に口語では “I am → I’m”、”I will → I’ll”、”It is → It’s” などと略すことがとても多いですが【短縮形(縮約形)はインフォーマルな表現である】というのが基本のルールです。

なので、フォーマルな手紙・メール・お知らせ・論文などでは、”I am” や “We are”、”It is”、そして “cannot” のように略さずに書かれます。

実際に私が企業から受け取ったメールを見てみると、

  • If you cannot view this email properly, please click here.
  • This email was sent from an address that cannot accept incoming messages.
  • Please contact us if you cannot find an answer to your question.
  • Offer cannot be used in conjunction with any other offer.

などと書かれていましたよ(インフォーマルな手紙やメールなら “can’t” で全く問題ありません)。

Money can't buy happiness

©︎Tom Henrich

“can not” は正しい?

“can’t” を “can not” と書くのは文法的には正しくない、というのが一般的に言われていることです。

実際に辞書には “can” の否定形は “cannot” と書かれている場合がほとんどで、Cambridge Dictionaryには「ワンワードの “cannot” が正しく、“can not” は間違いである」とハッキリ書かれています。

ところが、Merriam-Websterにはこんな記載もあるんです↓

Both cannot and can not are perfectly fine, but cannot is far more common and is therefore recommended, especially in any kind of formal writing.

Merriam-Webster Dictionary

“cannot” の方がはるかに一般的なので推奨される、とは言いつつも “can not” も全く問題なし、と書いてありますよね。そして、そこには “cannot” ではなく “can not” の方が好まれる場合の例文が載せられています↓

Now I can not only smell the pie, but I can also see it.

Merriam-Webster Dictionary

これは “can not” の “not” が、”not only…, but (also) 〜” の一部になっているので、”can not” が適切なんだそうです。ただ、この “can not only…, but 〜” は「…できるだけではなく」なので、もはや “can’t(できない)” の意味ではないですよね。

can’t / cannot / can not の違い【まとめ】

話がややこしくなってきたので、最後に整理してみます。

【can’t】口語やカジュアルな文面でよく使われる。フォーマルな文面では避けられる
【cannot】can’t を略さずに書いた形。フォーマルな文面で用いられる
【can not】一般的なライティングでは間違いとみなされる ※例外あり。上記参照。

これまで “can not” と書いていた方は今日からちょっと意識してみてくださいね。

■”I am” と “I’m” のような、短縮する場合としない場合の基本的なルールはこちらで紹介しています↓

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