ラグビーワールドカップ、日本代表は今夜サモアと対戦しますね。
「日本対サモア」を「日本vsサモア」のように “vs” を使って書くこともありますが、”vs” ってそもそもどんな意味なのでしょうか?
その意味と略語の書き方をおさらいしてみましょう!
“vs” は “versus” の略語
ご存じの方も多いと思いますが「日本vsサモア」のように書かれる “vs” とは “versus” の略です(発音は/ˈvɜː.səs/)。英英辞書では、
(especially sport or law) used to show that two teams or sides are against each other
(オックスフォード現代英英辞典)
と定義されています。簡単に言ってしまうと “against(対)” ということですね。
“versus” とは、”vertere” という “turn” を意味するラテン語の過去分詞なんだそうで、これが “toward(s)” や “against” という意味になるようです。
- Japan versus Ireland
日本対アイルランド - the All Blacks versus the Wallabies
オールブラックス対ワラビーズ - the All Blacks versus Springboks match
オールブラックス対スプリングボクスの試合 - Saturday night’s Japan versus Samoa match
土曜の夜の日本対サモアの試合
“versus” の正しい略語は?
“versus” は、日本では “vs” や “VS” のように書かれているのをよく目にすると思います。「VS嵐」というテレビ番組もありますよね。
英語では “versus” を略すときには小文字の、
- vs.
- v.
が使われます。ピリオドをつけるのは略語を表すときのルールでしたよね。
“vs.” は主にアメリカ英語、”v.” が主にイギリス英語で使われるという傾向はありますが、それだけではなく、訴訟の「○○(原告)対△△(被告)」を表す場合の略語は “vs.” ではなく “v.” が使われるという違いもあります。
ただ、実際にはピリオドなしの、
- vs
- v
や大文字も見出しなどでは使われているのを目にします。パッと見たときの見やすさやデザインを優先させているのかもしれませんね。
↓ ワールドカップラグビーの公式サイト(英語バージョン)では大文字の「V」が使われています
“versus” のもう一つの意味
スポーツや訴訟で「○○対△△」のように2つのものの「対立(against)」を表すとき以外にも、”versus” は使われます。
それは異なる2つのもの・考え・選択肢などの「対比」を表す場合です。”as opposed to 〜” とか “in contrast to 〜” といった感じの意味になります。
- going out vs. staying home
出かけるか家にいるか - I decided not to do it after weighing the risks versus benefits.
リスクと利益を比較検討して、それをしないことにした
日本語でも2つのものを比較するときに「アメリカ英語 VS イギリス英語」や「iPhone vs Android」みたいに表現しますよね。それと同じです。
“vs.” と書いてあっても、読むときは “versus” と略さずに読むことがほとんどだと思います。
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