今回は “keep 〜 to yourself” というフレーズを取り上げたいと思います。
“yourself” だけでなく、”myself” や “himself” などの形もある “keep 〜 to oneself” というフレーズを耳にしたことはありますか?
ぜひ覚えおきたい “keep 〜 to oneself/yourself” の意味と使い方を紹介します。
“keep 〜 to yourself” の意味とは?
日本語でも「キープする」と言いますが、”keep” は何かを「取っておく、持ち続ける」とか、何かの状態を「保つ」という意味がありますよね。
そして、”to oneself” とは「(他の人と共有せずに)自分だけで、自分だけに」という意味なので、”keep 〜 to oneself” は「自分だけで(に)〜を保つ、持ち続ける」といった意味になります。
つまり、”keep 〜 to yourself” とは、
to not tell anyone about something
(ロングマン現代英英辞典)
という意味で「(情報など)を人に言わない」を表すときにとてもよく使われるフレーズなんです。
※”keep to oneself” もしくは “keep oneself to oneself” は「あまり人と話さない、人付き合いをしない」という別の意味です。
“keep 〜 to yourself” の使い方
“keep 〜 to yourself”、”keep 〜 to myself” は会話の中で使われると、
- I’d(=I would) appreciate it if you kept it to yourself.
誰にも言わないでもらえるとありがたいです - Just keep that to yourself, okay?
誰にも言わないでよ、わかった? - I promise I’ll keep it to myself.
誰にも言わないって約束するよ
みたいな感じになります。他にも、秘密にしておいたほうがいいことや誰かの悪口など人に言わないほうがいいようなことを言われたら、
- Maybe you should keep it to yourself.
それは人に言わないほうがいいかもしれないよ - I think you should keep it to yourself and not tell anyone.
それは自分の心の中にとめておいて、誰にも言わないほうがいいと思うよ - That’s something you should keep to yourself.
それは人に言わないほうがいいことだよ
のようにも使えるし、逆に誰にも相談できずに悩んでいる人に対して、
- Don’t keep it to yourself. Talk to someone.
自分一人で抱え込まないで誰かに相談して
みたいにも使えます。
“keep to yourself” の大切さ
今回この “keep 〜 to yourself” を紹介しようと思ったのは、あるニュースがきっかけでした。
そのニュースとは、先日亡くなった女子プロレスラーの方のニュースです。私はこの方が出演されていたテレビ番組を見たことはなく、この方がどんな方なのかも知りません。
ただ、テレビ番組内の言動がもとで誹謗中傷を受けていて、それが死につながったと知って、心ない言葉を浴びせた人に対して “Keep it to yourselves” というフレーズが心に浮かびました。
人はそれぞれ考え方も違うし、どんな意見を持つのも自由です。英語でも、
- Everyone is entitled to their own opinion.
誰もが意見を持つ権利を与えられている(=自分の意見を持っていい)
という表現はよく使われます。でも、自分だけにとどめておくこと・人に言うべきではないこと(Things you should keep to yourself)があると私は思っていて、誰かの存在や人格を否定したり、尊厳を傷つけるようなことがまさにこれだと思うのです。
誰でも自由に意見を発信できる今の時代だからこそ、改めて「自分の心の中にとどめておく」という分別が大切なのかもしれません。