先日、エリザベス女王の夫であるフィリップ殿下が亡くなられました。
ロンドンのバッキンガム宮殿では半旗が掲げられ、イギリス連邦の一員であるニュージーランドでも半旗が掲げられました。
そんな、誰かが亡くなったときなどに弔意を表す「半旗」「半旗を掲げる」って英語で何て言うのでしょうか?
「半旗」は英語で “half-mast”
「半旗」を英語で言おうとすると、”half flag” みたいに直訳してしまいそうですが、正しくは、
half-mast(half mast)
と言います。
この “mast” とは、船の「マスト」の意味もありますが「旗を掲げるポール」という意味もあるんです。ポールの半分ぐらいの位置に旗を掲げるので、”half-mast” なんですね。そして、
at half-mast
で「(旗が)半旗の位置で」を表します。
「半旗を掲げる」を英語で言うと?
では「半旗を掲げる」「半旗を掲揚する」「半旗にする」「半旗になっている」は英語でどう言うのでしょうか?
これは “at half-mast (half mast)” を使って、よくこんなふうに表されます↓
- 半旗を掲げる、半旗にする
Fly a flag at half-mast. - 旗が半旗になっている
A flag is flying at half-mast.
A flag is flown at half-mast.
A flag is at half-mast.
A flag is lowered to half-mast.
例えば、フィリップ殿下の死去を受けて半旗が掲げられる(た)ことを伝えるニュースには、こんな表現が出てきています↓
- Flags are flying at half-mast at Wellington’s Government House and the Beehive in honour of the late Prince Philip. −Stuff
- The New Zealand flag at the Beehive in Wellington is flying at half-mast in respect to Prince Philip. −Stuff
- The flag at Buckingham Palace was lowered to half-mast −BBC
- All UK government buildings have been told to fly official flags at half-mast in tribute to the duke −BBC
- Flags will be flown at half mast in New Zealand in recognition and acknowledgement of the passing of the Duke. −TVNZ
下の写真は、ニュージーランドの国会議事堂の隣にある、首相や閣僚の執務室などが入っている建物、通称「ビーハイブ(Beehive:蜂の巣)」です。この屋上にある国旗も、フィリップ殿下の死去を受けて半旗に↓
また、半旗から元に戻る(通常の一番上の位置に戻る)のは、”return to full-mast” や “(be raised) back to full-mast” などで表されます。
- Flags will return to full-mast on Monday.
旗(半旗)は月曜日に元の位置に戻る(戻される) - Flags on public buildings have gone back to full mast.
- Flags on public buildings have been raised back to full mast.
公的機関の建物の半旗は元の位置に戻った
“gun salute” とは?
フィリップ殿下が亡くなり、半旗が掲げられるとともに、”41-gun salute(s)” というものも行われました。
私は英語のニュースを読むようになってから、この “gun salute” という単語を知ったのですが、どんな意味だと思いますか?
この “gun” とは「大砲」のことで、”salute” には「敬礼(する)」という意味がありますが、”gun salute” で「礼砲」を表します。
空包を発射して敬意を表す儀式のことで、21発を放つのが標準なので、英語のニュースにも “21-gun salute” という表現でちょいちょい登場します。
日本では2019年に行われた天皇の即位の礼で自衛隊によって21発の礼砲が実施されたようですが、今回英国軍によって行われたフィリップ殿下の追悼のための礼砲は41発だったので “41-gun salute” です。
イギリスの王立公園で発射される特別な場合は20発加わり41発になるそうで、イギリス国内だけでなくニュージーランド・オーストラリアの首都でも “41-gun salute” が行われました(複数の場所で行われることが多いので、それらを指す場合は “gun salutes” と複数形になります)。
この “gun salute” は大砲なので、当たり前ですがものすごく大きな音が響き渡ります。私は “gun salute” なるものを知る前に、突然どこかから定期的な爆発音が轟いてきて、ものすごく怖くなったことがあります。
その時のニュースで初めて “gun salute” を知りましたが、知らないと本当に身の危険を感じるほどの音なのでご注意を。
■「黙祷」の英語表現はこちらで紹介しています↓